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禁断のメモとアディショナルタイムの恐怖

※この話は前回から続いています。

スタメンに入らないメンバーへの疑惑

サッカーワールドカップのテレビ中継「日本代表 対 オーストラリア代表(男子)」の録画を再生する直前、嫌なものを見てしまった。

母親が乱雑に走り書きした、備忘録のメモ。

「2、オナイウ阿道、オナイウ阿道、古橋亨梧、古橋亨梧、アディショナルタイム、アディショナルタイム、オウンゴール、オウンゴール、浅野拓磨、浅野拓磨、長友」

あちこちに書き殴られている。どの順番でこれが起きたのか、わからない。

オーストラリアに負けたら相当やばいというこの試合。よけいに高まる緊張感。

余計なことを考え始める。日本代表が2点を取ったのか、取られたのか。オウンゴールは誰がやったのか?

再生ボタンを押すと、試合が始まった。メモに書いてあったオナイウ阿道、古橋亨梧、浅野拓磨はスタメンに入っていない。まぎらわしいメモだ。

これから入ってくるのか。最後にさらっと書いてある長友はなんだ?

オウンゴールの恐怖

モヤモヤする。試合に集中できない。あっ、前半8分に田中碧が得点。

しかし、気になるのはオウンゴール。やったのは誰だ?あとでオウンゴールをやってるのなら、これでも1対1のはず。

1対0で前半終了。やばいじゃないか。

早送りで休憩とばして後半にすぐ突入。オナイウ、古橋、浅野はまだ出てこない。後半16分、大迫に代わり、いよいよメモにあった古橋登場!

すると、後半25分、オーストラリアに1点取られて1対1。これはやばいぞ。

オウンゴールがこのあとあるんだろ?それとも相手がやったのか?相手がやったんじゃないかと思い込んで、こっちのオウンゴールだったらショックが大きすぎる。ここはあえてマイナス思考にしておこう。

後半33分、南野に代わってメモに記載の浅野が登場。

おっとそのあと、長友がベンチに引っ込んだ。長友に関しては、なんとなく書いただけだったのか。たしかに、書きやすい苗字ではある。

どうでもいいけれど、長友と聞くと条件反射で育毛剤かなんかの「髪は長い友達」というCMを思い出すN氏。

そして、後半41分、それは起きた。浅野拓磨が放ったシュートが、オーストラリア選手に当たってゴールラインを割る。

まさに相手のオウンゴール!これだったのか!もう安心だ。あと数分、持ちこたえればいい。

でも、待てよ。メモの「2、オナイウ、アディショナルタイム」とはなんだ?いや、そもそもオウンゴールが2回あった可能性も捨てきれない。

ああ、落ち着かない。もう勘弁してくれ。

アディショナルタイムにオナイウがなにをした?

数字の2とは2対1の意味なのか、それともアディショナルタイムでオウンゴールによる2対2なのか。そもそもオナイウはどうした?

とうとうアディショナルタイムに突入。オナイウはまだ出てこない。オナイウがなにかしたのか?オナイウ!オナイウ!

ピー!試合終了の笛とともに、2対1で日本代表の勝利が決まった。

オナイウはまったく関係なかった。ベンチにいた選手をなんとなくメモしただけだったとは。

とはいえ、試合が波乱に富んでいなくて幸いだった。

もし、メモに「流血、レッド、担架、監督退場、ファン乱入、セルジオ激怒」などと書いてあったら、どう試合展開を想像したらいいのかわからないところだった。


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