なるっち-大地の恵みP

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なるっち-大地の恵みP

ボカロP & BGMクリエイター。 北海道出身です(っ'-')╮=͟͟͞͞ジンギスカン🥓 YouTube→https://youtube.com/@narucchidmp

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回想録シリーズ第5弾『アンフィニッシュブルー』の楽曲説明

こんにちは、大地の恵みPです。回想録シリーズ第5弾『アンフィニッシュブルー』の楽曲説明をします。最後まで読んでくれると嬉しいです。 最初に私事ですが、この度19歳になりました。回想録シリーズを始めて1年、いろんな方から聴いてもらえていること、とても嬉しいです。ありがとうございます。今回の曲は私の誕生日に公開しました。テーマは『これから始まる青色の歌』です。 この曲を作り始めたのは今年の7月頃、夜の8時頃に曲の中心となるピアノフレーズを思いつきました。そこから楽器を重ねていき、約半月後に作曲が終了しました。そこからすぐに作詞に入ったのですが、ここでいくつかあった中の最初の壁にぶつかります。それはテーマです。 今までも回想録シリーズ楽曲は、自分の周りで起きた大きな出来事、その多くは決して良いものとはいえない後ろ向きな事、だけどそこから学びを得て立ち直っていくものがほとんどでした。しかし今回ラフが完成して頭の中にあったのはそのような出来事ではなく、「前向きなメッセージ」でした。 これは今まで続けてきたものから大きく外れて世界観が崩れる可能性がありました。本当にこれで良いのかと悩むこと数日、決めるきっかけとなった出来事がありました。それは私が尊敬している方のとあるインタビュー動画での一言、「何かが壊れても、簡単に諦めろとは言ってない。それならむしろ前より良くしようよ。」この一言に深く共感した私は、このシリーズでは初の「前向きな曲」を書くことを決めました。 決まったものの、最初は絶対に生半可なものは書けないなということしか分かりませんでした。具体的に何を言えば人は笑顔になれるのかが当時の私はピンとこなかったのです。ただ目標は決めてて「苦しい状況でも上を向けるような応援歌」、言葉選びはいつも以上に慎重に行いました。 一度全て書けたのですが、満足いかずボツになったこともありました。そこから再び壁にあたりどんな言葉を書くべきなのかが全く分からなくなりました。 考えても考えても上辺だけのメッセージしか出ず、この曲自体がボツになる可能性もチラつき始めた頃、ひとつの考えにようやく辿り着きます。それは「何度もあった自分がとてつもなく苦しかった時、俺はどんな言葉が欲しかったのか?」今までのシリーズ曲でテーマになった出来事に直面していた時の私が欲していた言葉を書こう、すると少しずつですが納得のいくものが思いつきました。1番、2番と進めていき、残りはラストの2番Bメロののみとなりました。ここでまた思い付かなくなった私は、気分転換に散歩に出かけることにしました。 ここまで出来た曲のデータを一旦書き出して聴きながら歩いていました。まだ暑い夏の夜、人通りが少ない薄暗い道でふと空を見上げました。そこには星の見えない薄黒い背景に雲らしきモヤがあたり一面に広がっていました。それを見た私は「なんだか悩んでる時の心情みたいだな」と思い、それを振り払うにはどうすれば良いのか考えていました。そしたらそこで「星の光に溶かして貰ったり…?」となんだかファンタジックな結論に辿りついたのですがすごくしっくりきたので、そのまま採用しました。その勢いで考えて出来た歌詞を正式に使うことにしました。 重ねた色じゃ夜明けは来ないから 星に溶かそうか 悲しみも寂しさも放ってはくれないな 今は涙流して、空を見上げていよう 今までないほどしっくりきたフレーズになって嬉しかったです。後半の「涙流して〜」の歌詞は部活をやっていた時に思っていたことを意見するような形でそのまま書きました。当時は涙を流すことは弱いことだと言う者が多くいて、私自身もそれで苦しんだことがありました。あれから成長した今、伝えたかったことは「泣くことは何も弱くはない。たとえ涙しても希望を捨てないことが大切」ということ。 そうして10月、ついに曲が完成しました。かつてないほどの達成感でした。 この曲は、今まで生きてきた過程を全て肯定し、お前ならきっと大丈夫だと言ってあげられるような、この先いつかまた私が迷った時に背中を押してあげられるような、そしてこの曲を聴いてくれた方が元気になってくれたら、そんなたくさんの願いを込めて制作しました。とても大事で大好きな曲です。 これからもきっとたくさんの悲しみや辛いことがあると思っています。生きている以上それは宿命であり、仕方のないことです。ですがそれをどうか受け入れて前に進み続けたい、私の理想が現実になるのを見てみたい、今はその気持ちでいっぱいです。それが叶うまでは笑顔で進んで行こうと思っています。 そして曲を聴いてくれた方々に感謝とこの先のたくさんの幸せが訪れることを願っています。 以上です。ありがとうございました。

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      回想録シリーズ第4弾『モーントル』の楽曲説明

      こんにちは、大地の恵みPです。回想録シリーズ第4弾『モーントル』の楽曲説明をします。最後まで読んでくれると嬉しいです。 ※この話は私個人の心情がかなり前に出ています。世の中には色々な考え方があるのは承知の上で一意見だと思って見てもらえると幸いです。 この曲の原話となるストーリーは私が中学3年生の秋頃でした。当時の私にはクラスで居場所が無く、受験勉強や身の回りのことが何もかも上手くいかず疲れて、もういっそのこと消えてしまいたい、そんなことを考えてしまうほど自分にとってかなり辛かった時期でした。 そんな当時の私は、いつも学校帰りに通学路の途中にある小さな空き地のような場所に寄っていました。そこには3人ほど座れる広さのベンチが置いてあり、そこに座って何もせず何時間かぼーっとして帰る、そんな日々を送っていました。木々に囲まれた誰もいない空間、この静けさがとても心地よかったのを覚えています。 ある日、午前授業が終わりいつものようにその場所に行くといつもとは違う光景がありました。ベンチにおそらく60〜70歳程のとても柔らかい表情をしたおじいちゃんが座っていました。先客がいたみたいだし今日は帰ろうかなと思った時、私の存在に気づいたそのおじいちゃんからこう聞かれました。 「きみ1人かい?」 「あ、はい…いつもここに来ているんですか?」 「いや、たまたま散歩しててね、少し休もうと思ってね」 話し声がとても優しく、きちんと目を見て聞いてくれるおじいちゃんに私は少し安心して、そのままベンチに座りお喋りをしました。 聞けばそのおじいちゃんは若い頃からこの近くに住んでいて、最近奥さんが亡くなって1人だった、人間と話したのは久しぶりだったなど、いろんなことを話してくれました。いくつか共通している部分を見つけて、この人になら打ち明けてもいいかもしれない、今までずっと誰にも話せずにいたこと、辛かったことをそのおじいちゃんに話しました。学校のこと、受験のこと、身の回りのこと、もう生きたくないと思ってること、気がついたらかなりアンダーグラウンドな部分も話してしまっていておじいちゃんに謝ったのですが、 「そうだったのか。辛かったね」 という一言と背中をさすってくれて、私の中で色々込み上げて堪えきれずその場で泣いてしまいました。ずっとキツかった、どうしてこんなことになったのか、もう分からずに過ごしていた、そんな日々だったのがその日はちょっと変わったような気がしました。 ティッシュをくれたおじいちゃんは私にこう教えてくれました。 「君は心がいっぱいいっぱいになってきっと周りが見えなくなっている。辛いなら辛いと今のように打ち明けても良いんだよ。きっと理解してくれる人がいる。そういう人たちを大切にしなさい。」と。 その言葉を聞いてハッとしました。私は完全に居場所がないわけではなかった、話せる人は何人かいた、同じことを受けている人は私だけではなかったことに気づいて、どうしてその人達に助けてくれと言う選択肢をとらなかったんだろうと後悔しました。しかしそれと同時にもしそこで自分が否定されたらどうしよう、そんな不安がよぎりました。私はおじいちゃんにそのことを相談しました。するとこんな返答が返ってきました。 「同じような境遇でそれが辛いものなら、きっと共感してくれると思うよ。何より話して見ないとわからないじゃないか」と。 今まではその先の反応を気にして怖くて踏み出せずにいましたが、それよりもこの状況をを打開したいと言う気持ちが勝り、明日は頑張って打ち明けてみようと決意しました。そう思ったらとても気持ちが軽くなり、私は相談に乗ってくれたおじいちゃんに感謝と突然こんなことを話してしまったことに対しての謝罪をしました。するとおじいちゃんは「いいんだ。私も最近妻を亡くしてね、こうやって人と話すのは久しぶりだったんだ。」と。 そこからおじいちゃんは自身と奥さんの過去についていろいろ話してくれました。 おじいちゃんは奥さんと出会ってから、本当にいろんなことがあったといいます。結婚する前の2人はコーヒー好きが一致してよく喫茶店に行っていたこと、その時は毎度のように雨が降っていたのだそうです。それはプロポーズの時もそうだったようでおじいちゃんはこう語ります。 「お互いに晴れは眩しいから好きじゃないとはいえ、なんでこんなに雨ばかり降るのかと思っていたよ。でも奥さんに結婚しようと言う時の雨はありがたかった。緊張で熱くなっていたのを冷ましてくれたからね。あとは雨を見るといろんな思い出が蘇ってくるんだよ。」 それから長い間で子供が生まれたり、何気ない日常や特別なことも全て幸せだった、どれも本当に素晴らしいことばかりだったと話します。すごく素敵だなと思いながら私は夢中で聞いていました。 するとおじいちゃんはこう言います。 「辛かったことや、大変だったことは今までたくさんあった。どれも1人では大きすぎるものばかりだった。でもその度に私は家族に相談してきた。とても頼りなかった僕の話を真剣に聞いてくれていつも良い方向へ一緒に行くことができた。みんなのおかげだった。」 「だから君も頼ることを恐れないでほしい」と。 突然真剣な雰囲気になって少し驚きましたが私は頷き、分かりました、としっかりと目を見てこう返答しました。 おじいちゃんは続けてこう語ります。 「葬式の時の奥さんはどこか微笑んでいるような表情でね、嫌な顔して逝ってほしくはなかったから少し安心したな。諸々終わって寝た時夢に出てきたんだ。奥さんがこっちに来てよって言い出すもんだからびっくりしたよ。」 少し涙目になったおじいちゃんは続けます。 「家は1人で過ごすにはあまりにも静かで広いからね、最近はこうして散歩に行っているんだ。外に出て上を見れば奥さんと同じところに立っている気がして嬉しいんだ。」と。 現実から離れる場所を探していたのは私だけじゃなかったんだ、おじいちゃんと奥さんは今もこうして繋がっていると思うと愛っていうのは本当にすごいな、もし仮に私に愛人がいたとしてその人が亡くなってしまったら、自分も消えたいって思ってしまうだろうに、おじいちゃんは強いなと思っていました。 すっかり話し込んでしまい、気がつけば太陽が傾き始めていたのでここで解散することになりました。最後に礼とさよならを言ってお互い帰路につきました。明日はまだ不安でしたが心なしかいつもより足が軽いような気がしました。 その後の詳細は省きますが、先生や友人に相談したところ理解、対応してくれて、全て解決したわけではありませんでしたが、以前よりとても過ごしやすく残りの学校生活を送ることができました。あれからは私も1人では大きいことはできるだけ抱え込まずに周りに相談して解決することを心がけています。その甲斐あって高校、そして今の大学生活ではたくさんん友達ができてとても楽しい日々を送ることができています。 私もあのおじいちゃんのように人に頼ることを出来る人、そして人を心から愛せる人間になりたい、自分1人だけじゃなくてもっと広い視野を持つ人間になりたいと決め、今頑張っています。このことを一生鮮明に思い出せるようにするために、うちの初音ミクと一緒にこの『モーントル』という曲を作りました。おじいちゃんから教わった大事なこととあの時の私のリアルな心情や考え方をまとめて、オリジナルストーリーの形で仕上げました。 何かに悩んでいてどうすることができない時、周りに助けを言える勇気とそれを受け入れてくれる環境がさらに充実し、優しい社会になっていくことを私は願っています。 以上です。ありがとうございました。

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        回想録シリーズ第2弾『アンダーメイル』の楽曲説明

        こんにちは。大地の恵みPです。回想録シリーズ第2弾『アンダーメイル』の楽曲説明をします。長いですが、最後まで読んでくれると嬉しいです。 この曲の原話となるストーリーはまだ私が小学生の頃でした。当時私にはよく話す男友達のAと、女友達のBがいました。彼らとは当時流行っていたゲームがきっかけで仲良くなり、休み時間はいろんな話をして笑い合ったり、放課後はよく公園に集まって遊んでいました。特に3人連携プレイで当時最強と言われてたラスボスを倒した時に、顔をくしゃくしゃにしながら喜び合った時の記憶は今でもはっきり残っています。 そんなこんなで月日は流れ、ある日私はAに呼び出されました。相談があるとのこと。内容は「Bのことが好きで、告白したいんだけどどうすればいいかな。」と。びっくりしましたが、なんとか結ばれて欲しいなと思い「何かできることがあったら言ってくれ。」俺はそう返しました。告白のセリフや、伝える場所だったりをいろいろ話し合い、「スキュー(好き言う→スキイウ→スキュー)大作戦」なんていう名前もついて盛り上がり、ある程度まとまってきた頃、私たちにとって驚きの事が起こりました。なんとある日を境にBが学校へ来なくなったのです。前から少々休みがちではありましたが、1週間、2週間、1ヶ月、いくら待ってもBは学校へ来ませんでした。こんなことは初めてでお互い不安が募る中、ある日朝の会で担任からクラス全員へこう告げられました。 「Bは体調不良で入院した」と。 すごいびっくりしましたが、それはAもそうだったようで、目を大きく見開いて固まってました。すぐにでもBに連絡したかったのですが、当時私たちは携帯電話を持っておらず、入院先も分からずの状況で、接触するための手段が何もありませんでした。私はとにかく心配でした。Bの病気はもちろん、もしAの恋がここで終わってしまったら。彼はこの時初恋でした。恋、愛というものを分からないなりに一生懸命理解して頑張っていたのをずっとそばで見ていたからです。 心配が続く中、ある日担任が「Bに向けて手紙を書こう。みんなで早く治るように応援しよう」と言いました。皆が書く中、Aの鉛筆だけずっと止まっているのが見えました。相当悩んでいたのだと思います。最終的に45分間(授業1コマ分)たっぷり時間をかけて、Aは無事に書き終わりました。なんとか伝えたいことが文字になって安心したのか、大きく息を吐いてました。 それから約半年後、ある日の帰りの会に2枚のお便りが配られました。毎週発行の学級便り、そしてもう一枚にはこう書かれてました。 「○月○日、病気療養中だったB(本名)さんが亡くなりました。」 あまりのことに私は全身からサーっと暖かさがなくなり、固まってしまいました。先生がなにか説明してましたが全く耳に入りませんでした。するとどこからか啜り泣く声が聞こえてきました。見ると泣いていたのはBの友人でした。これがクラスにあった沈黙を突き破り、クラスメートがみんな涙を流し始めました。そしてそれは俺も。寂しくて、胸にぽっかり穴が空いたような気持ちになったのを今でも覚えてます。 だいぶ泣いた後、ふと私はAのことが頭をよぎりました。気になりましたがAの姿を見ることができませんでした。いや、見たくありませんでした。初恋であんなに頑張ってたのにそれが叶わぬものになった、きっとAは想像出来ないくらいの辛い思いをしているだろう、悲しい顔をしているのだろう、そんな顔見たくない、見てしまったら俺はもうどうにかなってしまう。 今日は1人で帰ろう。そう思い足早に教室を出ようとした時、誰かにランドセルを掴まれました。振り返るとそこにはAが立っていました。 Aは今までに見たことがないような顔をしていました。目に光が無い、と言いましょうか。そんなAから「ちょっと公園に行ってから帰ろう」と誘われ、一緒に寄り道をすることになりました。 下校中私達は無言でした。見慣れた景色、いつも通りのはずなのにその日はやけに滲んでいました。そうして歩き続けて10分ほど、公園に着き、ベンチに座り少し休憩しました。そういや3人でラスボス倒したのこのベンチだったな…。そんなことを思い出していた時、Aが話しました。その言葉を私は今でも覚えています。 「〇〇(私の本名)、スキュー大作戦失敗だな。終わっちったよちくしょう。」 その言葉の後、Aはクラスメイトの前では見せなかった涙を流しました。声をあげて、空を見上げて、地面を見て。こんな姿今まで見たことがなかった。それを見て私もまた泣いてしまいました。 どれくらい経ったのか、気づけば太陽は沈んで街灯がついていました。少し落ち着いてAと色々話をしました。3人で遊んだこと、Bのゲーム機壊しちゃった時のこと、Bが復活したら教えてあげようと思ってたゲームの攻略法のこと、そしてBへ伝えたかったこと。Aは話の中で「お母さんにも相談したんだけど、長々言わないほうがいいって言われた。」私は「なんて言おうと思ってたの?」と尋ねると、Aはこう返しました。 「愛してる。これをメインにして、あとは前置きで少し喋ってから伝えようと思った」と。 生きているBに伝えるつもりだった告白、俺はそれを聞いて「もうさ、今伝えちゃおうよ。」とAに提案。するとAの顔がみるみる赤くなります。 「恥ずかしいって…🫣」 「こんなにかっこいい告白のセリフ考えてたんだから、伝えなきゃ損だよ!Bもきっと喜ぶよ!」 Aは少しの間ウンウンしていましたが、ようやく決心がついたようで、空を見上げBに向けて話し始めました。亡くなったBに向けての告白、俺も空を見て、届いてくれ!と祈りながらAの言葉を聞いていました。前置きを語り、いよいよメイン。Aが放ったその言葉を書いてこの楽曲説明を終了します。長く拙い文ですみません。伝えたいことは早いうちに、失ってしまう前に。あなたが今もし抱えていることがあるのなら、それが望む元に届き、良い方向へ向かうことを祈ってます。それでは失礼します。 「愛していた。本当にありがとう。」 綺麗な夜空でした。

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          回想録シリーズ第3弾『Farewell』の楽曲説明

          こんにちは。大地の恵みPです。回想録シリーズ第3弾『Farewell』を投稿しましたので、この曲の原話を元にストーリーを説明します。 その前に、回想録シリーズとはなんぞやというところから説明します。 これは私が実際に経験した事をもとに構築したオリジナルストーリーとなっております。 それでは本題に移ります。 『Farewell』を投稿したちょうど3年前の同じ日、当時中学3年生これから楽しい人生が待っていたはずなのに、病が大切な友人の命をもぎ取ってしまいました。亡くなる前日はあんなに笑顔だったのに、次の日に連絡を受けて駆けつけた時にはもう目を開くことなく眠っていました。それを見て俺はあまりにも急なことで心の整理がつかず、泣くこともできなくてただずっとベンチに座り込んでいました。気分とは裏腹にすごくいい天気だったのを覚えています。 亡くなった彼女は、常に笑顔を絶やさないとても優しい人でした。そして俺と何かと境遇や考えが似ていて一致する部分も多く、とても仲良くさせてもらっていました。一緒に話したり、ご飯を食べたり、ゲームセンターで遊んだりしました。本当に楽しかった。 話を戻します。彼女が死んでしばらく経ったある日、もう雪も溶けて川沿いを散歩をしていた時のこと。突然雨が降ってきました。そんな中なんと俺は傘を家に忘れてしまい、ずぶ濡れになりながら河川敷の橋の下まで走りました。雨が上がるまで何をしようかとぼんやり考えてたら、不意に俺は彼女の言葉が欲しくなって、スマホを取り出しLINEのやり取りを振り返ってました。並べられたたくさんの文字をスライドしつつ時々止めたりしてじっくり読んで少し経った頃、なぜか急に悲しくなって驚きました。これまで全くそんな感情はなかったのに。俺は泣きたくなくて涙を引っ込ませるためにまだ雨が降る中、橋の下から出ました。別れの挨拶を改めてしようと思って誰もいない広い河川敷で手を合わせたその時、今まで堪えていましたがついに涙が溢れてしまいました。思い出もそうですが、もう二度と彼女に会うことはできないと改めて実感した時、もう抑えられなくてとにかくたくさん泣きました。彼女の声、仕草、触れた時のあの感触、そして笑顔、全てがもうこの世から無くなってしまった。あの日から何ヶ月も経って今更ながらとてつもない喪失感に襲われてどうしようもなくなったまま帰路につきました。そしてその夜、布団の中でまた泣きました。 しばらく不安定になっていましたが、1週間とちょっと経った頃ようやく少し落ち着き、改めてもう1回彼女とのLINEのやりとりを振り返りました。文面を見ながら「きっとこんな顔して送信したんだろうなぁ」とかおかしな想像をしながらスライドしていって1番最初のやりとりまで来ました。そこには「よろしくね」のご挨拶からしょうもない話、そして最後に「OKAY!(ウサギのLINEスタンプ)」が送られていました。なんの変哲もないよくある会話ですが、俺はなんとな〜くスタンプのウサギの顔が彼女の笑顔にそっくりだなって思って久々に少し笑ってしまいました。死んでもなお笑顔にしてくれるなんてあなたは本当にすごい。ならば生きている俺はせめてもっと笑顔でいよう、彼女を心配させないように。あの日そう心に決めてから今日まで生きています。 とまあこんな感じです。拙い文章ですみません。作った曲天国まで届いてたらいいなぁ。ちなみに曲中では創作した部分として登場人物を「恋人」の設定にしています。実際は付き合っていませんでしたが、その方が何かとストーリー展開がしやすかったからです。 あなたの近くにもきっといるであろう大切な人との幸せな日々が続く事を祈ってます。 以上です。ありがとうございました。

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          初めまして。

          なるっち-大地の恵みPと申します。初音ミクと一緒に曲を作っている者です。 ここでは新曲の告知と、私は楽曲制作の1つで「回想録シリーズ」という私が考えた物語に沿って曲を作ることをやっており、その曲の解説を書くためにnoteを始めました。不定期ですが是非見ていただけたら嬉しいです。よろしくお願いします。