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太宰治関連めぐり(東京都三鷹市・三鷹駅)

・三鷹市美術ギャラリー(東京都三鷹市・三鷹駅)
三鷹駅の目の前にある三鷹市美術ギャラリーでは収蔵展を開催している。今回は桜井浜江桜井寛の二人に絞った作品を展示。圧倒されるような力筆で風景を描く桜井浜江と、アンニュイな雰囲気の中に死を忍ばされる桜井寛。同じ名字ながら関係はなく他人同士。桜井浜江は太宰治に絵を教えていたことでも知られる。

さてその太宰治の絵もある美術ギャラリー内の太宰治展示室「三鷹の此の小さい家」は、彼の三鷹時代の邸宅を模した造りになっている。企画展として芥川龍之介とのコラボレーション展示を開催。新宿区郷土博物館と田端文士村記念館との三館共同で行われていた展示も最終日を迎え、スタンプラリーでも多くの人が参加していた模様。
太宰治と芥川龍之介、二人は生前に会うことはなかったようだけれど、太宰は歳上の芥川に憧れを抱いており、ポーズを真似た写真や芥川龍之介の名前を書き連ねた学生時代のノートなどが残されている。
太宰治展示室と美術ギャラリー、これだけの情報量がありながら無料というのがすごい。じっくりと最短でも1時間以上は楽しめるミュージアムである。トイレはウォシュレット式。

・太宰治関連〜太宰治文学サロン(東京都三鷹市・三鷹駅)
三鷹市内には太宰治の晩年を飾ったいくつもの史跡が残されている。今は原型をとどめておらず案内板のみがあるという場所も多いものの、太宰の三鷹時代の生活を知る上ではかなり便利。観光協会では太宰治関連の地図も配布している。少し離れてはいるものの、太宰治の墓もこの地にある。森鴎外の向かい側に建っているのも興味深いところ。

一通り太宰治に関連する史跡を巡り、太宰一家が利用していた伊勢元酒店(『十二月八日』にも店名が登場する)の敷地に造られたビルの1階にあるのが太宰治文学サロン。三鷹市ギャラリーに太宰治展示室が造られるまで、三鷹における太宰治を記念する施設の役割を一手に担ってきた文学サロン。一年ほどの改修期間を経てこのたびカフェ機能を持つ施設としてリニューアルオープンした。

もともとリニューアル前もコンパクトなフロア内でシンプルな展示だったのを、その展示物も残しつつサロン内では太宰治に関連する書籍を自由に読める他。太宰治研究の第一人者である山内祥史氏が生前に集めた書籍を中心に「山内祥史文庫」として公開している他、安価で津軽のリンゴジュースなども飲むことができる。またオリジナルグッズの販売や、時期によっては朗読会などイベントを開催していることもある。

リニューアルした文学サロン

10人も入ればいっぱいになるスペースのため、桜桃忌などシーズンによっては入場制限がかかることもあるものの、三鷹に点在する史跡をめぐる際の拠点として活用したいもの。今回はシーズンから外れていたので余裕を持って寛ぐことができた。トイレは個室ウォシュレット式。

三鷹には太宰関連の史跡が点在 なに格好つけとんねん

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