見出し画像

子供が主体?インター校のカンファレンス(学習報告会)って何?

ノルウェーのインター校に通う中学2年生の長男。(Grade7)
通い始めて約2か月。お友達もできて、自然体験合宿なんかもあって、今のところとても楽しそう。

ですが、宿題が少ないせいか、家で勉強することがめっきり少なくなっているのがやや気がかり。机に向かって問題を解く時間が勉強だという価値観が古いのは理解はしているけど、やっぱりどこか心配。

そんな中、学期が変わるタイミングということで、学校から Conference の案内が届きました。学期末のとても大事なイベントだから、どの親も必ず出席してほしい、と。Conference というと「会議」ですが、ここの学校では「親子学習報告会イベント」的な意味合いのようです。

カンファレンス とは何ぞや

案内を読んでみると、Conference は授業参観でもなく、三者面談でもない。子供が親とペアを組んで、教科ごとの学習成果を報告するイベント、という感じでしょうか。

イベントは2日間で、通常の授業はありません。教科ごとに20分単位で日時を予約し、その時間帯に子供と親が一緒に学校に出向く形です。

学校では子供と一緒に各教科の教室をまわり、今どんな勉強しているのか、何を学んだのか、自分の良かった点と出来なかった点、そして次学期の課題やチャレンジについて "子供から" 親が報告を受けるのです。

先生はその教室にいて、生徒たちが親に説明している姿を観察したり、必要あれば手助けしたり、先生からのフィードバックを伝えたり、生徒や親からの質問あれば答えていく、という形式。あくまで子供に主導権を取らせ、サポートとしてちょっと顔を出すという感じでしょうか。私たちと同じテーブルにつく先生もいれば、教室のなかをうろうろしてる先生もいるし、はしっこに座ってるだけの先生もいます。

今回、報告を受けることにしたのは、英語・社会・数学・理科・フランス語・語学サポートのクラス。初日の数時間にぎゅっと詰め込みました。

子供は準備がなかなか大変なようですし、親も平日に数時間確保する必要がありますが、今回体験してみて、いろいろメリットがある仕組みだと思いました。以下、思いつくままに挙げてみます。

カンファレンスのメリット

  • 子供の学習主体性が育つ。 
    学期末ごとに親に発表しないといけないので、学んだことを説明できるくらいにはなっておかないと、というプレッシャーが持てる。中途半端な理解だと人にうまく説明できないことが、長男は今回きっとわかったはず。

  • プレゼン能力が育つ。 
    報告がわかりにくいと、親からつっこみが入る。でも、心理的安全性はあるので、追い込まれることはない。
    今回は初めてで、よくわからないまま聞いていたのですが、次回からは親として、容赦なく質問とつっこみと応援を入れていきたいと思いました。

  • 将来も使える振り返りサイクル。
    どの教科でも、その学期でできたこと、できなかったこと、次学期の課題が必ず入っている構造、何かに似ていると思ったら、私たちが仕事でやっているReflection(振り返り)の会議や目標設定と同じ。中学生の頃から慣れておくのは将来役立ちそう。

  • 先生を知る。 
    教科ごと、何がどのように教えられているかがわかるので、その先生の授業の作り方や取り組みを知ることができます。報告の枠組みも、それぞれの先生がある程度自由に決めているようなので、きっちりした真面目タイプなのか、創造的なユニークタイプなのか、いろんな個性が見えます。また、実際にその場で先生と会って話せるので、今後のコミュニケーションに役立ちそうです。

  • 親が学ぶ。 
    私のように違う国の教育システムで学んだ親にとっては、異国で、違うシステムのもとで、学校教育がどのように行われているのかは謎だらけ。
    家で息子に「どんな勉強してるの?」と聞いたところで、そっけない返事が返ってくるだけ。宿題してるところを覗くと隠されるし。
    そんな状況なので、このConference システムはとてもありがたい。
    さらに、教科の勉強(復習?)にもなります。数学の平方根とかすっかり忘れてたし、サイエンスで雲がどのようにできるか実験を見せてくれたのは単純に面白かったし。

親子カンファレンスでの学び

それぞれの教科で話を聞いていると、頑張っているらしいこと、今までやったことがない取り組みにチャレンジしていることがわかりました。面白そうな授業があったり、うらやましいなぁと感じることも。

一方で、昔からの課題が克服できていない様子や、以前はできていたけどできていないこと、学校ではカバーされない分野なども見えてきた気がします。

勝手がわからなくて、親も子もとまどった最初の 親子カンファレンス でしたが、次回は親としても、子供や先生にもっと質問ぶつけたり、課題を伝えたり、もっと一緒に取り組む感を持って参加してみたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?