選抜中止で優勝した選手から学ぼうぜ
今日、2020年の選抜高校野球(春の甲子園)の中止が決まった。
甲子園に出られたはずの32校は、この春には聖地の土を踏めないことが決定された。
まだ夏がある!と思えるタイミングとはいえ(夏も開催できるか不透明ではあるのだけど)、普通に考えて選手たちはショックだろう。現に涙を流している球児もいた。
そりゃあそうだ。
何年連続で出場している強豪校であっても「今回が初めて」な選手は当然いるし、初出場の高校なんかは特に甲子園に懸ける想いが強かったことは想像に難くない。
それこそ僕も高校球児だったから、血の滲むような努力を重ねてきた背景もわかる。
ただ驚かされたのが、そんな状況のなかで各校の選手(主に主将)たちが、とんでもなく立派なコメントを残していることだ。
こちらは群馬・健大高崎の戸丸秦吾主将。
もはや優勝である。
続いて仙台育英の田中祥都主将。
いや、こちらも優勝でしょう。
ある程度、最悪の事態を予想できたとはいえ、中止が現実になってショックじゃないわけがない。
にも関わらずこれだけ前向きなコメントを残せるのは「素晴らしい」以外に言葉が見当たらない。主将としての強い責任感が伝わってきて震える。
こういった球児=当事者たちの振る舞いから、僕ら大人は絶対に何かを学ぶべきなのだと思う。
実際のところ、球児たちが必死に前を向こうとしている一方で、誰かをネット上で口撃したり自分の無念さのはけ口を探すような行動に出ている人は少なくない。
同じ高校野球ファンとして気持ちはわかる。
今年の出場校は本当に楽しみな選手が多かったし、ハイレベルな中で実力が拮抗しているから対戦を想像するだけでテンションも上がった。
故にダメージが大きいのは共感する。
ただ、球児たちが前を向こうとしているときに、大人が感情だけで罵り合っているのはめちゃくちゃ情けない。
今回ほど誰も悪くない状況も珍しいのだから、せめて皆んなでポジティブな空気をつくろうとする気概くらいはあってもいいんじゃないだろうか。
目標としてきた甲子園が中止になり、彼らのモチベーション管理が難しいことは言うまでもない。
ただそれでも立ち上がろうとしている選手たちから、僕ら大人が受け取れるものはたくさんあるのだと思う。
応援する僕らも、一緒に成長していけたらいいよな。
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