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紅葉の公園エトランゼの笑み

もみじのこうえんエトランゼのえみ

一昨日の朝雷が轟き激しい雨が降りました。
午前中に雨がやんでカラっと晴れ上がったので、散歩を兼ねて買い物に行きました。
歩き疲れたので公園のベンチで一休み。ベンチは乾きかけてまだ水滴がありました。
乾いたベンチを探して腰かけていると二人の外国人女性が来てすぐそばの濡れたベンチに腰を下ろそうとします。
私が「濡れているよ」と声をかけてもこっちを見て立ち止まっているので、手のひらで水滴を払い落としてやりました。
一休みできたので立って歩き始めると後を追って4・5歩、私が振り向くとアルミ箔の袋に入った菓子を差し出しました。
「ありがとう」、私がよっぽど驚いた顔だったのか笑いながら二人で「どうぞ」と言ってくれました。
「どこの国からいらっしゃったの」と訊きますとベトナムだと言います。
「ベトナムは戦争が終わって良かったね。日本も戦争して負けたのですよ。私が10歳の時に戦争に負けて、今88歳だから78年前の事でした。日本中の大きな町は爆弾を落とされて家は焼け、人もたくさん死んだのですよ」と話すと、彼女たちは私の齢に驚いたようでした。
「私たちは18歳です。勉強が済んだので明日、秋田か青森へ行きます」といいましたので、
「秋田も青森もここよりはずっと寒いから風邪をひかないようにね」と言ってから励ましたいと思って、
「私の齢までには70年もあるのですから、いっぱい出来ることがありますね。病気をしないように注意して、頑張ってください」
別れて公園を出て50メートルも離れてから振り向いて見るとまだ見送っていて手を振ってくれました。

主、神様。どうぞあの穢れ無き乙女たちに限りなき祝福をお与えください。
アーメン

2023年10月31日

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