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マーケティング初心者でも読みやすい。マーケティングの大原則

最初に言っておくと、分かりにくい言葉や文章は一つもありません。誰でも分かるように書かれているのでとても読みやすいです。
総論から各論まで書いてあるので、分からないことがあっても80%は理解できると思います。

世界的な優良企業で実践してきたマーケティングの原則を実例で紹介し、インタビュー形式でも収録されています。
P&G、コカ・コーラ、マクドナルド、ツイッター、スマートニュースなど、最新事例を多数掲載しており、マーケティング業界のキーパーソンたちとの対談も収録されているので主に、マーケティング初心者〜中級者に良いかもしれません。

*本noteは世界的優良企業の実例に学ぶ 「あなたの知らない」マーケティング大原則を読んで、気づきや重要だと思ったところを引用しながら、自分の考えも述べています。

1,戦略的コンセプト

マーケティングの大原則としてABCがあります。

Audience(ターゲット消費者)
Benefit(消費者便益)
Compelling Reason Why(信じる理由)"Reason to Believe

これを進化させた5つの要素からなる戦略的コンセプトが
⬇️
A:Audience(ターゲット消費者)
B:Benefit(消費者便益)
C:Category(カテゴリー)
D:Point of DIfference(差別点)
E:Emotional Character(トーン&マナー)

順に見ていきましょう。

Audience

モノを売りたい時は必ずターゲットを決める必要があります。
20~50代の女性
のようなザックリしたターゲットではなく
20代の年収300万円の都内在住の女性
のようにターゲットをなるべく明確にしていき、ターゲットにリーチするためのメディアに沿って戦略を立てていきます。

Benefit

顧客が商品を買った後に得られる便益。例えば超快適なシューズを購入する時、そのシューズを履いたら扁平足が治るとか背が高くなるのように何かしらの他商品との差別化ポイントがあるはずです。

Category

カテゴリーや競合は、「消費者が何をどう選択しているか」という視点で決まります。
そのシューズのタイプはスニーカーなのかパンプスなのか、市場を決めたあと、どのような便益を出すかの戦略になります。
シューズ市場なのか、それともスニーカー市場で戦略を立てるのかで競合他社や市場での細かい戦略が必要になります。

Point of Difference

そのシューズは、他の商品と何が違い秀でているのか。例えば、オールバーズのシューズは今までのシューズの価値観を一変させました。
「履いていることを忘れるシューズ」だったり「洗濯機で洗えるシューズ」というのは明らかな差別化ポイントです。

Emotional Character

トーン&マナーはマーケティング視点に置いて非常に重要な考え方です。
オールバーズのシューズは明らかにナイキとはコンセプトは違いますし雰囲気も違います。

積極的にCMや広告を打つナイキに比べて、オールバーズは静かにSNSで口コミが広がったり、インフルエンサーがおすすめして日本では瞬く間に広がりました。まぁ、そもそもアメリカでは大物セレブ達が出資してたのでアメリカ本土ではかなり話題性は高いまま日本に上陸しましたが……

消費者理解の重要性

マーケティングには消費者理解が必要です。100万円のリスティング広告を売ったら500万円の売上になった!というのは単なる結果であり偶然です。
広告に100万円投下したら○○万円売れるだろうという仮説を持っていないと再現性はありません。

仮説を見つけるためには、定性調査が必要です。それには商品の購入者にヒアリングが必要になりますが、その際に「何で購入したのですか?」とザックリした質問でOKです。
その後、仮説検証に移りますが、その際には定量調査が必要です。調査を行う前に必ず結果の良し悪しを判断する「基準値」を用意します。

例えば、以前やった施策ではターゲット層としていた30代の女性へのアプローチが結果的に20代の女性にヒットしたとします。その場合、では20代をターゲットにする、という着想にいたります。

また、過去の調査で90%のユーザーが満足してたとしても今回行った調査で80%のユーザーが満足したとしても前回よりスコアが落ちたという点から必ずしも良い施策とは言えません。
数値はあくまで仮説を検証するための指標にすぎず、結論ではありません。

戦略立案のポイント

戦略立案の際は、自社視点だけでなく、「競合が何をやられたら嫌か」という競合視点で考えることも重要です。アイデアが出ない場合は、全く異なるカテゴリーや、海外で成功している企業の製品・サービスのアイデアを買うという手段もあります。

アイデアや事業の買収は一般的に行われていて、事業丸ごと買収するM&Aを筆頭にアイデアを売買プラットフォームも存在するのでアイデアの着想がなくても容易に新しいアイデアに出会うことはできます。

インフルエンサーマーケティング

SNSで数万人のフォロワーがいる人はインフルエンサーと呼ばれていて主にTwitterやInstagramが指標になっています。

例えばInstagramで100万人のフォロワーがいる芸能人は紛れもなくインフルエンサーですが、100万人のフォロワーが居る素人は必ずしもインフルエンサーではありません。芸能人の場合、すでに認知されているので発信を続けると自然とフォロワーはつきますが、素人の場合0から地道にやるかフォロワーを購入するケースもあります。

インフルエンサーマーケティングについては池田さんのnoteが分かりやすい

価格設定

マーケティングに置いて、価格設定が重要なのは間違いないですが、売れないからと値下げを続けていると競合との価格競争になってしまいます。
原価から売価を決定するのもナンセンスです。売りたい価格から逆算して原価を決めることが重要です。

例えば、Mr.CHEESECAKE。オンラインでしか買えないチーズケーキですが17cmのケーキが3,000円以上で販売されていて常に売り切れ状態です。
原価計算から売価を決定するなら1,000-2,000円が良いところでしょう。
価格を上げて、新しい市場を作った良い例です。
マーケティングはより高い価格で売れるかを既存の価格帯に縛られずに考えることが重要になります。

広告

広告はマーケティングと違いロジックではなく感情です。例えばあなたのTwitterのタイムラインに流れてきた広告、Instagramで流れてきた広告を論理的に考えて見るかを決めますか?
いかに、言葉やデザインで相手の心を掴めるかが勝負です。

トンマナで関係性を作り出す

今や、多くの人が広告に接する機会があります。初めて見たときに「自分には関係ない」と思われてしまうと今後一切スルーされてしまいます。
自分にも経験があると思いますが、FacebookやInstagramの広告で不要なのに表示されてしまうあの現象。一度、不要だと感じたら二度と見ることはないかと思います。

広告は、多くの潜在層にリーチできる良さはありますが、その中で一度嫌われてしまうとそのユーザーは二度と戻ってきません。

フリークエンシーと認知率

広告を見るユーザーは基本的に流し見です。数回では記憶に残らないし認知もされません。CVに至るには少なくとも3-5回は露出する機会が必要でしょう。

オウンドメディア

メディアの種類でアーンドメディア(SNS)、ペイドメディア(広告)の他にオウンドメディアがあります。文字の通り、自社メディアです。
イメージしやすいのはブログが挙げられますが、自由度が高いのはダントツでオウンドメディアです。
さらに、時間をかけてゆっくりコンテンツを作ることもでき広告費は無料です。

では、なぜ多くの企業でオウンドメディアは活用されにくいのか。それは効果が出るまでに他のメディアより時間がかかるのです。
そして地道にコンテンツを作っていく必要があるのでリソースもそれなりに必要です。

しかしながら、広告のようにお金を払って短期的にすぐに結果に結びつく手法とは違い、地道だけどコストも安く資産になっていくのがオウンドメディアです。
無形商材であれば広告を使って一気にグロースする方法もありますが、有形商材であればオウンドメディアと補完的に広告を使っていく手法もありでしょう。
LIGさんのオウンドメディアは本当に参考になります。見てて楽しい。

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オウンドメディアでは「何を伝えるか」、が一番大事なことです。自社メディアなので自分で100%コントロールもできるし、仕込みにもたっぷり時間をかけられる。
もちろん大前提として「誰に伝えるか」がありますが、発信元のメディアが自社であればソーシャルメディアやマスメディアよりも読者の興味・関心度が高いはずなので伝わり方も違うはずです。

メルマガ

メルマガは顧客リストさえあれば多くの潜在層に安価にリーチすることができる一種のオウンドメディアです。
オウンドメディアでSEO施策によるコンテンツマーケティングを行えば、それなりのPVは得られますが、メルマガはほとんど読まれません。母数にもよりますが全体の10%程度が良いところでしょう。

経験値からですが既存顧客へのメルマガでは全体の約30%は開封してくれます。この中で、アップセルやクロスセルを狙っていくわけですが、関係値ができてないのにいきなりセールスをするのはナンセンスです。

期間をかけてじっくり関係を築きユーザーが求めるタイミングを見逃さずにセールスをかけるのです。
Patagoniaのメルマガが僕は好きです。

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なぜかと言うと、プロダクトのストーリーが文章を通してリアルに伝わってくるんですよね。文章を読んでいると、作り手の気持ちやパタゴニアとして取り組んでいる地球環境問題がダイレクトに伝わってくる。

余談になりますが、ただモノを売るという時代はもう終わっています。モノに対して希望を乗せたり、何かしらの意味付けがない(ストーリーがない)モノは人から愛されることはないと思います。

まとめ

「マーケティングやってます」とか「マーケターって何やってるの?」というツイートや投稿をよく見ますが、本当に多種多様です。オウンドメディアの運用でもマーケティングだし、広告の運用だけでもマーケティング。

でも、大原則は「消費者理解」。マーケティングの基本は消費者理解と認識してればよいと思います。
最後に、元コカ・コーラCMOのセルジオ ジーマンさんがこう言ってます。

すべてのマーケティングはテストマーケティングである

すべてに成功することはできない。だからベストを尽くして実行し、うまくいかなければ、すでに改善して次の成功を勝ち取る。

マーケティングに関わらず、すべての事象に言えることですね。

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