顧客インサイトを考える。
鳴坂です。
最近は文章が冗長になりすぎるので、こちらを活用して自分の考えを整理、言語化していきます。少しでも外食の皆様のお力になれれば幸いです。
テーマは
「KINTANの弁当事業を整理し、言語化する」
ビジネスモデルを考えるときに一番大切にしたのは、「KINTANのお店に来て、ランチを食べると同じ体験価値を顧客に提供すること」です。
今、私たちが店舗で提供している価値は3つです。
⑴満腹感;ごはん、スープ、サラダがお替り自由
⑵特別感;毎日スープとデザートが変わる、会員専用アプリでポイント付与
⑶ぜいたく;KINTANの空間でゆっくりと
この結果、”KINTANのランチはコスパが良くて、特別な時間を過ごせる”という評価を多くの顧客からいただいています。だから、デリバリーをやる時にこの価値をどうやって提供するかを最初に考えました。
では、実際にデリバリーでどの様に価値を設計したかというと
⑴満腹感;肉を増量、ごはん大盛り無料
⑵特別感;韓国海苔サービス、作り置き禁止
⑶ぜいたく;ブランドを感じさせるパッケージや商品の盛り付け
⑴ですが、単純に肉の量を増やしました。ランチ時の平均が85グラム、今は最低100グラム、部位によっては120グラムに増量しました。
何故か?
デリバリーと店内飲食の決定的な違い、それは「サービスによるリカバリーが不可能」という事です。スタッフがお客様の顔を見て、満足や不満を感じ取れない。私はデリバリー事業は難しいと常々感じました。コロナが無ければ絶対にやっていないでしょう。
顧客に不満を抱かせたら即ゲームオーバー
これがデリバリー事業の怖さ。
そうならないための方法は1つしかありません。
「店舗で食べるときとほぼ値段は同じなのに、ボリュームがすごい!」
そう思わせることに尽きます。
私の商売の原則は「損して徳とれ」。最初から原価を考えてビジネスを設計したら多分できないでしょう。(お弁当の平均原価は60%超…です)
⑵は差別化の話です。
私が弁当事業始める前に、他社の焼肉弁当を全部注文して、肉とごはんの量と計測しました。そこから浮かび上がったことは…
・焼肉弁当は高い、2500円が単価の中央値
・弁当の中身は、肉・ごはん・キムチのみ
・お肉は80~90グラム、ごはん250グラム
要するに
「コスパが悪く、差別化の要素がほとんどない」
家で食べれない焼肉を食べたいのだから、お弁当の中身は王道にならざるを得ません。私は、小手先の捻りはあんまり好きじゃないので…
だったら肉の量を思いっきり増やして、値段はギリギリまで下げよう。原価ではなく、顧客のニーズと競合の価格から決めたプライシングで勝負!
という事です。
韓国海苔は私のジャストアイデアです。
テイクアウトやデリバリーには驚きが、楽しさがないのが嫌で。
買って帰って食べるだけ…
配達員にただ渡されても味気ない…
お弁当を広げたときに、「わっ!」って驚きを感じて欲しくて。私が大好きでよく食べる韓国海苔をサービスで付けてみました。
⑶はパッケージとイメージです。
この事業をやる時に絶対にやらないと決めたことがひとつあります。それは「おうちで〇〇」っていうコミュニケーション笑
顧客は、「外食したい!」「外に出たい!」うずうずしてます。
自粛して、色々と我慢しているのに、何で「おうち」を訴求するかが私にはまったく理解できない。家から出たいに決まてるでしょ!笑
この表現、一見良さそうに見えるんだけど…顧客インサイトを何も考えず、何とな~く周りがやっていることにタダ乗りしてるだけ。
これでは永遠に競合他社と差別化できないと思ってしまいます。
だから、パッケージとメッセージには相当こだわりました。
何かないか…と頭をひねって思い浮かんだ言葉が…
”IN DA HOUSE”というフレーズ。
音もカッコいい、HIPな感じでテンション上がる!すごくいい!
じゃあ、これを使おう!という事で”KINTAN IN THE HOUSE”のロゴを作りました。社内では頭文字を取って「KITH事業」と呼んでいます笑
パッケージ、ラベル、弁当箱で185円のコストがかかっています。本来はコストを削減したい部分です。でも、今は顧客が外部とのつながりをかんじる唯一のツールがこの部分です。だから、最後までこだわりました。
最後に…
今日のタイトルの写真は”王様のブランチ”限定のお弁当パッケージです。
企画が通るか分かりませんが…提案しました!
どんな時も
遊び心を大切に、楽しく仕事をする。
自分らしく、真っ直ぐに突き進みます。
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