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【これまで②】機能性食品と行政

この記事でわかること 【一般消費者・食品事業者向け】
1. 機能性食品行政の移り変わり
2. 日本における食品の区分

1. 機能性食品の試練

 前回は、”いわゆる健康食品”が「機能性食品」となるまでについてお話ししました。

 しかしながら、現在のようなまとまった商品群となり、ビジネス的に成功するまでは紆余曲折の道のりでした。

 我が国においては、ヒトが口から摂取するものは、長い間「医薬品」と
「食品」に分類されていました。
 特に”いわゆる健康食品”が医薬品と誤認されないために、
厚生(労働)が所管の薬事法(現薬機法)によって、商品への表示やPRが厳しく規制されていました。
 そのため、昔は薬事法違反によって摘発される食品事業者は
後をたたず、よくニュースで報道されていました。

 一方、前回お話ししたように、1980年以降の学術的な研究背景をベースに、”いわゆる健康食品”の中から「機能性食品」が誕生しました。 同時にその法規制についても整備が始まり、1990年代には特定保健用食品(トクホ)保健機能食品に、機能性表示が認められるようになりました。
 また、第二次安倍内閣における規制緩和政策の一つとして、新食品表示法
2015年には機能性表示食品が認められるようになりました。
 行政の審査を経ることなく「機能性」を表示することが可能
商品群の誕生です。

ざっくり機能性食品と行政

とあっさり書いていますが、ここに到る過程には、様々な政治・行政・産業間での綱引きが繰り広げられ、今のところ現在の形に落ち着きました。

しっかり機能性食品行政の変化(年表)

2. 日本における食品と医薬品の区分

  このように法的にもさまよいながら、たどり着いたのが、
 下図のような現在の日本における食品と医薬品の区分です。

厳密には医薬品や医薬部外品の中に、「これは食品とどう違うの?」という商品も入っていますので、あくまでイメージです(詳しくはこちら)。

「栄養機能食品」「機能性表示食品」「特定保健用食品」「特別用途食品」
どこがどう違うやら・・・。

簡単に解説すると
【行政が機能性表示を許可している商品】
・栄養機能食品・・・ビタミン・ミネラルを強化したもの
・特定保健用食品・・・お茶・ヨーグルトなど
・特別用途食品・・・病者・妊婦・嚥下困難者など向け
【事業者の責任で商品に機能性を表示している商品】
・機能性表示食品・・・なんでもあり

となります。
ということで現在は、機能性食品のカオスとなっており、
様々な問題が持ち上がっています。
その点については、次回から。



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