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添削を頼みたいんだけど。

友人に、添削を頼まれた。

漫画系の同人誌制作に初めてチャレンジし、そのあとがきを書いたから見てほしいとのこと。 彼女は変わり者だが、いつだって真剣だ。僭越ながら引き受けることにした。

思いの丈

彼女は口数が少ない。そして突拍子のない行動ばかりとる。6年の付き合いになるが、未だに生態をつかめない。 

今回だって、何の漫画を描いているのか、いつから描いているのか、なぜ描こうと思い立ったのか、知らないことだらけだった。 

あとがきには作品への思いが溢れていた。

彼女が出版しようとしていたのは二次創作漫画。原作との出会いから漫画制作の難しさまで綴られていた。

原稿用紙2枚ほどに、普段は語られない彼女のこころが表現されていた。2年がかりの制作だったというのだから、ある種当然かもしれない。

良いものを読ませてもらったな。こころから思った。

添えて削ぐ

文章といえば論文ざんまいな彼女のあとがきは「普通」ではこうしない、という箇所ばかり。でも、間違いなく彼女の中から出てきたことばで綴られている。

この文章に、私がことばを「添」えたり「削」いだりしていいのか。

初稿を見て手を入れるのを迷ったのは久しぶりだった。

何度も読み直した。原作について調べた。その上で、彼女の原作と読者への敬意や感謝をより伝わりやすくするため、少しばかりことばを添え、削いだ。編み直した。

思いの丈が募った、その人ならではの文章を目前にして、編集って何なんだろうと思う。

最近の私は伝えたいことを伝わりやすくすることばかりに終始していたな。個性を生かすことを忘れていたかも。

「あなたに見てもらってよかった」と言ってくれた友人へ。 

「編集とは」を考え直すことになるとは思ってなかったよ。ありがとう。飛行機で10何時間かけて帰国するの、待ってるからねー。

20211121 Written by NARUKURU

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