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スリランカ大使館(東京都港区・白金高輪駅)

港区に点在する駐日大使館。スリランカ民主社会主義共和国大使館にてイベントが開催されていたため訪問することに。高輪にある高輪皇族邸(仙洞仮御所として上皇・上皇后が住んでいたことでも知られる)の目の前にあるという好立地にある。もちろん高輪皇族邸は高い塀に囲まれて中を見ることはできない。スリランカ大使館はマンションのいくつかのフロアを使用しているという、ややコンパクトな大使館である。

まずは第一書記官より挨拶がありスリランカの紹介から。インド洋に浮かぶ島であるスリランカは北海道の約0.8倍の大きさである。公用語はシンハラ語・タミル語・英語で、ゾウとクジラを1日で観られるのは世界でもスリランカのみとされる。またトガリネズミという世界最小の動物もいることから、最大と最小の動物がいる国でもある。国立公園も15個を数え、世界遺産も8個を持っている。国旗に描かれている獅子はシンハラ語で勇気と強さを表しているという。

仏教の国スリランカ

エメラルドとダイヤモンド以外のほぼ全ての宝石が採掘され、ダイアナ妃が愛用していたサファイアもスリランカ産だという。料理ではカレー(日本とは異なり具を混ぜることはなく、にんじんはにんじんカレーだし鶏肉は鶏肉カレーとして扱われる)、水牛のヨーグルト(キリバニ)、またセイロンティが有名である。セイロンティには7種類が存在し、それだけ茶畑も多いという。伝統行事としては8月にペラヘラ祭りという全国規模の祭りがあるという。

セイロンティが有名

日本とスリランカの関係は実は深い。江戸時代末期の1862年、岩倉具視らが欧州使節としてヨーロッパへ行った際に帰り道で福澤諭吉がスリランカへ訪れたという。その後、慶應義塾大学の学生が仏教を学びたいと福沢諭吉に相談したところ、スリランカで学ぶべきと紹介したエピソードもある。夏目漱石や森鴎外、与謝野晶子らもスリランカへ訪れている。第二次世界大戦後のサンフランシスコ平和会議においてアジア諸国が日本を糾弾する中でスリランカは日本に敬意を払い、日本が国として留まるようにスピーチした人物が後の大統領となったという。1952年に国交を結び最初に外国公館を立てた数少ない国のひとつでもある。

日本との国交が深いんですね

イベントではセイロンティについてのワークショップが開催され、スリランカのミルクティー(キリ・テ)を紹介している。なお、当初は生の牛乳を保存するのが難しくパウダーミルクで作られていたという。古来からの名称は「ヤーラティ」と呼ばれており、注ぎ口からカップまでの長さが非常に長い(ヤーラ)ことからその名がついている。今回はヤーラティの淹れ方をレクチャー。
・熱湯をカップに入れる
・次にティーバッグ(茶葉が小さい物)を端から入れる
・濃いミルクを厚くなるまで温める
・ミルクとティ割合は半々くらい
・二つのジャグ(大きめのコップ)へ交互に中身を入れ替えて行く(攪拌されながら泡立つので柔らかみが増す)
・お茶に砂糖はお好みで

その他にも伝統衣裳のサリーの紹介もあったり(6メートルもある布で3ピースに分かれており、安全ピンで留める。プリーツを肩からかけてフリルを腰からかける。ブラウスも着る)、スタッフ同士が和気藹々としており、終始あたたかい雰囲気を持った大使館である。トイレは男女共用個室の洋式。

伝統衣装のサリー 

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