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女性の身体をもつ僕が、愛する女性とフォトウェディングを挙げた時のはなし。

こんな時代だからこそ、好きな人のウェディングドレスやタキシード姿が見たい。
感染対策は必須の上で、今後(落ち着いてきたころとか)フォトウェディングを挙げたいなと思っている当事者の方の参考になればと思い、僕がパートナーとフォトウェディングをした際のことを書いてみようと思います。

※感染対策は式場やハウススタジオ毎に異なると思いますので、ご利用されるそれぞれにご確認いただければと思います。

 

遡ること、4年と少し。2016年9月25日。
僕は愛する人とフォトウェディングを挙げました。
僕の身体の性は女性、パートナーは心身ともに女性です。
そんな僕たちがフォトウェディングを挙げた時のお話しです。

 

 

きっかけ

きっかけは前年の晩秋。
僕がお世話になった先輩の結婚式にお呼ばれしたことでした。

大切な先輩の晴れ姿においおい泣きながら大感動。帰り道には、
「彼女のウェディングドレスも見てええええええ!!!」
と思い、これはフォトでもいいからウェディングやっちゃおうとひとりで心に決めた。

当時彼女とは同棲を始めたばかり。
帰って直ぐに「フォトウェディングをやろう」と彼女に伝えました。

後に発覚しますが、これがプロポーズの言葉になってしまいまして……(つまりちゃんとプロポーズしてない)

実は「結婚してください!」みたいなやりとり、僕らの間に一切無かったんですよね。
ここだけちょっと後悔してます汗
一緒に住む=事実婚みたいなものと勝手に思っていたこともあり、断られるなんて微塵も考えてませんでしたので……これ、自分が男性だったら叩かれていそうですね。

幸いにもプロポーズらしいプロポーズ無くして、嫁さんはOKを出してくれました。優しい。

急いでは無かったので、翌年2016年の彼女の誕生日付近にしようと日にちだけ決め、諸々の相談は年明けにしていくことに。

 

 

式場選びの相談

年明け。
式場選びをするにあたって、「LGBT フォトウェディング」と検索すると「novianovia wedding」というページに出会いました。

もしウェディングを夢見ながらも、同性同士だからという理由でなかなか前に進めないなら、novia novia weddingにお問い合わせください。
novia novia weddingは、おふたりのご希望の場所、人数、衣装、スタイルが叶うLGBTウェルカムな会場をご紹介いたします。

正直異性愛者同士のように直接式場に足を運んだり見学会に参加したり…というのは、ハードルが高く感じていました。
だって周りは異性のカップルばかりの中に、ふたりで飛び込んで視線を浴びるようなことになったら、耐えられる気がしません。
そもそもで結婚したことがないから勝手なんてわからないし不安は多少なりともある。
加えて断られるかもしれないとなれば、いざやるぞと決めても戸惑ってしまいますよね。
少なくとも僕はそうでした。

いったんこちらに相談して、断られなさそうな式場を紹介してもらう作戦に。

 

メールで連絡をすると、メールだけの紹介も可能だけど代々木にあるショップでの面談も出来るとのこと。
(コロナ禍前の2016年のことです)
どうせなら、とショップで面談をしてもらうことに。

駅からしばらく歩いたところにある路面店にそのショップはありました。

入ると可愛い看板犬がお出迎え。
緊張しながら席に通されると、当時の担当の方が現れました。
にこやかに迎え入れてくれ、和やかな雰囲気でヒアリングはスタート。

どういうフォトウェディングが希望なのか。
チャペル?ハウススタジオ?
予算はどれくらい?
など簡単なカウンセリングをしながら、今までnovianoviaを利用した方たちの事例なんかも併せて伺えた。
特に過去の事例は聞いていてとても前向きな気持ちになれました。他のカップルも無事出来たなら、自分たちも大丈夫かもしれないと、自分たちのフォトウェディングのことも楽しみに。

 

僕たちの希望はこんな感じ。

本物のチャペルで撮りたい
衣装はドレス&タキシード、ドレス&ドレスの2パターン
予算は正直あんまりないけど、都内近郊がいい。

ハウススタジオでも良かったのですが、どうせなら本物のチャペルで本格的にやりたい!
チャペルで彼女のウェディングドレスが見たい!!!

ドレス&タキシードパターン以外にドレス&ドレスパターンを希望したのは、正直僕の両親に見せることを考えた時に「ドレス着てほしかった」と言われないように!という保険。
普段メンズを愛用してはいるものの、「七五三みたいなものと思えばいいか」くらいで全く着たくないわけではなかったし。自分のドレスは正直仮装やコスプレの感覚だったかもしれない。タキシードの方が着たかったので。
それでももう一生着ることないだろうから着とくか!と思えたので希望しました。
予算は同棲を初めてすぐでお互い貯金が減ってたのと、これを機に結婚指輪を、折半でなく自分が彼女に買いたかったから出来るだけ抑えたい。
会社にはカムアウトする前だったから、日曜にやるとなった時は翌日は普通に出勤しなければならないので、生活拠点の都内が近い方がいい。

そんな理由です。

 

ひと通り話すと、式場などを提案してくれました。その中に低コストで挙式が出来、フォトウェディングでの利用も可能な「小さな結婚式」があったのです。

予算もかなり抑えめで、都内近郊にも複数式場がある。
スタンダードなプランでこのくらいの価格なら、ドレス&ドレスパターンとかオプションつけたり衣装で価格アップしても予算内に収まりそう。

LGBTウェディングの実績もあるから安心して相談できますよ、とのこと。

他にも提案されたけれど、ここが一番希望に沿っていたのでこのグループのいずれかの式場にすることにした。

 

 

式場に相談だ!

「小さな結婚式」のホームページを見て、横浜と表参道が良いなと狙いを定めた。どちらもデートで何度も足を運んだエリアだし、なんとなく地名としてのブランド感にも惹かれた。

横浜、表参道の両方に見学を依頼し実際に足を運んでどちらともで感じたのは、異性カップルと同じように扱ってくれているということ。

店舗に入った瞬間から、やりたいプランなどを相談している間、相談を終えて外へ出るまでひとつも嫌な思いをしなかった。
今や当たり前なのかもしれないけれど、フォトウェディングをしようと思い立った時に感じていた「同性カップルだから」という不安は必要なかったのだと胸を撫でおろした。
とはいえそういう対応をしてくれる式場だと事前に教えてくれた、novianoviaさんにはとても感謝しています。
もし相談せずに自分で式場を探したら、どこかで嫌な思いをしたかもと思った。LGBTQにも対応してくれるとわかっていても相談に行くのは緊張したのに、そうでなかったらもっと緊張だってしていたと思う。
式場側としては、事前に同性カップルからの予約とわかっていたし、尚且つ前例があるから特段構える必要もなかったかもしれないけれど。

おかげで相談しながら、見学したチャペルに立つドレス姿の嫁さんを妄想する余裕もバッチリありましたよ!

因みに僕たちはチャペルの雰囲気が好みだった表参道に決定しました。
チャペルと、外でも
季節はもうすぐ3月になろうとしていました。

  

 

指輪の購入

式場が決まったら今度は指輪。
「給料の三ヶ月分です」とはいかないので、こちらも抑えめ。ペアで僕の給料一月分弱くらいの予算で考えていました。

Webで色々探して、北欧風や過去にプレゼントしたアクセサリーなどを購入したブランドなど6〜7店回って決めました。

結婚指輪を探している同性カップルは、事前に来店予約をすることをオススメします。僕もそうしたのですが、ホームページにはたいてい来店予約用のフォームなどがあるので、その際に同性カップルであることを伝えることができます。
僕は殆どの店舗で予約をしてから来店したので、店舗スタッフも事前に同性カップルだとわかっていたからかここでも嫌な思いはしませんでした。

デートのついでにふらっと寄るのもいいかもしれませんが、ちょっとでも自分やパートナーが不安に思っていたら、事前の予約がオススメです。

因みに僕らの指輪は4℃ブライダルで購入しました。
今はなき4℃の小物を扱うラインの「Luria 4℃」のアイテムがとても品が良く好きで、彼女にプレゼントしていたので。

https://4-bridal.jp/

気に入った指輪があったことが第一の理由ですが、担当してくださった女性スタッフの方がとても朗らかで、指輪を楽しく選べたことやその時の対応にも魅力を感じたのも選んだ理由のひとつです。

4℃ってクリスマス時期にdisられるイメージがありますが、僕は指輪を購入した時のことを思い出すといいブランドだなと思いますよ。

2016年が、ふたりで何度も通ったディズニーシーの15周年でもあったので指輪の内側の刻印には周年イベントのテーマでもあった「wish」を添えました。
「いつもお互いの幸せを願う」という意味も込めて。
あと僕がアラジン大好きなので、ジャスミンの家の家宝でもあるブルーダイヤも入れてもらいました。
刻印含めてとても気に入っています。宝物です。

当時購入者向けのキャンペーンで、4℃のティアラが無料レンタル出来たので、彼女はこのティアラを当日のドレスの際に着用しました!
これも当時ですが、リングピローもついてきてそれが可愛かったので撮影時もこれを使いました。

  

 

衣装選び

さて。お楽しみの衣装選びです。

これは異性カップルとそんなに変わらないかな?

式場でうんうん悩んで決めました。
お互い白はスタンダードなドレス、タキシードを選びました。僕は白いタキシードです。
彼女が「宝塚みたいでカッコいい!」と誉めてくれたのでこれにしました。

カラードレスはお互いが並んだ時の色合いが合うものを選びました。この後に写真を載せていきますが、色のトーンがあっていると思います!

  

 

その他の小物の準備

予算を抑える為に、小物は手作りや安いお店を駆使しました。

特にアクセサリーは卸しと製造をしている「アクセサリーの大橋」さんにお世話になりました。

都内の他、名古屋にも店舗があるみたいですね。

こちらは予約なしで行けるので気軽に見に行くことが出来ますよ。

手作りしたのは、カラードレスで付けた花冠、リストブーケ。ウェディングベアのお洋服などなど。

ウェディング用の下着は楽天で買いましたが、上のアクセサリーの大橋さんでも取り扱いがあります。

それと、タキシードに合わせた14㎝ヒールの白いブーツ。これは男性だと要らないやつですね笑
彼女との身長差をどうにか出したくて購入しました。
どのくらい差が出来たかは写真で確認してみてください笑

撮影用の小道具はminneでも探しました。
ウェディングジャンルのものが、種類豊富に出品されているので、フォトウェディングを検討している方は覗いてみるといいと思います!

 

 

親族への対応

フォトウェディングを機に、僕と彼女はそれぞれの母親にカムアウトしました。
しかしどちらもフォトウェディングの撮影を見に来ることはありませんでした。
受け止めることと、見に来ることは、必ずしも同じ意味ではないと僕は思います。少なくとも、4年以上経った今も一緒に居ることを認めてくれているので、今はそれでいいと思っています。

父には報告が出来なくて、後日カムアウトと写真を見せています。

父へのカムアウトの際はこちらの記事に書いています。

フォトウェディング当日は、彼女の従妹が立ち会ってくれました。ありがたいことに、彼女は僕のことも身内として扱ってくれています。

 

 

迎えた当日

いよいよ当日です。

撮影の順番は、最初に白のドレス&タキシード。その後にふたりでカラードレスです。

緊張しながらもメイクしてもらいました。
その際に、ふたりともディズニーが好きで、年パスも持っていることを話したのですが……

なんと撮影時のBGMは指定していなかったのにこのやり取りだけで、僕が着替えて先にチャペルに入るとディズニーソングがかかっていたのです!!!

式場の計らいに感動していると、遅れて彼女がチャペルに。

その時にタイミングよくアラジンの「A Whole New World」がかかりまして……!!!

僕ら、ディズニーの中でもアラジンが凄く好きなのでもう嬉しくて!!!
(これもメイク中の会話で選曲してくれたみたいです)

ありがとう担当してくれたプランナーさん……

目の前に現れた彼女のドレス姿のなんとかわいらしく美しいことか。音楽も相まって、涙を堪えるのに必死でした。

もしかしたら事前にリクエストも出来たのかな…?フォトウェディングでBGMを考えるって頭がなかったので、式場に確認した方がいいとは思いますがもしかしたら出来たのかも笑
もしくは出来る式場もあるかもしれないので、見学や打ち合わせの際に聞いてみるといいと思います。

カメラマンさんがダンディでユーモアのあるおじ様で、撮影中もすごく幸せでした。

白いチャペル、すごくかわいいですよね。
この写真は指輪の交換風に。
さっき書いた14㎝のヒール着用してますよ!!!!

 

外のテラスでも撮りました!!
この式場では、晴れていればこんな感じで外のテラスでも撮影が可能です。
晴れてよかった!!!!!

テラスで撮影している時、緊張しきりの僕に彼女が上目遣いで見上げてきて。「かわいい?」と聞いてきたのが可愛すぎた。
僕の今わの際には、絶対にその際の映像を走馬灯として流そうと思います。
かわいいに決まっとろうが!!!!

 

こんなムーディーなカットも撮影してくれました。

 

 

仕込んだサプライズ

僕はサプライズを考えるのが好きなので、この日ももちろんサプライズを仕込みました笑

このサプライズコーナーをやるために、式場に別途相談に行ったり、荷物でバレないように事前に持ち込んだりしてました。

 

サプライズ①、ガラスの靴。

ディズニーデートで作っていた、ふたりの名前を日付を刻印したガラスの靴を持っていて。それと同じものを、この結婚式の日付でつくりました。

シンデレラのガラスの靴は、本来ふたつで1足じゃないですか。
物語の中で1足揃う時は、ふたりが結ばれる時だと思うので、結婚式に因んで揃えたいと思い内緒で購入。

 

サプライズ②

ディズニーキャラクターのサインブック。
※わかりやすい写真がなかったのでこれだけ今撮りました笑

  

 

年パス持ちだったので、彼女の目を盗んで一人で何度もインパしてキャラクターのサインを集めました。
サインをもらう時に必ず、キャラクターに「ディズニーが大好きな婚約者へサプライズであげるの」と伝えて、キャラクターの写真も撮りました。

表紙はその時のキャラクターの写真で、裏表紙には大好きなアラジンの「A Whole New World」の歌詞、「Let me share this whole new world with you」と添えました。これからのふたりが様々なことを分かち合っていきたいという願いも込めて。

 

この他にもサプライズがあったりします笑

ちょっとサプライズしすぎでしたが、彼女も「やりすぎ!」と言いつつ喜んでくれたので成功だったかな笑

 

 

カラードレスも撮りました。
オレンジが彼女、薄いグリーンが僕です。

手作りしたリストブーケ。もっと大ぶりでもよかったかなぁ~!
手作りする方は思いの外大きく作った方がいいです。ドレスがどうしたって派手なので、小さく見えます!

ドレスの色合いも合わせたので、ふたりのリストブーケと花冠は色違いになっています。

 

わが家のシェリーメイちゃんとユニベアのアプリコットちゃん。
衣装とブーケは手作りしました。

カメラマンのおじ様が、この子たちを「お嬢さん方」と呼んでくれたのが凄く嬉しかったです!

 

当日の小物たち。
パークで愛用していたお互いのカメラも持って行ったので、ドレスで撮り合いもして楽しかったです。
やってよかった。

 

 

さいごに

僕らのフォトウェディングについてはnovianoviaさんのウェディングレポートにも寄せさせてもらっています。

4 年経った今でも、本当にやって良かったと思っています。
彼女のウェディングドレスを見ることが出来たことや、宝物でお守りの結婚指輪を買ったことはもちろんですが、指輪を買う際もフォトウェディングの準備から撮影当日も全部、「これから夫婦になるふたり」として同性同士とか関係なく扱ってくれたことがすごく自信になりました。

こんなご時世で大変だと思います。
しかしこういう時だからこそ、人を集めなければいけない結婚式が難しい場合や、ふたりだけで実現できるフォトウェディングはおすすめです。
もちろん、感染対策は万全にするべきですが。
落ち着いてきたころになんて考えると、この状況を乗り切っていく糧のひとつになるんじゃないでしょうか。

 

少しでも、大切な人との結婚式やフォトウェディングを考えている人の参考になったら幸いです。

 

 

 

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