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地下鉄置き去り事件(中国旅行記②)

前回のあらすじ

無事に上海浦東空港に到着した私と友人は、マグレブで竜陽路駅に移動し、昼食をとった。これから友人の実家に向かう。


友人の実家がある江蘇省宿遷市に行くには、まず上海地下鉄で虹橋駅に向かい、そこで高速鉄道に乗り換える必要がある。

地下鉄の乗車カード

我々が竜陽路駅の地下鉄ホームに降りていくと、ちょうど電車が出発するところだった。

私は駆け込み乗車をするタイプではないので、次の便に乗ればいっかー。と思っていた。ら。前を歩いていた友人がサッと地下鉄に飛び乗った。え、ちょっと待って

ドアが閉まった。あ、ヤバいやつだこれ————

電車が行ってしまった。わざわざ中国まで来てこんなマンガみたいなトラブル。

何がヤバいって、実は友人は日本のSiM携帯所持で、ポケットWi-Fiを持っていなかったので、通信手段が無いのである。

私は友人が次の駅で降りて待っていてくれているだろうと思い、次の便に乗って次の駅で降りてみた。が、いない…………。

どうやら友人は私が竜陽路駅で待っていると思っていたらしく、次の駅ですぐ逆方向の便に乗って引き返したらしい。そりゃそうだよなあ。はぐれたときははぐれた場所にとどまるのが鉄則だよなあ。このときばかりは私がステイするべきだったなあと反省している。

私は友人が次の駅にいなかったので、ここで初めて「もしかしたら竜陽路駅にいるのかもしれない」と思い、逆方向の地下鉄に乗った。

ちょうどその頃、竜陽路駅に引き返していた友人は、私が竜陽路駅にいないことを知り、「もしかしたらもう虹橋駅に行ってしまったのかもしれない……」と思い、虹橋方面の電車に乗ったそうだ。最悪のすれ違い。

そして私が竜陽路駅に着いた頃には、もう友人の姿はなかった。

私もこの時点で友人は虹橋駅に向かっているだろうと推測し、再び虹橋方面の地下鉄に乗った。竜陽路から虹橋までは地下鉄で30分以上かかる。3ヶ月前に行ったバンコクとは異なり、車内に外国人らしき人が全然いなかったのでなんとなく心細かった。でももし会えなかったら、一人で上海を楽しんで帰国しよう。

私が虹橋駅に着くと、ちょうど友人から虹橋駅の改札にいるとの連絡があった。駅にいた人に声をかけてテザリングしてもらったらしい。

そして我々は虹橋駅で再会を果たした。よかったーー。はぐれてから1時間以上経っていた。


次回に続く

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