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フランチャイズビジネス未来予想図

今日はフランチャイズビジネスの未来予想図について書いてみようと思います。私のこれまで担当してきたFC加盟店の経験からこれからの時代生き残り続けるにはどうしたらいのか?を考察します。

10年後も生き残るフランチャイズビジネスと加盟店

早速、10年後も生き残っているフランチャイズビジネスと加盟店についてお話をします。これからフランチャイズビジネスに加盟しようとする自営業の方と、FC本部を経営する方の参考になれば嬉しいです。

いつもの投稿は、フランチャイズビジネスを始めたら読むがコンセプトなのですが、今日だけは生き残るフランチャイズビジネスについてお話をします。

どの業種を選べば良い?生き残るフランチャイズビジネスの特徴

まずはじめに私が思う今後10年も生き残れるフランチャイズビジネスについてお話しします。(ちなみに店舗コンサルタント要素がふんだんに盛り込まれているのでご容赦ください)

①オンラインで代用できるサービスではない
②高付加価値サービス
③高単価サービス
④仕組み:サービス=5:5
⑤競合優位性は利益率
⑥店舗側の自由度が高いオペレーション
⑦同ブランド50店舗以下
⑧本社側のプロダクトと販促カレンダー更新が月1〜2回
⑨口コミ収集をKPIにする
⑩質の高い経営者が集まる

では順に説明していきましょう。

①オンラインで代用できるサービスではない

オンラインサービスで代用ができるFCは正直厳しくなると予想しています。
飲食やマッサージ、整体などオンラインサービスでは代用できないサービスはこれからも生き残ると思います。
しかし、訪問型サービスもマッサージ系は増えてきているので今後のことを考えると飲食業は相変わらずFCのテッパンなのかなとは思っています。
店舗コンサルタントであり元トップ販売員の私的には悲しい話ですが、物販型のフランチャイズは正直難易度高いと思っています。
(FCモデルだけではなく、販売代行も含みます。)
もちろん物販型のFCも残るとは思いますが、同じ労力をかけるとなると他業種の方が伸びるんじゃないかなと考えています。

②高付加価値サービス

続いて高付加価値サービスについてです。これはどういう意味かというと同じ業種の中でも質の高いサービスを提供することを指します。
クイックに低価格なサービスではなく、顧客感動レベルが高い、顧客満足度が高いサービスが今後生き残ると思っています。印象に残るサービスが口コミを生みやすいのでエリアマーケットを早期に獲得しやすくなります。
低価格でセルフ要素が強いサービスは個人的におすすめしません。事業の魅力を感じないです。真似されやすい、スタッフが疲弊しやすい、クレームが多いからです。規模をとって短期間で成長させて売却!みたいな人にとってはいいかもしれないですが、今後10年と考えると難しいでしょう。評判が積み上がりにくいからです。

③高単価サービス

高単価サービスである理由は、誰も消耗せずに健全な経営ができることです。低価格だと、業者が疲弊したり、現場が薄利多売で疲弊したりと誰かに必要以上の負荷がかかります。
世の中がデフレで物価高の状況もあり値上げすることや高単価のサービスを扱うことにネガティブなところもありますが、私はクライアントに安売りをしても消耗するだけだからやめましょうと基本ディスカウントを主体としたイベントはしないようにお願いしています。新店舗オープンして認知度獲得の場合を除き、高単価になるようセールス教育をして売上と利益を上げていいます。客単価を上げるとお客様に申し訳ない、というのは嘘で感謝されるし、リピート率も上がります。このあたりの根拠は、拙著の「客単価を上げなさい」をお読みいただくとわかるのでおすすめです。

④仕組み:サービス=5:5

これまでのフランチャイズビジネスはいかにオートメーション・オペレーションで人的資源に頼らずに標準化した店舗づくりをすることで繁盛していました。これには理由があります。「需要>供給」下では、顧客は選択肢がないのと店舗検索をするツールがないため有名なお店、どこにでもあるお店を見ることで安心感が得られました。このチェーンストアの強みを生かしてFCは成長してきたのです。しかし、今チェーンストアや日本中に店舗を展開するFCを見るだけで無条件に「ここにしよう」と思う人はいないですよね。
もうすっかり見飽きられているし、個人店で魅力的なお店はたくさんあります。グーグル口コミをはじめ口コミサイトの台頭で「良い店の発掘」がしやすくなったことが理由です。「需要<供給」下では戦い方を変えなければいけません。これまではビジネスモデル、オペレーションに従っていれば勝てた状態から店舗側に権限委譲をしてサービスレベルを高めさせることでFCの強み×加盟店の強みがかけ合わさり唯一無二の店舗が出来上がります。
金太郎飴にはもう価値はないですね。

⑤競合優位性は利益率

今後のフランチャイズビジネスは、基本利益率が高い商材を扱うことブランドが残っていきます。これは、フランチャイズ本部がいかに高利益率のビジネスに仕立て上げられるか?が本部の価値だと思っている視点からきています。本部は一度ブランドを立ち上げたらあとは加盟店次第、ではなく常に利益率を改善させていく姿勢が大切です。それこそ、同商品でも集客コストが下がれば利益率は上がるし、リピーターが増えればさらに利益率は上がります。集客コストがFCではコスト高になりやすいので他の視点でも、高い商品力を作りFCのボリュームを生かした仕入れ、サービス業であれば認知度アップと高い顧客満足度の商品力に相まって新規集客・リピーター獲得でコスト低減が可能になります。売上ではなく、利益をいかに増やせるかを本部がどれだけ本気で考えて仕組みを強化するかが生命線になります。もう、本部はFC加盟店の管理、という仕事では生き残れないということです。

⑥店舗側の自由度が高いオペレーション

④に連動してお話をします。これまでのFCは店舗側はFC本部の言いなりにならなければいけない細かいルールが決められていました。
需要爆発期はそれでも良いのですが、供給過多期では、飽きられてFC加盟店の業績は下がる傾向があります。店舗ビジネスで一番怖いのは飽きられることなので加盟店側にある程度の自由は与えて属人的運営の余白を与えることが大切です。また、ガチガチにオペレーション指定があるFCに加盟するのであれば需要>供給が長く続くことを予見して選択していただくと良いと思います。私はそんなFC存在しないと思っているので、自分がFCに加盟するのであればオペレーションがそこまで厳しく管理されないところを選ぶでしょう。オペレーションをガチガチに指定してくるということはFC加盟店を信用していない点もあるなと個人的には感じています。後述しますが、優秀な店舗経営者が参画するFCであれば加盟店に対する信用度も高いのでルールで縛り付ける必要はないと思うし、今後のFCはそうあるべきだと思います。

⑦同ブランド50店舗以下

今後のフランチャイズビジネスは、各都道府県に1店舗〜3店舗程度の出店が良いと個人的に考えています。フランチャイズビジネスで店舗が多すぎると商圏が被るだけではなく、飽きられやすくなります。一部のメガフランチャイズを除き、多店舗展開するよりも、50店舗程度のブランドを10個作り500店舗にしていく戦略が選ばれると思っています。現に友人で飲食ブランドを展開している社長がいるのですが、同ブランドでは3店舗しか出さない、あとはパッケージはそのままで店名とサービス一部をFC加盟店オーナーに任せるというスタイルで全国展開しています。認知を取り、信頼性が高かったチェーンストアマネジメントはもう難しいでしょう。実際に、メガブランドがこうして衰退しているわけですから。

⑧本社側のプロダクトと販促カレンダー更新が月1〜2回

店舗に足を運ぶたびに新しい発見がある、を今クライアント先では目指しています。なぜなら、店舗の選択肢は多いし、低価格で勝負する店舗が増えているからです。意図的に顧客が何度も来店したくなる店作りをしなければすぐに潰れます。当社に話がくる事業再生の案件は特に、スーパーマーケットが多いのですが、実際に足を運ぶと、商品を置いているだけで売っていない(販促なし)なと実感します。FC加盟店も同様に、FC本部のいう通りにして店作りをしているだけでは顧客は物足りなくなります。結果飽きられて衰退していくので、本部のプロダクト改善はもちろんのことですが、販促を高頻度に行ってくれるFCを選ぶことが大切です。この話をある経営者にしたら「それじゃFC加盟店に負担ばかりかかってやる気でないんじゃ?」と言っていましたが、これまでの需要>供給状態ではオペレーションだけ組んで仕組みに依存するのでよかったのですが、店舗ビジネスの難易度はコロナ禍から一気に上がっている分創意工夫をしなければいけなくなりました。もうビジネスモデルだけで勝てる、というのはないんじゃないかなと。あれだけブームになったタピオカミルクティーもこれだけ早く衰退したのを見ると難しさを実感しますよね。

こうやってあらたな需要>供給のビジネスを探すのもてですが、現場は振り回されて大変だなと個人的には思っています。続くところは変わり続けているから続いている、と実感しています。

⑨口コミ収集をKPIにする

これは私の仕事領域なので興味のある方だけ読んでほしい。正直フランチャイズ加盟店オーナーは利益が上がれば良いと考えています。中には事業を育てる、人材を育てるという意識を持った経営者もいますが多くはどれだけ利益が上がるのか?に興味を持っている方が多いです。当社クライアントのFC加盟店オーナーもはじめはこの視点を持って始めた方がいます。しかし、うまくいかないことがわかり、私を雇いました。もう黙っていても利益が上がるようなビジネスは存在しないと思ってやるべきです。これまでは労働人口も多く採用で困ることが店舗ビジネスもありませんでした。しかし、今は自分らしく働けない、条件に見合わないという理由で会社を辞めるのが普通です。この会社で働く理由がなくなれば簡単にやめてしまう時代です。だからこそ働きがい、達成感、充実感を従業員が得られる仕組みが必要になります。私は口コミ収集をクライアントに推奨しています。これで顧客は1円もかけずに集客できるし、離職率もほぼゼロになったクライアントがいます。理由は、下の書籍をお読みいただければよくわかると思います。もう現場は売上目標に全く興味がありません。それよりもお客様が喜ぶことを目標にみんな頑張りたいのです。そこで口コミ収集をKPIにすることで結果的に売上・利益が伸びています。この指標を今後のフランチャイズ本部は検討することが大切です。(この項目はいったい誰に向けて書いたのかわかりませんが笑)

⑩質の高い経営者が集まる

最後に取っておいた最も重要なFC基準は加盟している経営者の質です。最初に書けよ、という話なのですが一番大切なことなので最後にしました。ここまで読み進めたあなたへのプレゼントです。(ここまでお読みいただいてありがとうございます)FCで生き残るためにはビジネスモデルはとても大切なのですが、加盟する経営者の質も同様に大切です。フランチャイズ本部を経営する友人もFC加盟店のオーナーへのヒアリングは徹底していると聞きました。無理に店舗を増やす必要性もないため、本部に依存するのではなく、しっかりと売上・利益を立てて従業員を大切にする経営者と取引をしたいとのこと。これからの時代に考え方があってるなと思いました。加盟したくても加盟できないフランチャイズビジネスを本部は目指すことが大切ですし、加盟店するかどうかの判断基準の一つにするべきです。どこにでもありそうなフランチャイズビジネスは手軽に低コストで始められることを売りにしていますが、結局集まる経営者の質も低いため共倒れになるリスクが高いです。

以上です。他にも色んな視点で未来予想図を書こうと思ったのですが、もう5000字を突破してしまい・・・読むの疲れましたよね・笑

また、ここに追記をするか新たに記事を作成してこれからの時代生き残るフランチャイズビジネスの特徴についてまとめていきます。

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