見出し画像

ストリーミングサービス:報酬の仕組み

音楽、楽しんでますか?
こんにちは、narasuです。
 
最近、
「ストリーミングで3億回再生突破!」
とか
「YouTubeでMVが1億回再生突破!」
なんてニュースをよく見るようになりましたよね?
 
ヒット曲の基準が変わってきていますよね。
ちょっと前には「アルバム販売300万枚突破」なんて時代もありました。
ちなみに、日本でのアルバム最高記録は宇多田ヒカルの『First Love』が
国内累計売上約767万枚!!
1999年3月に発売されたものでした(衝撃でした...)。
 
実際のところ、CDであればちょっと考えると収益の目安ってついちゃいますよね。
たとえばCDアルバム100万枚なら(¥3,000×1,000,000)で30億円の売上...
すごいです!!
 
それに比べて「ストリーミングで1億回聞かれた」、って言ったところで
「じゃぁいくら入るの」ってよくわからないですよね。
 
今回はそのあたりの仕組みについてお話しできればと思います。
 
いまや世界中のあらゆる国にストリーミングサービスは存在します。
そしてどんどん新しいサービスも出来ています。

いま、皆さんが使っているのはドメスティック(国内)のサービスですか?
それともグローバル(世界規模)のサービスですか?
 
実はどの形であれ、『ストリーミングサービスの報酬の仕組み』
というのはそんなに違いはないんです。
 
前回触れたように、基本的にストリーミングサービスの報酬は
【「原盤」の使用料として支払われる】ものです。
(*作詞や作曲に関するいわゆる「著作権」の使用料は別途著作権管理団体に支払われます)

ただ、その報酬がどのようにして決まっているかというところがわからないですよね。
 
皆さんも利用しているストリーミングサービスには、大きく分けると2つのモデルがあります。
・月額定額制(Apple MusicやLINE MUSICなど)
・月額定額制+無料(広告)モデル(SpotifyやYouTube Musicなど)
 
月額定額制とはいわゆる「サブスクリプションモデル」というもので、有料会員として毎月一定額を支払うことで均一なサービスを受けられるサービスです(料金プランには「学生プラン」や「ファミリープラン」などで金額の差はありますが、概ね同じサービスが提供されます)
基本的に無料ユーザーはいないというモデル(無料サービス期間などはありますが)ですね。
 
一方、無料(広告)モデルとは、機能に一定の制限がある(オフラインで聞けない、シャッフルでしか聞けない、広告が入る、など)ものの、だいたいのサービスを使用することはできるという、無料ユーザー向けのモデルです。
 
よく「サービスごとに楽曲の再生単価が違う」という話も聞きますが、これはある意味必然で、それぞれの持ち味をどう捉えるか、という話でもあるんです。
 
実は、どのストリーミングサービスも報酬の計算式はある意味同じですが、おおもとにしている原資が違うんです。
 
ざっくりいうと
有料モデル
【会員料金の総収入】から運営コストを引いた金額を原資として、すべての楽曲の再生数に応じて収益を配分
無料(広告)モデル
【広告料の総収入】から運営コストを引いた金額を原資として、すべての楽曲の再生数に応じて収益を配分
というようなイメージです。
 
どんなサービスであれ、「月額定額制+無料(広告)モデル」のような、有料と無料プランが混在している配信サービスの場合、
・広告モデル(無料モデル)のほうがユーザー多い(たとえばSpotifyの最新業績によると、2024年題1四半期の会員総数6.15億人のうち有料ユーザーは2.39億人、無料ユーザーは3.88億人)
・そのため再生数も無料プランのほうが多い傾向
・無料ユーザー向けの広告原資は概ね有料ユーザーの原資より少ない
・結果、無料モデルの一回あたりの再生単価が低くなる
という形になることが多いんです。
 
なので、【月額定額制+無料(広告)モデル】の場合、同じ曲を聞いているユーザーの中に、無料ユーザーと有料ユーザーが混在しているため、結果として一再生あたりの単価が低くなってしまう現象が起きるんです。
 
「だったら単価の高いところだけで聞いてもらえればいい」と思うかもしれませんが、narasuでは【すべてのストアに配信する】ことをおすすめしています。
 
なぜなら、すべての配信ストア(ストリーミング&ダウンロード、etc)に自分の楽曲を置いておくことには、ほぼデメリットがないからです。
 
しかも今の時代、どこからどのように火がつくかはホントにわからないんです。
 
2020年、松原みきの「真夜中のドア〜stay with me」という楽曲が世界的に大ヒットしました。
この曲は1979年にリリースされたシングルなんですが、インドネシアの少女が自分のYouTubeチャンネルで「歌ってみた」動画を上げたところ、またたく間に世界中で聞かれるようになり、Apple Musicでは92か国のJPOPランキングでTop10入り、レーベルが新たに作ったリリックビデオは現在2870万回再生されるリバイバルヒットとなり、世界的な日本の「シティポップ」ブームのきっかけとなりました。
https://youtu.be/nuU2YHtxMik?si=H3nnEKmuTcIDDVwn
 
インドネシアでとある女の子が
「お母さんが聞いてた曲が好きだったからカバーした」
ことがきっかけで、こんな事が起きるんです。
これもデジタルの面白さですよね。
 
デジタル音楽配信の世界では、一度納品してしまえば原盤権利者からオーダーして取り下げない限り、ずっと配信ストア上で聞くことが出来ます。
そして、聞かれれば聞かれた分だけ(額の大小はあるものの)ちゃんと報酬が入ります。
 
「聞かれた分、ちゃんとルールに沿って報酬が払われる」
これが何よりも大事なことなんです。
これが明快に、正確なレポートとともに処理されるのがデジタルの強みです。
 
しかも、原盤に対する報酬だけでなく、著作権使用料などの権利料も各配信ストアが責任を持って処理することになっています。
あなたは自分の楽曲を配信して、皆さんに聞いてもらえるようになれば、自動的に原盤に限らず著作権の収益も発生することになるんです。
*ちなみに著作権は登録しないと収益を得ることは出来ません!

著作権の登録もnarasuで出来ちゃいますのでぜひどうぞ!


このあたりは、ぜひ一回自分の楽曲を配信してみると(もちろんnarasuで!)、自分の楽曲がどのサービスで、どのように聞かれているかもよくわかります。
 
そこから、傾向と対策もわかったりもします(受験勉強みたいですね)。
 
このあたりも今後お話していければと思います!
 
ここでは
・これからアーティストを目指す人たちに役立つ情報
・デジタル配信特有のTips
などなど、みなさんの音楽活動のヒントになるような情報を、
できるだけわかりやすくお伝えしていければと思っています。
 
ぜひとも感想や、「こんなことが知りたい」というご要望など、お気軽にメッセージいただければと思います!
ではまた!
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?