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例え話のUXデザイン

記事のリンクを押したら、全面に広告が出たりするときありますよね。
自分はいつもがっかりします。

もし、このサイトのデザイナーだったとしたら、この全面広告をやめるために偉い人をどう説得するでしょうか?

普通に説得しようとすると、こんな感じでしょうか。

デザイナー
「ユーザーは記事を見たくて来てくれたのに、いきなり広告を全面に出したら不快感を与えるのでやめませんか?」
偉い人
「君の言うこともわかるが、広告主からは評判がいいんだ。それにスキップボタンだってあるじゃないか。」

偉い人には売り上げを上げる責任があり、現状を変えることが不安なので、正論を真っ向からぶつけてもなかなか納得してくれないでしょう。

どうしたら良いでしょうか?

例え話で自分ごと化してもらう

ここでの課題は、偉い人がユーザー視点で考えられていないことです。
こういう時、自分ごと化してもらうために、例え話をすると効果的です。

デザイナー
「◯◯さんはこじはるが好きじゃないですか? こじはるの可愛い写真が見たくてリンクを押したのに、全面ではるな愛の写真をおすすめされたら嫌じゃないですか?」
偉い人
「それは・・・たしかに・・・。」
デザイナー
「リンクを押したら、すぐにこじはるの写真が見れて、見終わった後に自分の好みに近い写真をおすすめされる方がよくないですか? 記事の広告もそれと同じだと思うんです。」

こうすると、良くないユーザー体験になってしまっていることが身に沁みてわかると思いますし、説得できる確率も高まるのではと思います。

ここでの例え話のポイントは2つあります。

・相手にとって身近なもの
・相手が好きで、こだわりがあるもの

これらを抑えたものを題材にしたことです。

よくある間違いは、自分が野球が好きだから野球に例えて話をしてしまうような場合です。

デザインと一緒で、自分が話したいものではなく、聞いてもらう相手に合わせた例え話をすることが重要です。

なぜ、相手の身近なものを題材にするのか

人は、自分が知っているものとの共通点を見出すと、理解が深まります。

2つ以上のものに、何らかの共通なことが見えると、人は急に何かを理解したと感じる。たとえば、「あの人はメキシコの建国の際に2つの対立陣営を束ねる大きな役割を果たした人です」と言われるより、「あの人はメキシコ における坂本龍馬です」と言われたほうが(日本人であれば)圧倒的に理解したと感じるだろう。
引用:安宅和人. イシューからはじめよ ― 知的生産の「シンプルな本質」

なぜ、「好きでこだわりがあるもの」が良いのか

単純に理解してもらうだけなら、身近なものを題材にすれば解決するのですが、納得してもらうためには、より深く相手に刺さるものである必要があります。
そこで、好きでこだわりがあるものを題材にすることで、相手の興味を引き、真剣に課題に向き合ってもらうことができます

例えば、阪神の熱狂的なファンの人には、サッカーの話より野球の話の方がわかりやすいですし、そこに阪神を絡めるとより真剣に聞いてくれるはずです。

また、副次的な効果として、自分の好きなもので例えられると、「この人は自分のことをよく理解してくれている」という感情が生まれ、好印象が与えられます

例え話をする「場」に注意

これは実体験なのですが、厳粛な会議などで、ふざけた題材で例え話をすると怒られるので注意です!
僕は、すごく偉い人がいる場で、アイドルの握手会に例えた話をして怒られましたw
場や立場に配慮した上で、効果的な題材を選びましょう。

複数人に例え話をする場合

複数人に対して例え話をする場合も要領は同じで、その場にいる人がみんな知っているようなことを題材にします。
Twitterでも、ドラクエやドラゴンボールなどを題材にしたものはよくRTされている印象です。

勇者と魔王に例えた話

ドラゴンボールに例えた話

まとめ

・自分がしたい話ではなく、相手にとって身近なことを題材にする
・相手が好きなもの、こだわりがあるものを取り入れる
・わかりやすいと思っても、場や立場に合わせた内容にする

以上です!

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