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小説:コトリの薬草珈琲店

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植物の言葉が分かる主人公・琴音が、時間の荒波の中で見出した“幸せ”とは?奈良の小さな薬草珈琲店で描かれる現代ファンタジー。奈良・歴史・薬草・コーヒーがお好きな方々に届けたい物語。
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#グルメ

小説:コトリの薬草珈琲店 4-3

 17時、フェスが終了する頃には周囲も薄暗くなりはじめ、肌寒さが増してくる。さて、さっさ…

小説:コトリの薬草珈琲店 4-2

 開場早々、会場内の一番目立つ場所に設置されている有名シェフのブースには列ができ始めてい…

小説:コトリの薬草珈琲店 4-1

4章 奈良のうまいもの 朝の8時。一部の照明だけをつけた店内で琴音とバイトの佳奈の母、真…

小説:コトリの薬草珈琲店 3-3

 大和西大寺駅の商業施設は「ならファミリー」と呼ばれていて、近鉄百貨店・イオン・専門店街…

小説:コトリの薬草珈琲店 3-2

 四人は垂仁天皇陵から少し離れた場所にある小さな公園へと移動することにした。陵の近くには…

小説:コトリの薬草珈琲店 3-1

3章 田道間守の橘 11月の晴れた日曜日、昼過ぎ。いよいよ冬服が欲しくなるような肌寒い空…

小説:コトリの薬草珈琲店 2-3

 バイトの佳奈と佳奈ママが準備を進めておいてくれたお陰で、なんとか11時の開店に間に合った。それから4時間、15時まで全力疾走。ランチ客とカフェ客をあわせて30名+α。まぁ、平日としては上々だろう。  15時になると、佳奈は「貸し切り」の看板を店先に掲げた。本日は17時から店内で取材なのだ。取材のスタッフが来店するまで、琴音と佳奈は店の整理整頓を行った。軽く掃除をするつもりが、カウンターの細かいところ、薬草棚の後ろの部分など、いつもは掃除できていないところまで気になってしま

小説:コトリの薬草珈琲店 2-2

 洞川温泉街(どろがわおんせんがい)は、大峰山をはじめとした山岳で修験者が修業を行うため…

小説:コトリの薬草珈琲店 2-1

2章 奥大和のクロモジ  琴音の薬草珈琲店で使う薬草のほとんどは、農家から直接、もしくは間…

小説:コトリの薬草珈琲店 1-3

 実は、琴音にはちょっとした秘密がある。いや、特に隠していないから秘密ではないのだけど、…