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魚をさばいたらワクワクが止まらなくなった

【ニジマスを初めて三枚下ろしにしました】

先日息子と釣りに行って大きなニジマスを釣ったので、いつも塩焼きやムニエルでしたが、今回は初めて三枚下ろしに挑戦しました。

まな板いっぱいの大きさで、バッチリの重厚感。

先ずは内臓から取り出して、血合いをとって、首を切り離します。

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肋骨がとにかくびっしり。

そうそう、ヒトでは肋骨は胸椎だけについていますが、魚には頸椎、胸椎、腰椎の区別はありません。

背骨(体幹椎骨尾椎)と肋骨というセットのみですね。

肋骨の数は、、、数えましたが定かではないですが、30本以上はありますね。

背骨の真下に血管(背動脈)が通っていて、それを「血合い」というんですよね。

腹筋はかなり薄いのがわかります。お腹パンパンのお魚もいますし、特に腹筋を鍛えるという需要は魚にはなさそうですね。


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ヒトと大きく違うのは胸骨がないことですね。体重を支持するような必要性がなければ胸骨は必要ないということですね。

ちなみに最大の胸骨を持つのはコウモリです。鳥類も大きい(竜骨という特殊な骨を持つ)ですが、羽根を羽ばたかせるのに必要な筋肉の基盤を提供しているのですね。

背骨の話で余談ですが、ヒトでは頚椎は7つですが、脊椎動物で一番多いのは白鳥の25個です。首をマフラーのように巻いてるのは、頚椎が多いからです。首が長いといえばキリンですが、キリンは哺乳類でやはり頚椎は7つですので、流石のキリンも白鳥の真似できません。

ちなみに脊柱全体の数でいうと、魚も多いですが、なんとヘビは400個以上持つものもいるそうです。どんな身体感覚か想像すらできませんね。

驚いたのは、腹ビレです。鰭(ヒレ)には、背ビレを始めとして、尾びれ、胸ビレ、腹ビレ、尻ビレ、脂ブレがあります。基本、尾ビレを除いて全て取り除きます。

ヒレの切除の時にてこずったのが、腹ビレです。

なんでかというと、、、大腿骨のような頑丈な骨があったからです。これって、進化の視点でいったら脚になる予定の構造ですね。

ニジマスで、ヒトの大腿骨を推測させるとは一気にニジマスが身近になった瞬間でしたね。

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さて、切り取った頭を見てみると。

目の部分の色が濃くなっているが見えますね。

おそらく眼球筋ですね。色が違う問うことは赤筋線維が多いということでしょう。

エラ(鰓)は取ってしまいましたが、ヒトの30以上もある表情筋や咀嚼筋、頚部の筋はこのエラが由来です。

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次は、水平に切った体側を見てみましょう。

ヒトで言うところの脊柱起立筋がすごい発達してますね。魚では体側筋と言うそうです。

背骨の形を見ると縦に長いですね。魚の脊椎は屈伸はできません。側屈です。泳ぐときは横に体をくねらせますので他の動きは必要ないと言うわけです。

左右に揺れて移動し、顔に感覚器を集中させて獲物を探し、酸素はエラで取り込み内臓で消化して生きて行く。

何とも構造としてシンプルというか、動物の分かりやすい形態を示してくれているなと思います。


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今回は、脳とか神経系の解剖画はしませんでしたが、色々なサイトを見ていると、授業で魚を使って体験させているとことが結構あるようです。

切り身でスーパーで買うよりも、釣ったり魚屋さんで1匹そのままの形で買ってきたりして、自分で処理してという手間が、生き物への感謝や同じ脊柱動物としての人間への関心など、とてもいい教材だなと思いました。

子ども達にもぜひ伝えていきたいです。

ちなみにニジマスは鮭の仲間ですが、お肉の色はピンクですね。これは白身?赤身?どっちかわかりづらいですね。

答えは白身です。鮭のピンクはアスタキサンチンという色素で、鯛の赤さや、甲殻類を茹でると赤くなるのもそのせいですね。

赤身の原因であるヘモグロビンではないんですね。

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はじめてにしては綺麗にできました。

フライや塩麹漬など色々な味付けで美味しく頂きました。

さぁまた釣るぞ!

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【参考&オススメ】

東京海洋大学海洋科学部の羽曽部正豪先生のニジマスを使った解剖学実習は凄く参考になります。

干物通販おいで屋さんのサイトでは、鮭のピンク色は赤身か白身か分かりやすく季節してあります。


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