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メルボルンへのドタバタ引っ越し記【修羅場の荷出し編】

夫の仕事で日本からオーストラリアのメルボルンへ引っ越した。
折角の機会なので、出来事や気づき、感情などその時にしか感じられないことを記録に残そう思う。

まずは出発前のことについて振り返っていく。

大まかなスケジュールは以下の通りだった。
①事前に荷物の仕分け
②荷物の運び出し&電気やガスの停止立ち合い→ホテル宿泊(出発前日)
③退去の立ち会い(出発当日の朝)
④夜の便で出発

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私は昔から海外志向は強くなく、海外への引越しなんて初めての経験だ。しかも生まれつきの計画性の無さ。漠然とした不安しかなかった。

夫は海外への留学経験があり、頼りになる。と思いきや、彼は私よりももっと計画性がない。よく夫婦というのは弱点を補い合うと言われるが、我々は弱点を強め合うスタイルである。

とはいうものの、梱包は引越し業者さんがやってくれることになっていた。つまり、私たちは手で持っていくものや郵送するもの、実家に送るものを仕分けすれば良いのである。これは本当に助かったし、お金を出してくれた会社に感謝しかない。

それに加え、私はモノが少ないタイプなので、意外と順調に自分の分の荷物整理は終わった。しかし夫は案の定ギリギリまで自分の荷物を整理しなかったので、運び出しの2日前くらいから寝ずに作業していた。

ただ、運び出し前日は私にとっても地獄だった。色々やっていたはずなのに、やることがどんどん出てきて終わる気がしなくなってくる。もう今日は完徹かな…と思っていたところ、夫が「あとは俺がやっとくから、寝て!」と言ってくれた。

正直、促しても一向に引越しの準備を進めない夫にモヤモヤもあったが、その一言で帳消しになった。夫のその言葉をありがたく信じて、4時くらいに作業をやめて少し寝ることにした。

荷物の運び出し当日。作業は朝の9時からの予定だ。

ありがたいことに、夫は本当に色々こなしてくれたようだった。それでも、朝方に少しだけ仮眠できたらしいので良かった。

睡眠時間が惜しくて、業者の方が遅れてきてくれないかな、などと邪なことを考えてしまったが、業者の方は時間ぴったりに来てくれた。

作業員の方は5人で、テキパキと作業をこなしてくれた。本当に早かったし、梱包も驚くほど丁寧だった。判断に迷うことがあったら「これはどうしますか?」と聞いてくれるので、安心してお任せできる。

私たちはすることがなく、作業の終わった部屋の隅で座っていた。
そしてしばらくすると寝不足の夫は寝息を立てて寝始めた。

そのタイミングで作業員の方が「これどうします?」と何かを確認にこちらに来た。すると夫が寝ていることに気づき、ちょっと笑いながら声を小さくしてくれた。

しかしびっくり。確認に対して私が「あ、それは…」と答えようとした時、夫があたかも起きていたかのように「それはここにお願いします」とハキハキ答えたのだ。しかも答え終わった1秒後にはまた寝息を立てて寝ているのだから恐ろしい。

その後も私が入る間もなく

夫「スースー(寝息)」
作業員さん「これはこんな感じでいいですか?」
夫「はい、それで大丈夫です!…スースー」
というやりとりが何度もあった。

夫との付き合いは友達時代も入れて10年ほどになるが、こんな特技があったとは。いやはや、まだまだ底の知れない男である。

さらに作業中、怖いことが判明した。
なんと、夫がメインで使用するキャリーケースのタイヤが壊れていたのである。(キャリーケースは郵送せずに手で持っていく。)

夫に問うと、「あれ、そういえば前回使った時に壊れたかも」とあまりにものんびりした返答が来て気が抜けてしまった。明日出発なので修理は間に合わない。詰めてあった荷物を出し、キャリーケースは泣く泣く処分することにした。

運び出し作業が全て完了してから、流れるようなスピードでキャリーケースを買いに行った。まったく、出発前日とは思えない。運び出しの作業が夕方には終わっていて、時間に余裕があったのがせめてもの救いだった。

こんな緊迫した状況の中、どのキャリーケースにするか迷い、すっかり夜になってしまったものの、無事にキャリーケースを手に入れることができた。

ちなみに新しいキャリーケースはコールマンのかっこいいやつを購入した。消耗品じゃないものは、どうせなら「使い続けたい」と思えるものが良いというのが我が家のポリシーだ。

思いがけずかっこいいキャリーケースが手に入り、二人ともホクホクで家に戻る(そんな場合ではない)。そしてここでまた問題が発生した。

前のキャリーケースより小さかったのか、荷物が入り切らないのだ。

私のも含め、全てのキャリーケースを整理し直し、圧縮袋の使い方を工夫してみる。家の電気は先ほど止めてしまったため、真っ暗な中での作業である。

夫もかなり極限状態だったようで、圧縮袋を圧縮する作業中、体重をかける度に寝てしまうのだ。私も私であまりの状況でハイになり、その姿を見てやたら笑っていた。なんかもう全てカオスである。

その後、なんとか荷物を詰め終わり、前泊のホテルに到着。時刻は夜の11時すぎだ。翌日の空港に向かう前に、退去の立ち会いがあったため、家の近くにとっておいたホテルだ。へとへとだったので、近くて助かった…。

本当は出発当日のことも書こうと思っていたのだが、この調子だと長くなりそうなので、次回に持ち越そうと思う。

”駐在員”とか”駐在妻”と聞くと、スマートな旦那さんと優雅な奥様をイメージされる方もいるかと思うが、こんなドタバタしている夫婦もいるんだということを記して今回は終わりにしようと思う。

最後まで読んでくださった方がいたら、ありがとうございました。





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