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批判的思考力を高めるエクササイズ

ネットニュース,ブログ,雑誌,広告,広報誌……発信者の意図に敏感な,賢い読み手を育てる小・中学校向けの指導教材。
本書では,世の中にあふれるさまざまな<混成型テキスト=表やグラフが入ったビジュアルに訴える文章>を,正しくとらえ自分の目で吟味するための読解方略を体験的に学べます。
批判的思考力を発揮して<混成型テキスト>を読む能力は,PISA型学力でも求められている力です。

このたび,図書文化社から「批判的思考力を高めるエクササイズ」が出版されます。エクササイズ部分のチェックや教師用の解説部分の執筆で関わらせていただきました。

エクササイズは,共著者である佐藤が主宰する国語研究会の方々がアイデアを考え作り上げたものです。そして,佐藤が国語科教育の観点から,中野が算数・数学科教育の観点からそれぞれの知見を持ち寄りまとめました。

学習指導要領解説には以下の文言があります。

国語
情報の扱い方に関する指導の改善・充実

話や文章に含まれている情報を取り出して整理したり,その関係を捉えたりすることが,話や文章を正確に理解することにつながり,また,自分のもつ情報を整理して,その関係を分かりやすく明確にすることが,話や文章で適切に表現することにつながるため,このような情報の扱い方に関する「知識及び技能」は国語科において育成すべき重要な資質・能力の一つである。

学習指導要領解説(国語)

算数・数学
「データ活用」領域の新設とそのねらい

・目的に応じてデータを集めて分類整理し,適切なグラフに表したり,代表値な どを求めたりするとともに,統計的な問題解決の方法について知ること
・データのもつ特徴や傾向を把握し,問題に対して自分なりの結論を出したり, その結論の妥当性について批判的に考察したりすること
・統計的な問題解決のよさに気付き,データやその分析結果を生活や学習に活用しようとする態度を身に付けること

学習指導要領解説(算数)

ここからわかるとおり,文章や数値,グラフや図など,様々な情報をきちんと取り扱うことができること,つまり,教科の枠を超えて情報活用能力の育成の重要性が示されていると言えます。批判的に考える力は,まさに情報活用能力につながるものです。

しかし,その重要性は理解できても,教育現場ではなかなか取り組めないというのが,今の学校の現状なのではないでしょうか。私たち著者はそのことを十分に理解しています。
そこで,私たちは,短時間で取り組むことができるエクササイズを取り入れることにしました。先行研究など理論的な詳しいことは書籍をお読みいただくとして,短時間で繰り返し取り組むことの効果は,実践研究でも示されています。

この書籍がたくさんの学校で活用され,児童生徒の批判的思考力の育成に少しでも寄与できれば幸いです。

#批判的思考力 #情報活用能力 #学習指導要領 #国語 #算数 #数学 #エクササイズ

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