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他人の人生にちょっといいことを


読書記録:GIVE&TAKE〜「与える人」こそ成功する時代〜

人付き合いをより良く、人生を豊かに過ごすためにどうすれば良いか。ギブアンドテイクの考え方から人のタイプを3つに分け、その観点から探っていく話です。その3つとは、「ギバー」与える者、「テイカー」受け取る者、「マッチャー」お互いの損得は五分五分であるべきだと考える者。より良い人生を送る為には、「ギバー」になりなさい。そういう話です。またこの本の中では、ギバーとテイカーの両者は両極端ではありません。両者にもギブアンドテイクの考え方はあります。ただ、テイカーが受け取る為に与えているのに対し、ギバーは、人のために与えていたら結果的に受け取ることが出来たという様に、目的が逆です。(この本の中で、マッチャーは両者のどちらでもない者、という意味合いでしかないです。)

1.ギバーとは?
常に他者優先で相手の利益を考え、自分が受け取るより多くを与えようと考える者のこと

2.何故ギバーなのか?
①「相手に与える」ということは、常に相手の立場に立ち、相手のことを考え、相手の利益になるよう行動する、ということです。損をしやすい立場に思われがちですが、その行動は、周りからの信頼につながり、長期的にみると自分に利益をもたらします。
②テイカーが勝てば敗者が生まれますが、ギバーにはそもそも勝敗がありません。他者優先の為、敵を作ることが少なく、その成功や利益は周りに波及し皆が幸せになれるケースが多いからです。自分が周りの為に動くので周りも自分の為に、そして他者のために動いてくれるようになります。

3.ギバーになるには?
①他者重視になる
恋人、友達、同僚、会社、まず第一に相手がどうして欲しいのか、どうすれば利益を得られるかを考えることが第一条件です。また、「自分の為」だと、このくらいでいいや、とか、自分が我慢すれば、となりがちですが、「他人の為」もしくは、「これをやることで間接的に他者の為になるかも」、と想像することで自分の行動に責任感を持てるようになります。この「想像力」もギバーになる上では必要です。

②ゆるさを持つ
言葉や行動に「ゆるさ」を持つことも必要なスキルです。
・ゆるいコミュニケーション能力
力を誇示し強い言葉で周りを引っ張るのではなく、弱さを見せ、アドバイスを求める。簡単に言うと親しみやすい人間を意識すること。それが結果的に信頼を得ることにつながります。
・物事を長期的に考える
ギバーの成功例は「結果的に」が多いです。すぐに結果が表れないことが多いですが、物事を長期的に広く捉え、継続することが必要です。
・プライドを持たない
ギバーは自分をよく見せるのでなく、全体にとって何が1番大事かを優先する為、自分の失敗を認め柔軟な意思決定が出来ます。それは他者に対しても同じです。相手の意見に何でも従うのではなく、周りの為、相手の為に厳しい視点も持たなければなりません。

4.ギバーになるための注意点
ギバーになる上で、注意したいのが「都合の良い人」です。いいように使われ、自分自身が疲弊してしまいます。では、そうならない為にどうすればよいか。
ギバーにも2種類あります。
自己犠牲型・・・いわゆる「都合の良い人」
他者志向型・・・多くを与えるが、決して自分の利益を見失わない人。自分の利益を指針に、いつ、どこで、誰に、どう与えるかを決定することが出来る人。
つまりギバーの中でも、人を大事にしながらも、それと同じくらい自分も大事に出来る人。が、成功や人生の豊かさを手に出来る。ということです。誰かれ構わず与えるのではなく、自分の不利益になりそうな相手や行動に対しては、取捨選択をすることも必要です。

まとめ
人のタイプを3種類に分けて説明してますが、厳密には明確に分かれているのでは無く、人は相手や場面によって無意識のうちに使い分けているそうです。ギバーになりたいけど何か難しそう、と思ってしまいますが、基本誰でもギバーの精神は持っています。例えば友人や家族に対してであれば、ほとんどの人はギバーです。が、仕事となると、テイカーやマッチャーになる人が大多数です。
著者が言いたいのは、「仕事でも何でも分け隔てなく、ギバーとして接すれば(周りの人を、そして自分自身も大切にすることが出来れば)、人生がより豊かになりますよ。」ってことなのではと思います。難しく考える必要は無く、他人の人生にちょっといいことを起こすくらいの感覚で行動するだけで、物の見方や感じ方は変わるのでは。と感じさせてくれる一冊でした。

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