見出し画像

「しょうもない」デザイン 競馬場とかにあるあのペン=ペグシル

なにについて書こうか。そう思いながら手に持っていたのが、これだった。これだ。

「ペグシル」

これだ!!

本を読むようになってから、書き込みは欠かさない。ただちょうど良いペンがない、本当に。

大学しばらくの頃は書き込み用に、普通の鉛筆やシャーペンなどを使っていたが、しおり代わりに挟んでいると、本をやたらと傷めてしまう、ハードカバーになると挟んでおくこともできないなどなどでなかなか難儀した。

一時期、めちゃくちゃ小さいシャーペンを使っていたが、それもややましになった程度の変化であまり良いわけではなかった。あと小さすぎてなくした。モノをなくすことかなり少ないのに。

そもそもシャーペンの線は、細すぎて見栄えもあまり好みではない。機械的すぎて気持ちよくない。書き込みの濃淡、太さの変化を加えられないのも痛い。その上細いゆえに薄い紙を使っている本に穴を開けてしまうことがよくあったので、自分には向いてなかったのかも、と思う。筆圧がエグい濃いんです。

鉛筆のあの適度のヌルッと感触が結構好きだったりする。ピックアップすべき箇所はどこか、特に重要な箇所はどこか。鉛筆なら太さ、濃さなどを芯の角度やらでうまく調節すれば、自分なりの序列を表現できる。これも鉛筆の利点だと思う。鉛筆の書き心地がいいんです。こればかしは身体感覚の快・不快の問題でしかないかと思うのですが。

鉛筆、なんかちょうど良いのないかな、なんて思っていた頃、カバンの奥からこの出てきたのがこれ。たぶん、見に行ったお笑いライブのアンケートにくっついてたやつを間違って持って帰ってしまってか。とにかく、カバンの中にいた。うわ、これだ!!

「しょうもない」

正式名称は「pegcil(ペグシル)」。岡屋という日本のゴルフ用品メーカーが開発したそうです。全く知りませんでした。

めちゃくちゃ、本にちょうど良い。本に書き込みしている人にはまずこれをおすすめしておきたい。軸含めて全体が薄いつくりので、本を傷めない。上部のフックで留めておけば、ハードカバー本でも対応できる。短いから端っこを持っていても力が伝わるので、どんな場面でも線を引ける、書き込める。安い。相場1本3~10円。amazonでも売っているのでおすすめです。(他メーカーさんのものであれば50本500円とかでも。)

ほんとにこういう「しょうもないもの」が好き。日常の細かに空いた隙間を埋めるような、ついぞの場面で生まれたものは、あまりに繊細なデザインで利点に気づかないほど小さい。あまりに小さくて小さくて、「しょうもない」。デザインの究極の1つは、気付かれないほどに薄く透明に日常に張り付くこと。わからないほど少しだけのヒビみたいな裂け目を埋めるもの。なのかもしれない。

読み途中の本全部に挟まってる。あからさま世界を変えたデザインではないけれど、こういう「しょうもない」があったから小さくとも自分の読書体験はかなりスムーズになった。それに改めて気付いたときは、やや気分よくなる。

Twitter

Instagram

Facebook

この記事が参加している募集

#買ってよかったもの

58,901件

もし可能でしたら、サポートしていただけると、とても、とても、とにかくありがたいです。よろしくお願いいたします。