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生きづらさを解消する「スキーマ療法」をセルフでやってみた。②まずは認知行動療法から

心理療法の「スキーマ療法」に
セルフで取り組んでみた
連載の第2回目です。

1回目では、
スキーマ療法との出会いをお話しました。


今回は、スキーマ療法…の前に
認知行動療法をやってみた体験を
お話していきます。

というのも、スキーマ療法は
認知行動療法から発展したものなので、
まずは、認知行動療法の基本を知ることが
スキーマ療法を進める上でも役立ちます。

また、スキーマ療法は
過去の嫌な出来事を思い出して
感情が刺激されるので、つらい思いもします
(やってみて、実際につらいときもありました)

その前に、
ストレスから自分を助ける手段として
認知行動療法を身につけておくことも
大事とされています。


前回も紹介したワークブックに沿って
実践を進めました。


認知行動療法というと、一般に
認知を変えるためのさまざまな技法
(なんか名前が難しい)が登場しますが

この本では、そこまでは登場しません。

それらの技法を行う前に、
まずやるべきことがあり、

実は、それをやるだけでも
解決したり、心がスッキリしたりします


その「まずやるべきこと」とは、
ストレス体験を自分で観察すること
=「セルフモニタリング」と言われる方法です。


ストレスは、
原因となる出来事である「ストレッサー」と
それによる心身の「ストレス反応」に
分けられます。

そして、認知行動療法では、
ストレス反応をさらに4つに分けて考えます。

認知:頭に浮かぶ考えやイメージ
気分・感情:こころに浮かぶ様々な気持ち
身体反応:体にあらわれる様々な生理的現象
行動:外から見てわかるその人の動作、振る舞い

「セルフモニタリング」では、
ストレッサーと4つのストレス反応に分けて
ストレス体験を紙に書き出して理解します。

まず、何がストレッサーか、
主観を含まず、事実だけを書きます。

そして、それによって生じた
認知、気分・感情、身体反応、行動を
それぞれ書いていきます。


私の例で言うと…
ライターの仕事をしていて、
文章を直されるのがすごく嫌だ!
と思っていました。

でも、多くの場合は
納品した後の文章はクライアント様のもの。
勝手に直されても文句は言えません。

サイトにアップされたのを見て
書き換えられたのに気づいたとき
すごくストレスを感じました。


この場合は、

ストレッサー
私が入稿した文章が書き換えられていた。

認知
「私はこれがいいと思って書いたのに!」
「これじゃ文章の意図が変わってしまう。
 根拠資料から、意味がずれないように
 かなり気を遣って書いたのに、
 それを知らない人が気軽に直して
 意味が変わるなんて許せない」
「どうせライターは下に見られているんだ」

感情:イライラ、怒り、悲しみ

身体反応:心拍数上昇、頭に血が昇る感覚

行動:仕事が手につかない。ふて寝する。夫に愚痴る


…心の中が、けっこう激しかったのが
お分かりいただけたかもしれません。。。
(今はそこまで思わなくなりました)


この中で、私にとって意外だったのは
「身体反応」に注目することでした。

今までは、ストレスを感じても
体の変化まで意識していませんでした。

でも、これをやるようになってからは
案外、心臓がドキドキしたりだとか、
息がしにくくなる感覚があることが
分かり始めました。

これで倒れるとか、
重大なことが起こるわけではないので
おそらく、前からあったのですが
気づいていなかったのだと思います。


感情は、目に見えないので
「本当にそう感じているのかな?」
って疑いたくなることもあるけれど

身体感覚は、確かにあるのがわかるので
自分がどう感じているか知るための
良い指標になる
と思いました。


ここまで書いていくと、
何となくイライラ、モヤモヤしていたことの
構造がはっきりわかり、
それだけでもちょっと安心します。

ただ、そのストレス反応を
できるだけ和らげるには、それだけではなく

ストレスに意図的に対処する
コーピング」が必要なので

ストレス反応の4つの中でも
認知」か「行動」を
変えるためにできることを考えます。


ここでは、
具体的な方法を説明するというより
私の気づきをご紹介していきたいので、
詳しい方法については
書籍をお読みいただきたいのですが


私が知って良かったと思うのは

「認知」と「行動」はコントロールできても
「感情」「身体反応」はコントロールできない

ということです。


今までは、感情をコントロールしようと
頑張ってきたことに気づきました。

こんな気持ち、感じてはいけない!
ネガティブになってしまう私はダメだ、
忙しいのに不安に思っている暇はない!

と、感情を抑えつけるべく
頑張っていたのですが、

そう思う必要がなかったんだ。
そもそも無理なことをしようとしていたんだ

とわかり、心が楽になりました。


自分でコントロールできる
認知と行動にフォーカスし、

そのための方法をリストアップして、
ストレスを感じたらすぐに実践する。
そして、その効果を検証する。
(これもまたセルフモニタリングです)

これが楽しかった!
この作業そのものもコーピングになりました。




また、ワークブックで合わせて紹介されていた
マインドフルネス」も
私にはとても役立つものでした。

マインドフルネスとは
自分の体験をありのままに気づき、受け止める
心のトレーニングで、
「今・ここ」の意識を練習するものです。


私の生きづらさの一つに、
特に仕事の面で
タスクで頭がいっぱいになってしまったり

未来のことを心配して、
準備やシミュレーションを過剰にしてしまう
(それでも、想定外は避けられず
 混乱してしまう)

また、過ぎた出来事も
これでよかったかな、
もっとこうした方がよかったかな…
など、不安でぐるぐる考えてしまう、

といったことが起こりがちでした。


でも、マインドフルネスの実践で
人生は「今・ここ」の連続だと分かり、

自分ではどうにもできない
過去や未来のことを心配して
不安を頭の中で増幅させるのではなく

今を生きる意識に変わり、
心が落ち着いたように感じます。


また、今までなら
時間がもったいないと思っていた
徒歩での移動や、待ち時間も

「マインドフルネス」を実践して
今に集中するトレーニングの
チャンスにしています。

イライラしたところで
歩いて行くしかない場所はあるし
待ち時間も早くならないので、

その時間を有効活用できるという意味でも
ゆとりが持ててよかった、と思いました。




こうして、
認知行動療法のセルフモニタリングと
マインドフルネスの要素を取り入れたことで
すでに少しラクになりましたが、

認知の根底には
過去の自分が身につけてしまった
間違った信念である「スキーマ」が
存在することを日々感じていました。


いよいよ、本丸へ…!

というわけで、2冊目のワークブックで
スキーマ療法に取り組みますが

これは一筋縄ではいきませんでした。


まずは、最初に取り組んだときのことを
次の記事で書いていきます。
楽しみにお待ちいただけると嬉しいです。

本日も最後までお読みいただき
ありがとうございました。

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