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サッカー少年の海外遠征 〜ノルウェーからデンマークへ〜

長男はサッカー大好き中学生。
ノルウェーのローカルサッカークラブで練習しています。

彼が通うインター校は長期間継続する部活動がありません。なので、ひとつのスポーツに腰を据えて取り組むには、地域のスポーツクラブに入り、ご近所のノルウェー人たちに混じって練習をします。

ローカルクラブの夏のハイライトは、毎年デンマークで開催される国際トーナメント。初めてサッカーの国際イベントに参加した長男も、応援に行った私たちも、たくさんの発見がありました。

県大会的なノリの国際大会。

国際大会というとなんだか凄そうですが、希望するチームはほぼ参加できるオープンなイベントです。長男のサッカークラブもいたって平均レベルのローカルクラブ。

彼らにとっては、国際トーナメントといえども、腕試しに少し遠出して試合に行く感覚のようです。県大会のようなノリで国際大会があるのは、国が隣接するヨーロッパならではでしょうか。

彼らが参加したのは、Dana Cup というサッカートーナメントで、デンマーク最北端の小さな町 Hjørring で毎年開催されます。

デンマーク最北、スカンジナビア半島側にある開催地

ヨーロッパでも有数のサッカーユース大会で、45ヶ国から1000チーム、2万人の選手が参加します。とはいえこの時期、同様のトーナメントはノルウェーのオスロやスウェーデンなど、ヨーロッパ各地で開催されるようです。

参加国の国旗が並びます

驚いたのは、参加チームの約70%がノルウェーだったこと。残り30%が、地元デンマークや他のヨーロッパ諸国、数は少ないですが、北米、南米、アフリカ、中東のチームもあるし、アジアからはマレーシアやモンゴルの名前がありました。
ノルウェーのチームがなぜそんなに多いのか、国内でやってるオスロのトーナメントに参加すればいいのでは、と思ってしまいます。

想像ですが、ノルウェーのチームにとっては、海外遠征に行くことに一番の意味があるのかもしれません。
国外で海外チームと試合をすることで視点がぐっと広がり、グローバルで戦う感覚を養えそうです。コーチやチームメイトと国を超えて移動し、1週間共に過ごすことによって得るものも大きいはず。

多少費用がかかるし心配もあるけど、若いうちから海外遠征させよ、的なマインドがありそうです。

サッカー大会における女子の存在感

今は変わっているかもしれませんが、私の世代ではサッカーというと男子のスポーツでした。部活動で女子サッカーのある学校はほとんどなく、自分がサッカーをする、という選択肢すら頭に上がりませんでした。

Dana Cup を見ていると、世界の常識は違うのだと思い知らされます。
参加者の半分は女子。少数派では全くなく、女子の存在感が大きいイベントでした。サッカーが女子のメジャーなスポーツのひとつになっていることがわかります。

参加の半分を占める女子チーム

ヨーロッパのサッカー女子たち、長い髪を前髪ひっくるめて全部ひとつに束ねて、きゅっとポニーテールした姿の凛々しくて爽やかなこと。そして本気でプレーする姿は男女変わりなく真剣そのもので格好いい。自分も学生だったら血気盛んにプレーしてみたかったな、と思ってしまいます。

女子ワールドカップサッカー大会が今まさ開催されていますが、日本なでしこチームの活躍も見応えあったし、すごく面白い。(ノルウェー vs 日本の試合は複雑な気持ちで観戦しましたが)
なでしこチームの緻密で正確でひたむきな戦い方に感動して勇気づけられた女子は多いと思うし、日本でも女子サッカーの競技人口が増えそうで楽しみです。

女子のプレーも真剣そのもの

いろいろ驚き。サッカー合宿の様子

長男のサッカークラブの合宿所は、地元のローカル学校の校舎でした。12歳から19歳まで、学年ごとに男女のチームがあるので100人以上の大所帯。男子も女子も、コーチも、みんな同じ校舎に寝泊まりです(保護者は別)。キャンプよりましだけど、ホテルほど快適でもないスポーツ合宿。

今回初めて知ったのがエアマットレス。合宿は、寝袋だけでなくエアマットレスが必須でした。空気を入れて膨らませると快適そうなクッションのベッドが出来上がるし、普通のマットレスよりずっとコンパクトで軽くて便利。

大変そうだったのがシャワーと洗濯です。臨時設置のシャワーを大人数が一気に使うので、お湯というより水だったそう。イベント期間は雨が多く肌寒かったので、水シャワーは辛かったはず。

男子部屋に足を踏み入れると、雨と汗で濡れた衣類から漂う匂いが充満していました。洗濯物が乾かないので生乾きの靴下を履いて、さらに臭くなり。。

立派なエアマットレスとカオスな男子部屋
なかなか乾かない物干し部屋

そんな環境ですが、一緒に過ごす中でチームメイトとの距離が縮まったり、学年の違う先輩後輩と仲良くなったり、本人たちは濃くて楽しい時間を過ごしたようです。

トーナメントの開催地はデンマークの小さな田舎町ですが、イベント期間は若者で溢れ、活気づきます。
中心部には広いサッカー場がいくつも準備され、選手たちは歩いて移動します。ポータブルスピーカーを持参し、大音量で音楽を鳴らしながら歩くチームがあったり、派手な被り物をして目立つ子もちらほら。まるでお祭り。

大きなスピーカーをかついで大音量と共に歩く選手の姿

開会式はライブイベント並みに盛り上がり、選手同士で交流もあった様子です。メキシコ男子チームの試合にノルウェー女子チームが応援に来ていたり。ゴールした男子は手で大きくハートマークを作って女子にしっかりアピールしていました。(中学生だけどさすがラテンのノリ)

エネルギーを持て余したティーンエイジャーたち、ハメを外しすぎて怒られることも多々あったようです。でも、フィールドでは白熱した試合があちこちで見られ、試合の勝敗に涙する選手たちも。

合宿後にモチベーションがさらにあがった様子の長男、彼にとって海外遠征の1週間が貴重な経験となったことは間違いないようです。

試合に負けて涙の円陣



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