ビジョン型リーダー不足
最近お客様先で話に出ることを今回書こうと思います。先日ある大手印刷機メーカーお客様先に伺った際に、管理職にリーダーシップ教育をしてほしいとの依頼を頂きました。
もうすでにそのような教育されているんじゃないですか?と単純に疑問に思い質問したのですが、「実は昔から何度かしているんだけど、うちの管理職は部下の顔色をみながら、部下の仕事のサポートはするんだけど、それだけで終わってしまうケースが多いんです」。。。。。
とお話されていました。それのどこが悪いのか?と思っていたのですが、問題は根深く「支えるマネジメントはできているんだけど、このままじゃ将来の幹部候補が生まれないように思えて心配なんです。」というものでした。いわゆるサーバント型のリーダーが多い様子でした。
サーバントリーダーとは:サーバント=「使用人」「召使い」という意味で使われるリーダーシップ理論の1つ。部下・メンバーの特性を見極め、ゴールに向かって支援し、支えるリーダーシップのことを指します。
NPO日本サーバントリーダーシップ協会が作成している図がわかりやすいと思います。
【出典】NPO日本サーバントリーダーシップ協会
いわゆる縁の下の力もちスタイルです。
ビジョン型が「理念重視」「行動重視」だとすると、サーバントは「分析重視」「人間関係重視」というスタイルです。
サーバント型ももちろん理念を尊重し、行動します。ただ縁の下の力持ちである以上部下を支えることに注力します。
それはダメなのでしょうか?
決してダメではないです。むしろそのスタイルのマネジメントができないとチームが崩壊することがあります。ただ問題は部下を支えるあまり、ビジョンがなくなっていく可能性があることです。ビジョンとしては「個人のビジョン」と「組織のビジョン」の2つに分けて考えることが多いのですが、両方失われる可能性があります。目の前の業務に集中するあまり、未来志向でなくなる可能性があることです。
社長や役員の方はサーバントよりも将来の3年、5年後を見据えて事業を運営すると思います。そのため組織の幹部はビジョン型です。サーバントに染まりきるとビジョン型になれなくなる可能性があるため、将来の幹部として登用しにくくなります。
そのような理由から冒頭のような依頼がありました。このような場合どのようにすればいいのでしょうか。
まずは管理職の自身が「個人のWILL」「組織のWILL」を持つことが重要です。ビジョン型リーダーの定義は以下になります。
ビジョン型リーダーとは:メンバーを目標に向かわせるために、組織に共感させ、人を動かすことで達成へと導くスタイルが特徴のリーダーシップといわれています。リーダー自らがビジョンを謳い続け、到達までの方法を押し付けることはありません。道を示し、選択肢も与えますが、メンバーの主体性を育て発揮させることを中心にするリーダーシップです。
大切なのは、目標に向かって引っ張っていく上で「組織のビジョンを理解し、今後どのように動いていくべきかを組織のビジョンを照らし合わせながら自分の言葉で伝えられるようになること」です。また組織としてだけでなく個人としても組織と共感した部分を踏まえ、どのようにして事業を大きくさせていきたいか語れるようになっておくことが重要です。
図で言うと真ん中の色が付いている部分です。それができていると急速に変化する(経営)環境に対し、迅速かつ大胆に対応する必要がある際に考えの軸がチームにできる状態になります。いざという時の判断の拠り所です。意思決定の際に、「考え方の軸」としての役割を果たすのが、“組織の理念”であり“ビジョン”です。
その考え方を形成する時に行うトレーニングとしてストーリーテリングがあります。もちろんビジョン型リーダーの重要性を絡めた内容で実施します。
ビジョンを語るだけでなく、他者と共感できるようになることがビジョン型リーダーに必要な能力です。共感を築くために必要なものはストーリーです。それができる管理職の育成方法が上記になります。
実際にこれまで冒頭の相談を受けたお客様は総じてストーリーテリングの教育研修を行なっています。
同様の悩みがある方はぜひ挑戦してみてください。
以上ビジョン型リーダー不足でした。
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