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ファクトフルネスは全ての人にとって重要な課題じゃないのか


2019年のベストセラー、50万部突破という帯を見たらまず間違いない書籍だと思いますよね。確かに、この書籍は間違いなく名著でした。ビル・ゲイツやバラク・オバマがおすすめする理由も分かります。
ファクトフルネスに関して、図解をしてすでに公開されているnoteもあるので、今回は、格差に焦点を当ててみます。

自分のイメージと世界の現実は異なる

ニュースやネット情報から仕入れた情報をインプットしてそのままにしてるとその情報って自分の中でアップデートされないですよね。なぜならその問題にぶち当たらないと課題として認識しないからです。

Q,突然ですが、ここで問題です。世界の平均寿命は現在およそ何歳でしょう?

A,50歳
B,60歳
C,70歳
(解答は一番最後に書きます)

何が言いたいかというと、イメージと現実に乖離が起きているということです。例えば僕は8年前に初めて1人旅でカンボジアに行きました。当時の僕のイメージは、「カンボジアには地雷が埋まっているんだろうか」だった。もちろんベトナム戦争やカンボジアの内戦で多くの地雷が埋まっていたのは間違いない事実だが、それらの多くは特定できており立ち入りができないようになっている。つまり、普通に観光する分には全く問題はない。
そうとも知らず、多くの人は「あの国は危ない!」と固定概念から抽出した自分の物差しで物事を判断してしまう傾向にあります。
少し、長くなりそうなので本題に入ります。

ファクトフルネスを読んでみて

ファクトフルネスとはデータを基に世界を正しく見る習慣をいいます。自分が知っている世界は、事実と大きくかけ離れたものではないと信じこんでいる人が多いのが現実です。ただ、事象に目を向けてみると事実は異なっている。それを気づかせてくれるのがこの本です。

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これは世界の平均寿命と所得水準を表した図です。
縦が寿命、横が所得を示しています。つまり、右上に位置する国は、所得が高く平均寿命が長い国になります。端的に推察すると、

・所得が高い国は寿命も長くなる
・アフリカ諸国は左下に、欧米は右上に位置する
・アジア諸国の多くは中央に位置する

日本はというと、当然右上にいます。平均寿命もGDPも世界で三本の指に入りますし、ここはイメージ通りかなと思います。収入が高いのに短命だったり、収入が低いのに寿命が長いという逆説な結果にはならなく、収入と寿命は比例する右肩上がりの図になります。

僕が行った国をレベル別に並べてみた

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これは4つの所得レベルを示していて、一日あたりの所得を示しています。

レベル1というのは、一日2$以下の生活で、水や食料を得るのがやっという生活レベル。住居は、泥や藁など自然のモノで作られます。また、家族が病気になると病院などに行くことが困難なため厳しい状況になります。ここのレベルでは自給自足が不可欠になります。

レベル2は、1日2~8$の収入なので、モノを買うということができます。仕事の多くは肉体労働です。今でこそ、南インドのバンガロールやベトナムのホーチミンなんかはテクノロジーも発展していて先進国レベルですが、ベトナムのホーチミンからバスで2時間ぐらい離れた田舎は、テクノロジーとは無縁で自給自足という感じでした。

レベル3になると、ある程度の余裕資金で好きなものを買えるようになります。このレベルになると、移動はバイクやタクシーが普通、食事のバリエーションも日々変えることができます。このレベルだと肌感としては、列挙した国々はほぼ同じですが、キューバは特有の空気感でした。社会主義国なので働かなくても給料は同じ。公務員もカフェ店員もです。なので、実力があって優秀な人はアメリカなどに亡命してしまうのです。

レベル4は、みなさんも行ったことのある国が多いのではないでしょうか。旅行先としてもレベル4は最も多く選ばれるし、選ばれるからこそ観光にも力を入れています。家具、家電も揃っていて自由な意思決定のもとに好きなものを購入できるレベルです。

これを基に僕が行ったことのある国を分けてみるとこんな感じになります。

コメント 2020-05-23 190210

・・・・・以下全て主観になります・・・・・

格差の大きい国

僕が行ったことのある国での肌感ですが、レベル3以下の国々は、格差が生まれやすい構造にあると思います。特に格差の大きい国はブラジルです。ブラジルは南米最大の経済都市であるサンパウロは経済の中心であるためお金もよく回っており、高層ビルや交通インフラもしっかりしています。一方で、リオデジャネイロにあるファベーラと呼ばれる貧困地区も存在し、極度の貧富の差が存在します。
これらが生まれる原因はトップ10%の富豪が懐にお金が入る仕組みになっていて、資本主義社会において富豪が無双してしまうという社会構造上仕方のないものですが難しいですよね。
そもそも資本主義でないと、競争が生まれなく結果的に顧客に還元されなく、社会主義国のキューバは国力として大きく成長しないけど、最低限の生活が担保されているから国民は安心して生活できるというところがあります。

そもそもなぜ格差は生まれる?

これは、歴史に大きく関係があると考えてます。アメリカという世界一の経済大国がなぜここまで成長できたのか。僕の予想では経済大国になる要素は大きく2つあると思ってます。

・土地
・人口

アメリカは北アメリカ大陸でなければ経済大国になっていなかったかもしれません。例えば、中国が現在の地理でなく南アフリカの隣だったらここまで成長してなかったでしょう。先進国と言われている国は、この2つの要素のどちらかで大きく他国より有利に働いているはずです。例えば、レベル3のブラジルは地理こそ恵まれていませんが、人口は2億人を超えています。
アフリカの経済大国であるナイジェリアも約2億人です。しかしこういった国々は、国の成長に政府が追いついていなかったり、汚職が頻発してたりと国情が不安定なために、富豪はどんどん経済的に自由になり、貧民は生活が苦しくなっていくのです。
日本は、ある意味で土地と人口が丁度良いのでここまで経済成長でき、また先人達の努力の賜物を今生きている人たちが享受できているからではないでしょうか。
ちなみに、アフリカ大陸の人口は爆増してますが、ナイジェリアの人口は2050年にアメリカを抜くと言われています。それに比例して経済も飛躍的に成長していくことが見込まれます。
(出典)https://www.asahi.com/articles/ASL185X2WL18UHBI01B.html

土地という物理的な条件は戦争して侵略でもしない限り、変えられないので人口を増やして労働人口が増えない限り状況は変わらないでしょう。

ちなみに余談ですが、僕は1991年生まれで当時の日本はバブルの全盛期。世の中はお金で溢れていた時代です。下のグラフは日本の名目GDPと実質GDPの推移。

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                       (出典)世界経済のネタ帳

名目GDPとは、その時の市場価格で評価したものです。一方で、実質GDPは、名目GDPから物価の変動による影響を差し引いたものです。これを見て分かる通り、バブル経済期は実質GDPが名目GDPより100兆円ぐらい高くなっていることが分かります。いかに、この時期にお金を持っている人が多かったかということがGDPからも推察できます。

まとめ

とにかく、自分の知識をアップデートし続ないと自分の知識と世界の現実に乖離が生まれてきます。「アフリカは危ない国が多い!」という先入観は正しく新しい情報をキャッチしないと一生接点がないまま人生を終えます。(それはそれで良いかもしれませんが…)
また、「中国は経済大国だ」という現実に対して「なぜ?」というように背景を考えるような習慣がないと、キャッチした情報をそのまま飲み込んでしまう可能性があります。
この本を通して、
・自分のイメージと世界の現実は異なる
・情報をそのままキャッチするのではなく、ありとあらゆる事象や背景から考える癖をつける

それ以上にも多くを学べましたが、この2つが特に大きかったです。

*冒頭の質問の答えはCでした。

ファクトフルネスの一部を切り取って、自論を展開しましたがファクトフルネスの分かりやすい図解はこちら。


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