【中小企業診断士 / 初学者向け】勉強の効率性・セルフチェック

資格試験全般における勉強の効率性を、セルフチェック!
陥りがちな勉強あるあるを12個厳選しました


①教科書をメインに勉強し、過去問は一通り理解したあとに解く


→教科書は辞書的存在。重要なこともマニアックなことも並列に掲載されているため、ある程度理解をしたら、すぐに該当箇所の過去問を解き、試験で問われた『切り口』を知ることが大事。過去問をベースに教科書を行き来するのが資格試験の王道。予備校にお金を払う理由の1つがコレ。頻出論点や切り口を知りながら勉強することで効率をあげることが可能。

②とりあえず重要そうなところに、マーカーをひいている


→マーカーをひくことは良いが、習熟度が上がるにつれ、『自分にとって大事なこと』、つまり線を引くべき箇所は変化するはずである。
忘れがちな論点やいつも間違える用語など、色を変えて引き直すことが大切。自分にとっての最新情報が反映されていないと、復習に時間がかかる

③復習とは今までやってきた問題を一通り解きなおすことだ

→プロセス込みで正解した問題は、本番で間違える可能性がかなり低いので解きなおす必要はない。つまり、過去問を全問解くのは初回だけで、2回目以降は正解へのプロセスが曖昧な問題と間違えた問題のみを解いていく。ゆえに、復習の効率はどんどん上がり、直前期は複数科目を回せるようになる
なお、正解だと思っていて間違っていた場合は、本番も同じ間違いをする可能性が高いので、要因分析と対策が必要となる

④とりあえず予備校のスケジュール、カリキュラムにそってやっている

→それ自体大きな問題はないが、長丁場の場合、自分でマイルストーンを設定する必要がある。半年に一度よりも、1か月に1度、数週間に一度など、ある程度集中が続く期間で設定する。
一般的に長丁場になると、勉強すること自体が目的になりやすく、モチベーションを保つことも難しい。科目単位・月単位など節目ごとに目標を立てることで週単位・日単位にやるべきこととレベル感が明確になり、勉強のスケジュールが立てやすくなる。

⑤記憶は、音声教材など耳に頼っている

→移動中など隙間時間の活用には適しているが、耳から記憶を定着させる適性のある人は、1割程度と言われている。メインの記憶作業は書く、声に出す、図解して視覚で覚える、過去問など問題と紐づけて覚える、ゴロで覚えるなど。組み合わせて行ったほうが効率が良いことが多い

⑥授業動画を何度も聞きなおす

→まず動画は基本的に標準スピードでみてはいけない(再生速度を上げられるのがライブにはない動画のメリット)。また音声だと記憶に残りにくいので、一度理解したら、わざわざ何度も繰り返す必要はなく、さっさとアウトプット(暗記できているかチェック、過去問とく)に移行する。

⑦カラフルなノートづくりに勤しむ

→そのほうが暗記が捗り、時間も圧迫していなのであれば特段問題はない。
ただ、作るべきノートは、授業を綺麗にまとめたノートではなく、自分がやったミスと対策を整理して、未来の自分に申し送る『ミス・ノート』だ。
予備校もしくは市販の教材には『暗記用まとめ』的立ち位置のものがあることが多い(診断士なら『まとめシート』が有名)
既に暗記用としてコンパクトになとまっているものがあるのなら、自分で一から作るよりも、その本をベースにして、情報を書き足していったほうが効率がいい。

⑧SNSのライバル動向をみて焦る。睡眠を削って勉強を始める

→SNSの投稿がすべての受験生を反映しているわけではない。すごい人を見たら、まあ中にはいるよね~と思うようにする。すごいことをしている人が自慢のために投稿するんだよくらいに思っておく。
逆に自分より進捗が遅れている人をみて安心しない。SNSに投稿せず、すごく勉強している人も当然いる。いい意味で今の自分に都合良く解釈して、他人の言動で自分の心を乱さない。受験生内の順位はSNSではなく、模試で把握する。勉強方法も時間も睡眠時間も人それぞれ。情報を自分用にカスタマイズして習慣化できた人が合格する。

⑨細切れ・バラ寿司のような勉強をしている

→科目数が多いとやりがち。試験直前期は1日で複数科目を回さざるを得ないかもしれないが、基礎力をつけている時期は複数科目を同時並行で手を出さないほうがいい。未知の科目に対して、勉強時間を細切れにするほど、記憶が薄れる。全体感が掴みにくくなる。解ける、進んでいると感じづらくなる。結果的に並行して履修するより1科目を短期集中で理解していくほうが、習得時間は短くてすむケースが多い。最低でも1日、できれば数日かけて集中して進めたほうが、理解が早まり、効率がいい。
ただし、すでに仕上げた科目について、時間を決めて復習するのはOK。手短に終わるはずだし、記憶の定着にもよいため。

⑩評論家になる

→情報メタボになって、自分にカスタマイズする時間をとらない、もしくは本番までに間に合わない状態が1番まずい。特にSNSの副作用でそうなりがち。どんなテキスト、予備校に行っても受かる人は受かる。と思うようにする。受かるかどうかは基礎の抜け漏れがないか、暗記にたよって理解していないところはないか、自分のスタイルに合わないやり方をしていないか、など、人やサービスではなく、自分自身に聴診器をあてることが大事。

⑪すぐ回り道をする。戦略があるようで、割とノリで決めている

→試験中に関連性のある他試験の勉強を始める、複数試験を同時並行して合格を狙う場合、よく考えてから決めたほうがいい。あわせて、そこに合格するための戦略があるかどうかも確認したい。その科目で何点以上とる必要があり、それを達成するために手を出すことが不可欠なのであれば、やったほうがいいだろう。
そもそも習熟が思うように進まないことが、⑨の細切れ・バラ寿司が原因であるなら、さらに新しい勉強を加えることで負荷がはねあがり、効率が落ちる。また、その資格を取ったほうが合格率が跳ね上がるのであれば、予備校もそのようにアドバイスするし、合格者の大半がそうしているはずである。
もし躓いている分野があるのであれば、原因と対応策を何パーターンか考えて自分のリソースに合ったものを選ぶ、できれば自分で決断を下す前に、素直に予備校の講師や合格者など、経験豊富な第三者に相談するといいだろう

⑫なにごとも人生経験ということでOKとする

資格試験の勉強が趣味なのであれば言うことはない。
しかし、そうではない場合、計画通りに合格するにこしたことはない。資格は取ってからがスタートであり、スタートは早いほうが出会いやチャンスも増える。周囲が数年かかって合格していることを、自分が受からない逃げ口上にしてはいけない。
そして、資格勉強は実社会と比べればイージーゲーム。面倒な人間関係を考えなくてもいいし、合格のジャッジも公平な基準がある。正しく努力すれば受かる。
ただし、この正しく努力することが、絶対の正解はなく、人によって違う。自分と向き合う必要があるがために、難しい。
正しい努力ができることは、人生という限りある時間の中で、豊かに過ごしたいと願う我々にとって、大きな価値・武器になる。
大切なことには、損得もなく、コスパもタイパも関係なく、存分に時間を注ぎたい。自分の判断で、そうできること。それも自分にとっては豊さの1つだ。そのために付随するやるべきことはサクサクとこなす。
たかが資格・試験勉強、されど…である。

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