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【変えたい常識シリーズ】正しい姿勢で顎を引いてはいけない4つの理由

正しい姿勢を語るときに、よく専門家の方が言われるのが「顎を引く」ということです。
先日、ある講座で、僕が「顎は引かずに遠くを見るようにしましょう」とお伝えしたところ、参加者の方から「姿勢の講座にいくつか出てますが、どの方も顎を引けと言われるんです。先生は真逆ですね。」と質問されました。

そこでお答えした内容ですが、あまりにも常識が間違っているので、その理由をできるだけ多くの方に知って欲しいので、ここで解説します。

顎を引くことの弊害

  • 1)顎関節の視点

顎関節からすると、顎を引くというのは、噛み締めを意味します。
噛み締めはTCH(上下歯列接触癖)という異常な状態を惹起します。

そうすると顎関症の原因になったり、頭痛の原因になったりします。
顎は普段上下の歯列は接触してはいけません。
顎を引くと上顎が下顎に向かって下がるために、噛んでしまうのです。

噛まない位置が頭部としては正常な位置であり、それは多くの方にとっては顎を逆に少し上げた位置、つまり遠くを見た位置になります。

  • 2)視覚の視点

視覚の視点からも検討します。
視野は広い方が危険察知には有利ですし、視野狭窄は疲れ目、近視の原因になります。

顎を引くという動作は視線としてはやや下になります。
下を向くことはとにかく体に良くありません。
今回の内容と関連することも多いので以前解説した記事を参考に載せておきます。

下を向くと上の視野が狭くなります。
現代は下を向くことが多いため、違和感を感じづらいかも知れませんが、遠くを見たり、上を見ることが姿勢としては抗重力筋が働きいい姿勢になります。

上の視野が狭くなることは避けるべき習慣です。

  • 3)頚椎の視点

ストレートネックは最近流行っているネーミングですね。
これは結局顎を引いているから起こる現象です。
ストレートネックという病気ではありません。

こちらも、記事を以前書いているのでリンク貼っておきます。

頚椎は本来自然な前弯カーブをなしていますが、顎を引くと頚椎は屈曲という動きになるために、この前弯がなくなってしまいます。
カーブがないということは頚椎の重力ストレスに対する干渉作用が低下することにつながるために、結果肩こりや頚椎の負担による変形、ヘルニアなどに繋がってしまいます。

顎を引いてはいけません。

  • 4)美容の視点

首にシワは老化のサインですよね。
しかし、最近は若い人でも首にシワがある人がたくさんいます。

それは顎を引いているからです。
関節のニュートラルではシワはできません。
首にシワがない状態を作ると、自然と顎が上がる感じがすると思います。
シワで自分が顎を引いているのか、正常なニュートラルなのか判断できます。

鏡の前で自分の首のシワを見てみるといいでしょう。

まとめ

4つの視点で顎を引くことがいけない理由を解説しました。
これだけいけない理由があっても顎を引くことがいい姿勢だと思いますか?

噛み締めて、視野は狭くなり、ストレートネックになって首はシワだらけ、、、。
顎を引くことを勧めている専門家にあったら、その方に何が理由なのかを聞いてみて下さい。

納得いく理由を解説してもらえるのであればいいですが、おそらく説明できないでしょう。
関節のニュートラルや咬合などの知識がなければ解説できないのです。

世の中には間違った情報に溢れています。
大切なのは、多面的な分野から見ても矛盾のないことです。
遠くを見て進化してきたヒトにとって、近くを見るとか下を向くことは姿勢の崩壊を意味します。

まだまだ啓蒙が必要です。
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