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#75 テレどま回想録 ファイナル編

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忘れることと、慣れること

明日を生きる為に

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審査回想note第21回。ファイナル編です。
やはり師走はあれですね。もう色々とあれでしたよ。
結局年末までもつれこんでしまいました( ̄▽ ̄;)
前置きはこのくらいにして、それではやっていきます。

まずは当日8/29 21:00時点
(ファイナル映像終了後、審査発表前)でのNの最終予想を振り返ります。
詳細は以前noteにしてますので興味ある方はこちらもご覧下さい。

<Nファイナル予想順位>
1位(大賞):緣志 愛知県 蒲郡市
2位(準大賞):嘉們-KAMON- 大阪府 大阪市北区
       :夜宵 愛知県 名古屋市中区
4位:GARAN43/35° 東京都 豊島区
5位:どっと 愛知県 名古屋市
6位:kagura 愛知県 名古屋市
7位:大阪教育大学YOSAKOIソーランサークル凜憧 大阪府 柏原市
8位:會舞道 郷人 福島県 下郷町
9位:心纏い 愛知県 名古屋市中区
10位:笑゛ 愛知県 犬山市
<ファイナル公式結果>
1位(大賞):夜宵 愛知県 名古屋市中区
2位(準大賞):kagura 愛知県 名古屋市
       :嘉們-KAMON- 大阪府 大阪市北区
4位:百華夢想 愛知県 一宮市
5位:笑゛ 愛知県 犬山市
6位:會舞道 郷人 福島県 下郷町
7位:天嵩~Amata~ 北海道 千歳市
8位:GARAN43/35° 東京都 豊島区
9位:緣志 愛知県 蒲郡市
10位:神戸学生よさこいチーム湊 兵庫県 神戸市

優秀賞(順不同、配信順に表記)
天狗ぅ 三重県 津市
愛知学院大学常笑 愛知県 日進市
京炎そでふれ!輪舞曲 京都府
どっと 愛知県 名古屋市
さぬき舞人 香川県 さぬき市
大阪教育大学YOSAKOIソーランサークル凜憧 大阪府 柏原市
Akwaaba Nippon ガーナ
愛知淑徳大学「鳴踊」 愛知県 名古屋市千種区
富有樂猩 岐阜県 瑞穂市
常磐 愛知県 一宮市
心纏い 愛知県 名古屋市中区
関学よさこい連 炎流 兵庫県 三田市
破天荒 supported by 安全輸送 神奈川県 横浜市

予選審査の時と同じルールで考えるなら
ビンゴ×1、ニアピン×6 といったところでしょうか?
当たりそうで結構当たらないもんですねw

もう少しガチガチの予想する事出来たんですが、まぁそんなのやる方も見る方もつまんないですよね…ってな感じで、客観的な判断よりはロマンに偏った予想をしてみましたが、皆様はいかがだったでしょうか?

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【ファイナル順位考察】

各作品がどんな内容だったのかという事は既に予選回想録で語っているので、ここではあくまで「ファイナルコンテスト」という枠組みの中で、各チームの作品がどのような評価をされたのか?という事に関して、順位という視点から個人的な考察・見解を語っていきたい思います。

ここまでの予選グループで他のチームを想いを踏み越えて上がってきたチームなので、多少の言葉が強めになるかもですがご容赦くださいm(_ _)m

審査員が一般→VIP審査員へ
当初、一般審査員は全体的なバランスよくクオリティが高い作品が通る傾向かな?と推測していましたが、GARANガーナの様な一点インパクトにステ振りしてるチームも抜けてきました。それとは逆に、ファイナルは一定のクオリティラインを越えてきた作品群の中で、更に作品のインパクトと、テーマの一貫性が重視された様な気がします。

・トップテンに入ったのは全体的にカッコいい系の作品
コミカルやエンタメに振っているチームの評価は余り高くなかったのかな?という印象です。リアル演舞でもこの方向性の違いを同じ土俵で審査するのは難しいですが、映像作品となると更に難しかったのかなー?と。
単にVIP審査員の好みがエンタメ系ではなかったんだろうな、という見方もありますが。
恐らくベスト3、4〜6位、7〜10位くらいは点数的にはほぼ同率で、協議でもって上下が決まったのではないだろうかと予想してます。もちろん真相が解る事はありませんが・・・

・トップテンチームの考察
夜宵の大賞というのは、今年のラインナップで言えば妥当な結果だったのかな?と思います。改めてベスト3を見ると、kaguraが作り出したどまつりで最も流行りの構成となったワントップ武将モノと、嘉們が作り出したライブパフォーマンスモノの新旧ムーブ対決という構図の中で、より地域性があって新鮮さがあった夜宵が相対的に一番良かった、印象が残ったのでは?という印象を受けました。もちろん色んな基本要素が高いレベルであった事は言うまでもなく。

嘉們のあの作品は、もう数年先のムーブを持って来ちゃったというか、後年更に評価が高まる作品になると思います。メッセージ性こそ今に響きますが、あれを大賞とする土壌が審査側にもまだ出来ていない、という気がして。

その上で4位の百華夢想、映像美という点では申し分ないハイクオリティ。もし常盤と配信順が逆だったら、そしてあの配信ミスがなかったら、という未来をどうしても想像してしまいますが。
プロデューサー(もしくは編集者)を同じくするチームが同じファイナリストとして並ぶ事で、独自性(オリジナリティ)という点ではマイナス要素になってしまったのではないかと思っています。食い合った、とも言えるのかなと。

逆に笑"の5位というのは、大健闘だと思います(チームの方は納得していないかもですが)運良く市街地プログラムを見れたので言える事ですが、やはり生演舞でこそ輝くチーム。その鮮烈さが周知されてるからこそ、映像作品との比較による物足りなさを感じられてしまった部分があったのでは?と推測します。

6位7位の郷人天嵩ですが、それぞれ北海道の雄大な大地、福島の峻厳な山間を舞台に、まるで大河ドラマの様な作り込みで映像そのものの完成度が高かった事がそのまま評価につながったのではないかと。
今回のテレどまつりで最もスタンダードな地域&演舞の構成の中で、トップクラスの2作品だと思います。

そして8位のGARAN43/35°。予選でも評価されたと思われる圧倒的独創性がここでも同様の結果を得たのではと。ファイナルでもここと同じような作風のチームはありませんでした。同じような踊りを見続けていた審査員にはかなり鮮烈に印象に残ったのでは?こってりステーキも食べ続ければ胃もたれがしますよね。

9位の緣志。個人的には一推ししていましたがそこまで評価されませんでしたね。いや評価されたこその9位なのかもしれませんが、地域と人に新しいアプローチをしてるチームを上位に据えることで、どまつり全体の目指す方向性の良い指針になると思いましたが・・・あくまで点数で評価してる故、という事の証左なのでしょうか。

10位の神戸学生よさこいチーム湊は、このファイナルチームの中で比較的一番多く大人数の群舞シーンが見れた、いわゆるリアル演舞時代の審査に近い評価を得た結果かと推測します。この中である意味、基準的なポジションを得たチームだったかと思います。

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【システムについて思うこと】

さて10位以下のチームに関しては等しく「優秀賞」というくくりなので、評価的優劣はない、というのが公式の結果です。つまりどっとAkwaaba Nippon常盤心纏いも同じ点数という事になっちゃう訳ですが「そんな訳ないでしょ?」というのは、誰しもが思う所です。

冒頭でも言及しましたが、予選で多くのチームの想いを踏み越えてファイナルに上がってきてるチームなので、きっちり明確に最下位の23位まで発表すればいいと思うのですが・・・

「ファイナル行きました!でもファイナルではビリでした!」

筆者がその立場だったらめちゃくちゃオイシイと思うのですが(笑)
それでも全然名誉なことだと思いますし、ね。
以前記事にもしましたが、例えば、みちYOSAは審査基準や方向性が全く見えませんが、審査結果だけはブロック予選も全てのチームの点数を公表しています。ここはすごく評価できる箇所です。

ここをぼやかすのって何の意味があるんでしょうね?ホントに公表しない理由が思い付かないので、どうしても「何か公表できない理由があるのか?」という方向に思いが行ってしまいがちなんですよね・・・。審査の闇だなんだという疑念をわざわざ抱かせる様なシステムは撤廃したらいいと思うのですが。※ちなみに筆者が知らないだけで、公表されない理由をご存じの方いましたらぜひ教えてくださいな~

もう一つ、これも昔から言われている事ですが、審査概要にしつこく書かれている「どまつり性」なる基準が、これがまたファイナルになると一層ぼやける気がしてならないのですが、これも点数を公表する事である程度クリアになってくると思うんですけどね。

評価されるための作品作りというのは個人的には否定的ですが、少なくとも公式側が求める作品像があるならば(あるならば、ですが・・・)それを目指しているチームの為には、公式が評価する作品モデルを示してあげる義務はあると思うのですが。
もちろんトレンドがあるので常にこう!というモノはないですが、少なくとも「今年はこれが良かった」という理由を明確に示すべきかと思います。

それがないから毎年「何が評価されて何が評価されない」のか、その意図が全く解らない結果になってしまう。どまつりが何を目指しているのか解らないという疑念が都度、生まれてしまう結果になるのでは、と。
全ての人に納得してもらう結果なんてもちろん不可能ですが、それでも「こういう部分を評価しました」という考え方を示すことは大事だと思います。それができない事情があるなら(そんな事情ある??)予選同様、一般審査員の覆面評価で構わないと思います。評価に責任を伴わないVIP審査員なんて要ります?

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【来年以降へ向けて】

今回のテレどまで最も得たものの一つが「小規模チームの注目度がめちゃくちゃ上がった」ということ。先日の犬山でも改めて実感したことですが、リアル演舞には「見たいチームを見る」という選択行動が必ず存在します。その上会場移動というタイムラグも存在する為、多くのチームが「そもそも見て貰えない」という最初のフィルターにかけられてしまいます。

それが比較的解消されたのが今回のテレどまでした。何せ1会場しかないし、どこにも移動せずに快適な場所で見られるのだから。しかも日本全国・果ては海外まで、地球上に存在する全よさこい好きの人達に今まで見向きもされなかったチームが見て貰える最初のきっかけを担ったのはものすごい成果だと思います。それに全国で最大規模のよさこい系オンラインイベントというポジションを確立したことも非常に大きい一歩です。

ただチーム人数差は関係なくなりましたが、編集力(資金力?)の差が露骨に出てきた感あり。手作り感のあるチームより、編集に凝ったチームの方がやはり評価は高かった傾向はあります。
当然ですが動画編集というのは資金を投入した分だけ、相応にクオリティも高まるので(業者にもよりますが)映像クオリティの平均レベルが上がることで「資金の無い手作り勢力は予選突破出来ない」が定着する可能性はあります。ここも何かしらのアイデアが必要になってくるでしょうね。

今までのリアル演舞が「現地にある美味しい名店」ならば、映像作品は「めっちゃ美味いお取り寄せ冷凍食品」といったところでしょうか?(笑)
映像配信だからこそできる演出やその役割を見出せたのは、このご時世で得られた貴重な経験値だと思います。その上で映像では中々伝えることのできない「祭りの熱」を伝えるリアル演舞とどうやって両立させていくのか、それともリアルの復興と共に映像文化は廃れていくのか、お祭りの多様化と可能性という観点から、どちらにも発展の芽があることを期待したいところです。もちろん運営する側としてはその負担が一番大きな課題とも言えるのでしょうけど。

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【最後に】

最終順位について色々言及しましたが、これはあくまで公式が定めた結果の一つであって、自分なりの一番、自分なりの大賞というがあっていいんじゃないでしょうかね?

昨今のトレンド、評価されそうな作風を突き詰めるのも結構ですが、観客目線として期待する作品像としては「いかに他と違うか」という演舞を見る方が個人的には楽しいと思っています。
とは言え、今まで他の有名チームの演舞を見てきた人が「ああいう作品を演りたい!」と思って今のチームに所属しているのであれば、もちろんそれを否定する気もありません。

作りたい作品」と「見たい作品」の一致は、奇跡の様な偶然かもしれませんね。
てなわけで今年のテレどまつり2021の個人的なベスト3は・・・

テレどまつり大賞としてはやはり「縁志
踊ってみたくなる作品としては「GARAN43/35°
細かい事は抜きにして面白かった作品「Akwaaba Nippon

上記3チームをファイナルマイベストとして挙げさせて頂き、この記事を締めたいと思います。

約4か月に渡り続けてきた回想録もここで一区切り。かなりの長期間に渡ってしまいましたが、この拙い記事を楽しみに目を通して頂いた皆様、本当にありがとうございましたm(_ _)m
当note、並びにSNSを通じて新しくできたつながり、復活したご縁などに感謝しつつ、2022年も細々とマイペースに続けていけたら良いかなと思っています。どこかのお祭りでお会いする機会がありましたら、ぜひともよろしくお願いします。

年内に締め括れて本当に良かった(笑)
したっけ!!

まだまだ何かをサポートして頂ける様な大層な書き手じゃないのでサポートなんて恐れ多くてとてもとても…>゜))))彡