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ランチをちゃんと12時に食べるのって大変

ハンバーグ 牛カロリー焼きセット キッチン・カロリー@御茶ノ水


 雨の影響で、バスが遅れていた。
 そのせいで僕の緻密? なプランは脆くも崩れた。

 今日は四谷で編集作業がある。13時入りなのでご飯食べてからスタジオに入るというスケジュールだ。当初は四谷で何か食べようかと思っていたのだけど、四谷についてからだと間に合わないかもしれないと思い、乗り換えの御茶ノ水でサクッと食べて四谷へ向かうプランに変更した。

 29日はニクの日だ。じゃあ肉を食べようと思って、まず頭に浮かんだのは新御茶ノ水駅の駅ビルにある「肉の万世」。ここでハンバーグかステーキかを食べれば、雨にあまり濡れずに乗り換えもできるし、と思っていたが、新御茶ノ水駅に到着したのが12時01分。万世へ直行したもののもうすでに10人くらい並んでいる。オフィス街のランチ、恐るべしだ。
 さて、どうしようか?
 そういえば、「伝説のすた丼」があったよなと思い「すた丼」へ急行する。が、ここもすでに並んでいる。近くに吉野家も見えたが、それは最終手段でいいだろうと判断した。

 すると、その先に懐かしの看板が見えた。「キッチンカロリー」だ。

 1954年創業の洋食屋。この街で学生や会社員たちの胃袋を満たしてきたお店。東京の学生なら、駿台予備校や代々木ゼミナール、明治大学、中央大学、日本大学などがあるので、このお店を利用したことがある人は多いんじゃないだろうか。
 名物はお店の名前にもなっているカロリー焼き。牛バラ肉と玉ねぎの炒めもので、鉄板の上に敷いたスパゲッティーの上に乗せて提供される。

カロリー焼き

スパゲティーと混ぜるとニンニク醤油風味の焼きそばみたいな感じになる。で、それを白飯と一緒に食べるのだ。関西だと、焼きそばとご飯は普通かもしれないけれど、関東だと「え? 嘘でしょ」みたいに思われるが、この牛玉ねぎ炒めの焼きそばなら、ご飯のおかずと言われても違和感がない。炭水化物を炭水化物で食べる違和感は同じだけど、ラーメンライスだってそうだよね。なんだろう、ということは味付けの問題?

 「カロリー」の前は並んでなかったので、急いで券売機に駆け寄る。
 今日は肉の日だから、カロリー焼きにハンバーグもつけることにした。
 店内は満席だったけど、回転が早いから、入ってすぐに座ることができた。カウンター席に座ったが、ここってめちゃくちゃ狭いのね。隣の人と方がぶつかるくらいの距離感。
 ふと、この店に入るのも浪人の時以来かもと思った。もう30年以上になるのだな。
 座ってすぐに、コンソメスープが出される。うーん、街洋食って感じ。これはお腹が空く。

コンソメスープ

 そして、熱々の鉄板にのったカロリー焼きが出てくる。ジュージュー音を立てる鉄板ってそれだけで、すごく旨そう!

ハンバーグ 牛カロリー焼きセット

 牛バラ炒めを口にする。あー、こういう感じだったかも。懐かしいなぁ。
 あの頃はめちゃくちゃ旨い! って思ってたけど、まあ、普通だよね。ハンバーグを口にする。うん、これも肉肉しいが、まあ、普通。そりゃあ、950円でこのセットなんだから、仕方ないというか、十分という味なのだけど。昔はこれに塩コショウとか、何か足してたんじゃないか? と思い出し、卓上にあったニンニク醤油を「これだ!」と、じゅうじゅう音を立てる鉄板に注ぎ、さらに味を濃くしてみる。予想通り、敷いたスパゲッティが旨くなった。カロリー焼きと混ぜて食べてみると、ああ、こういう焼きそばだったかも、と思い出させてくれた。これは結構旨い。で、白飯を食べる。うん、悪くない。

 お店を出て、何だか僕も大人になっちゃったんだなぁとは思った。昔はこれをすごく旨いと思い、ご飯を大盛りにして食べてたんだよな、と感慨に浸る。時計を見ると12時25分。感慨に耽っている場合じゃない。結構ギリギリな感じだ。御茶ノ水の駅へと足早に歩きだす。

 普段は13時過ぎてから昼を食べることが多いけど、オフィス街で定時にご飯を食べるのって結構大変なんだなぁと思わされた。
 ランチタイムが決まっている会社員の皆さんの苦労を少しだけ感じたニクの日。


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