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ヒトとして、ウォーキングは重要なんです

【人にとって歩くとは】

青山ハッピー研究所の調査によると、日々運動をしているという人の運動の第一位は「ウォーキング」です。

道具がいらずに手軽にできて、お金もかからない。まさに一番行いやすい運動ですね。

歩く環境といえば河川敷もあるし、公園もある。通勤で歩くという手もあるでしょう。運動習慣ですから、習慣にならないといけないので、必要性という面でもウォーキングは一位になりますよね。

さて、歩くということを障害予防の面から考察してみたいと思います。

ヒトにとって歩くとはどういうことなんでしょうか?

ここで唐突に質問です、哺乳類の中でヒトとしての特徴はなんでしょう。

  ・ものを考えることができる動物
  ・創造することが出来る動物
  ・話すことが出来る動物
  ・自分という概念を持っている動物  など

たくさん出てきますね。僕は更に、生物学的な視点でこう特徴をあげたいと思います。

魚が泳ぐように、鳥が飛ぶように、ヒトは直立し歩く動物である

「人は考える葦である」と言ったのはパスカルですが、僕は生物のロコモーション(移動)という観点で直立二足歩行を強調したいと思います。

ロコモーションは単に移動様式を表すだけではありません、泳げなくなった魚は「死」を意味します。飛べなくなった鳥も同じです。

つまり、ロコモーションは動物にとって「生きる」ということそのものであり、ヒトにとっても歩くということは生きることと同じくらい重要であり、大切な行為なのです。


【「歩ける」と「正しく歩ける」は違う】

歩くことは先天的、後天的な障害がない方にとっては至極当然な行為かもしれません。歩くことは誰からも習わずに自然に発達の中でできたことだし、自分は正常に歩いていると皆思っているでしょう。

でも、習わないからこそ正常から逸脱していても誰も指摘してはくれないんです。ある意味、異常に気づくことが難しい環境なんです。

歩きにはとても多くのバリエーションがあります。

浴衣での歩き方と、洋服の歩き方は違うでしょう。靴によっても異なります。ハイヒールと裸足は違いますし、靴のソールの硬さによっても変わってきます。

医学的にみてもある意味、正常歩行の定義というのはとても難しいことなんです。だから、大まかにみて以下のことができていればホモ・サピエンス(生物学的な視点)として正常と判断しています。

  ・踵から着地している
  ・腕が振れている
  ・姿勢がまっすぐである
  ・長距離歩いても疲れない
  ・体が左右に大きくぶれない
  ・踵が上がって蹴れている
  ・左右差が少ない

なんだ別に普通のことじゃないかと思った方も多いと思いますが、でも実はこれ多くの方ができていない項目なんです。

ビデオで動画を撮って、スロー再生したり、途中で止めて左右の脚の違いを確認したりすると、ほとんどの方が上記の項目のどれかが異常になっています。

僕からすると正常歩行の人の方が、異常な人よりも少ないです。(※だから、だいたい歩行に関する論文に関しては過大評価や信用はあまりしていません。異常な人を集めて平均値などを取って解釈しているからです。)

腰痛は人生で8割の方が経験します。五十肩も多いですね。変形性関節症もとっても多いです。でもその方々は、自分は正常だと思って長年症状が出るまで生活をしていたわけです。もちろん自分の歩きは正常だと思って、、、。

ですから、歩きは気づかないうちに様々な運動器を中心とした障害の下地になっているのです。

そういう意味で、正しい歩き方を確認してもらい、修正することの意義はとても大きいです。


【身近にある歩きの相談所】

僕は「UPRIGHT」というピラティスのスタジオを八王子で運営しています。そこでは、初回アセスメントという名前で歩き方をチェックしています。

2020:1:16腰痛:仕事姿勢前捻角40強

先ほど解説したような動画の確認や、テーピングでの確認、場合によっては脚の長さも確認します。

基本的に全身の骨格を確認して、最終的な歩行との関連性を見て障害発生を予防またはすでに出ている障害の改善方法を指導しています。

大切なことは、多くの障害の兆候は全て歩行に出ているということです。歩きをみればだいたいその人がどこに痛みが出て、張りやコリなどがでてくるかが推測できます。

まだまだ認知度は少ないですが、身近にある歩きの相談所としてUPRIGHTを広げていこうと思っています。

自分の歩きが気になる方は、もちろんUPRGHTにお越しいただいてもいいですが、スマホなどで歩きを撮って、客観的な自分の目で確認して見て下さい。

確認するときの視点の参考は上記で挙げた項目です。

スロー再生や途中で止めたりして、繰り返し見ることでだんだん特徴が見えてくると思います。

また、動画観察には様々な方の歩き方と比較することで異常が見えるようになります。できれば自分以外の方の歩き方も観察しましょう。僕ら専門家は、何千という経験値がありそこと照らし合わせています。

ぜひ一度、自分の歩きに気を止めてみて下さい。

身近な方の歩きが気になったらUPRIGHTを紹介して下さい。


【ウォーキングメソッド】

正しい歩き方を啓蒙するために、ウォーキングメソッドも考案しています。

ヒトは進化して直立二足歩行という適応方法に落ち着いたわけですが、その進化の過程を意識したウォーキングメソッド、その名も「エボリューションウォーキング」です。

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特に胸郭の回旋に焦点を絞っていますが、もちろん股関節や足に対するエクササイズも作ってあります。

養成コースも行なっていますのでご興味がある方はチェックしてみて下さい。歩くとはどういうことか?歩くために必要な筋力や可動性など、歩きに関する一般的な情報も盛り沢山です。

現代社会のゆがんだ生活週間の中で、どんどん歩き方が崩れていっています。歩きを整えることで、体も心もヒト本来の元気な状態になっていきます。

「たかが歩き、されど歩き」、ヒトとしての歩きの重要性を忘れずに歩くことを楽しんでほしいと思います。


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