NAORI

日本、米国、ジャマイカ生活を経て英国ロンドン暮しほぼ30年。芸術家、通訳者。心地よく生…

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日本、米国、ジャマイカ生活を経て英国ロンドン暮しほぼ30年。芸術家、通訳者。心地よく生きるライフスタイル。チベット仏教哲学と瞑想。手仕事、アート等、浮世の事を書き留めます。

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花の命はみじかくて。

林芙美子記念館へ行った。彼女の生音声の録音テープを聴いた。NHKの番組出演の際の録音だった。その中の彼女の言葉を聞いていたら無性に涙が止まらなかった。庶民の中にこそ、生きている実感を感じることができる。器を大きくしても、その中に入れるものがなければ虚しいばかりである、と彼女は言う。 芙美子は片道切符でパリへ旅立った。往路360円、シベリア鉄道。不安はなかったのかと聞かれた芙美子は、「棺桶を背負って出かける人はいない。」と言い放つ。彼女は、パリから、知り合いにお金の無心をして

    • ありか、なしか。

      尾道でお好み屋さんに入った。尾道といえば、広島風お好み焼きであるのだけれども、ここには尾道焼きと言う、広島風お好み焼きに砂肝が入っている。そしておばぁちゃん、直伝のソースだ。海外生活が長い私は、キューピーマヨネーズの味に、飢えている。と、言い訳をしてマヨネーズを特別に冷蔵庫の後ろの方から出してきて貰った。そしてお好み焼きの半分だけにかけて食べさせてもらう。 尾道焼きに、マヨネーズはありか、なしか? ここの店主は、Jazzが好みらしく、インストルメンタル・ジャズが程よい音量

      • 日々の事、  -音-

        音の振動は発せられた側から、永遠に広がっていく。そこに終わりってあるのだろうか? 広がれば広がるほど他のどこかで発信された振動と混ざって全く違うものになっているのだろうな。出来るものなら私の声にGPSをつけて行方を探ってみたいものだ。 森羅万象は振動しているという。超拡大してみれば、この人差し指の小さな逆剥けだって、鼻くそだってぷりぷりと、震えているのだ。どこかの誰かの口から漏れた甘い吐息も、遠い果てで私の鼻くそのうねりと一緒になっていくのかも知れない。

        • Gen Z - 図書館の使い方

          イギリスの冬は、暗くて長い。昨今の物価高騰で暖房費節約、ケチケチモードの私。昼間、家で出来る仕事は、図書館でする事が多い。 私は、小学生の頃から図書館や本屋にいると何故か心が落ち着いた。ロンドンにある大英図書館は、私の大好きな場所の一つ。大英図書館ではイギリス、アイルランドで出版されたすべての図書が保管されていて、街の公営図書館とは違い、閲覧のみとなっている。本棚に置いてある本は一般的な参考資料なので手に取って閲覧は出来るのだけれど、蔵書を閲覧するには登録されたパスが必要にな

        花の命はみじかくて。

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          今日のため息 😮‍💨 1

          フランスパリ郊外で農民による道路封鎖の抗議が行われている。価格についてだ。“Quality has a price,” どこも同じだとは思うけど、資本主義社会において生産者の価値は押し潰されていく。食べることは大切なことなのに。現金評価をする側はいいけど、される側にはその自由はない。悲しいな。

          今日のため息 😮‍💨 1

          Power Dressing(パワー・ドレッシング)

          英国の首相(2023年9月現在)リシ・スナーク。2020年のコロナ禍でのロックダウン中に、メディアへの露出が増えた頃から、どことなく違和感が。私の触覚が、ピンと動く瞬間。 メディアの中の彼は、白いワイシャツの袖を肘まで巻き上げて、艱苦奮闘のオーラを醸し出していた。ほら、エプロンしてウロウロしているとそれだけで働き者っぽい感出しているのと似ている感じ?学生の頃、大勢で集まって鍋パーティーなどワイワイやっている際に、準備や洗い物とか手伝いもしないくせにエプロンをして男子に女子力を

          Power Dressing(パワー・ドレッシング)

          マレット -改訂版-

          先日、仕事で応急処置の一日講習を受ける事となった。想像していたよりかなりインテンスで、病・怪我人の設定状況を聞いているだけで心臓がバクバクする有様よ、小心者の私は。とほほ。終わった後どっと疲れて10歳ぐらい老け込んだ顔してるなと思ったほど。この真面目な状況下で、密かに私の心を掴んで離さなかったものがある。それは、小冊子の中で名演技を繰り広げる役者達。工事現場の足場から落下して骨折、出血している人。大火傷を負ったシェフ。 一際、私の目を引いたのは、窒息している人の場面で救助し

          マレット -改訂版-

          掲載されました。

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          脱毛インフレ

          先日バスで私の前に座っている女性のスマホに、ふと目が止まった。20代らしきその女性は慣れた手つきで、画面の女性たちに写真を右へ左へ。ははぁーん、これは出会い系アプリだなぁ。私は未だかつてやったことないけど、友人に見せてもらったことがある。彼女はどうやらゲイらしく、写真の女性たちはモデルのようなポーズで美しく収まっているではないか。画像のレベルの高さに脱帽した。いやいや、これはスマホ世代では当たり前かぁ。スマホカメラとフィルーターアプリの発展ぶりに改めて、技術革新の速さに圧倒さ

          脱毛インフレ

          浮世のうた 「声」

          浮き輪に必死にすがり付いているのね、私。 手を離しても身体は沈まないんだって事、忘れてた。 もっと自分を信頼してもいいんじゃないのかなぁ。 ぼそっと、心の声がつぶやいた。

          浮世のうた 「声」

          苦しみの向こう側

          苦しみは、100%自分を生きる為、相対的に今の自分が何に気付くべきかを、教えてくれるのかもしれないね。 その向こう側は、「自分=慈愛」への気付きに一歩近づく。

          苦しみの向こう側

          やめられない、とまらない

          Netflixは去年7月に元イングランドフットボールチームのキャプテン、ディヴィッド•ベッカムのドキュメンタリー制作を発表した。このフィルムでベッカムは、彼のOCD(強迫性障害)がフットボール選手人生そしてプライベートライフにどの様に関わってきたかを公開するらしいよ。 OCD(強迫性障害)という病状をご存知だろうか?強迫症・強迫性障害とは度を越えて繰り返される思考や行為に悩まされる。例えば、ガスの火を消しただろうかとか、家の中全てが完璧にいつも同じ方向できちんと揃えられてい

          やめられない、とまらない

          連載してます。

          ロンドンの情報を発信するwebマガジン、アブソリュートLondonで6月から連載が始まりました。 https://www.absolute-london.co.uk/people/happenings/norari/46468

          連載してます。

          ぺんぺん草大歓迎 〜No Mow May〜

          5月も半ばだというのに曇りがちで、いつまでたってもセーターが離せない、ここイギリス。お日さまが出ればそれなりに陽射しは強い。だけど風が冷たい!それなのに下着みたいな服装で街を闊歩しているイギリス人達。見ているだけで寒くなっちゃうわ。うちの野菜達も去年に比べて3−4週間は遅い気がするし。自然は正直よね。 さて、’No Mow May’ (5月は芝刈無し月間)という運動をご存知だろうか?この言葉を知っている貴方、なかなかの英国通。’No Mow May’ は2019年に英国の植

          ぺんぺん草大歓迎 〜No Mow May〜

          メンズ•カーディガン革命

          英国ではメンズ•カーディガンはリタイアしたじいさんが着ているイメージが根深く染み付いている(いた)。英国に来た当初(90年代)、この事実に驚いた。初めて日本でユニクロに行ったとき、元夫へのお土産にカシミアカーディガンを買って帰ったのだが、喜んだ様子が見えず、? そういえば、確かに日本の田舎にいた当時は学校の先生や市役所/県庁職員がよく着るアイテムかな、と。その後東京で暮らしだすと、それがそうでもない事がわかった。アイビーファッションの草分けVANを大学生や、ちょっとこじゃれた

          メンズ•カーディガン革命

          ゴスペル、キラキラ、そしてPenny

          キング・チャールズ3世 戴冠式 この数年、英国のロイヤルイベントが目白押し。5月6日はキングチャールズ三世の戴冠式が、ロンドンのウエストミンスター寺院で行われた。去年は故エリザベス二世の荘厳な葬式が繰り広がれたあの場所。見るつもりはなかったんだけど、なんとなく朝食を食べながら(デジタル)新聞を読んでいるとLiveの赤文字。そして見だしたら止まらなくなってしまったのよ。 私が話題にしたいのは、王や女王のことではなくてメディアの目をかっさらった、Penny Mordauntの

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