映画を見る場所 - ロンドン編
私は大きな映画館で映画を見るのが苦手だ。人もわさわさしているし、アメリカナイズされたエントランスの色と電飾に負けてしまう。
古くて小さなインディペンダントシネマが好き。劇場に一歩足を踏み入れた時から映画は始まっている。臨場感が大切。何十年経って、かなり座席の布が掠れていたり、スプリングがいかれてる座席。時折ほのかにすえた臭いが漂ってくる場内なんかも映画を鑑賞するエッセンスでもあるよなぁ。あ、ちなみにもうこんなシネマは無くなったと思うけど。90sにはまだまだそんな個性的なのも残っていたんだけどなぁ。
そこで、雰囲気のあるロンドンのシネマを紹介してみるわ。
Electric Cinema Portbello
1900sにロンドン、ノッティングヒルに作られたシネマ。二度にわたる世界大戦を生き抜き、今もなお地元ポートベローロードで、息継いている。2000sに新しいマネージメントで改装の後、革張りのアームチェア98席と2人用のソファーで、シーズンごとにリーリースされている映画、カルトや家族用の映画が上映されている。
映画はほとんど一人で行くから、座席の後ろにあるバーでブランデーでも注文してゆったりソファーに身体を沈めて映画に浸るのが良い。
Jump to dateの所で時代をクリックすればこのシネマの歴史が見えます。
Everyman Cinema, Hampstead
ロンドンへ来た頃はたまにここで観たなぁ。最近は、観たい映画をやってくれないのでちょっと足が遠のいているのだけどね、ここも気持ちよく映画が鑑賞できる場所。でも、音にこだわる人には向いていないかもなぁ。
Barbican Center - Cinema 1&2
シネマ用の劇場はメインビルディングとは離れていて、2つ箱がある。特筆するところはあまりないのだけど、上映される映画が個性的で面白い。ドキュメンターリーフィルムも時折上映されているし藝術的作品もここで観ることが出来る。
私はこの都会のオアシス、Barbican Centerが好きなのだ。コンクリート打ちっ放しの建物、迷路のような通路。2018年には、細野晴臣がギター1本で演奏し、サプライズで今は亡きYMOの二人も飛び入り参加で会場が沸きに沸いた思い出のあるコンサートホールも素晴らしい。音がね、素晴らしいのだよ、音が。機会があれば是非音楽、聴きに行って欲しいわぁ。
他にもね、2〜3あるのだけれどね、もう映画館としては機能していないくて残念なのよね。心底、さみしいわぁ。
今しみじみ感じているのだけれど、映画館体験てインスタントに気分を変えられる心のどこでもドアみたいだなぁ、って。私だけかしら?すぐ影響されちゃう性格だから?('思い出編'を読んでみて)
もう若い頃のように、「ねー聞いて〜! (泣)」と友人に電話せずとも、一人で静かに心を整える術を身につけているのだなぁ。エレガントな大人の女になったもんだわぁ。ふふふ。
追記
週末のガーディアン紙に東ロンドンに辛うじて残っている、すっげーニッチなシークレットシネマの記事が載っていた。今度ぜひそこへ行ってみたいと思う。オーナーはサイプラス出身で、もう35年以上このお店をやってるとのこと。ロンドンに住んでいるとこういうエキセントリックな人に会えるから楽しいのよね。
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