小学校教科担任制はマジ無理ゲー
おはようございます。
今日は、自分の仕事について書こうと思います。
私もそろそろ勤務先の異動をしなければならない時期になりました。
公立校の先生方は、4〜6年すると、次の勤務先へ異動しなければなりません。
そろそろ、考えてね。
と言われていたので、ぼんやりと次のことを考えていたのですが、
「小学校に異動はどうか?」と
ものすごく悩みました。
退職まで考えました。
私立高校への転職まで考えました。
それでも、私の出した結論
「やっぱり、それは無理です。中学校に勤務したいです。」
上司は話のわかる人なので、
「そうか、わかった。」
と、その話を引っ込めてくれました。
で、
先日の新聞発表 「小学校教科担任制実施のために、教員を増員する」
中身を見たら、中学校の先生が、小学校の英語を教える。
兼業させる とか、訳のわからないことが書かれていました。
「ああ、そういうことだったのか。」
妙に納得してしまいました。
私は小学校に勤務したこともありますが、どうしても性に合わず、
中学校に戻してもらった経緯があります。
だから、小学校に戻ることには、強い拒否反応があるのです。
それから、小学校の英語も、いらないと思っています。
最近、中1が入学してくると、「英語が嫌い」という生徒が8割以上になっています。
教科書が変わって、「小学校で履修してきた内容」として、ちゃんと取り扱わない内容が、ものすごく多くなっています。
子どもたちは、「こんなの、やってない。」「書けないし、読めない。」
とてもじゃないけど、それらの内容を1学期の間だけでやり直すことはできません。
子どもたちの言い分は、
「英語の先生が嫌いだった。」
「授業がわけわからんかった。」
「変な歌を歌ったり、聞いたりするだけで、何も書かなかったし、書けなかった。」
とか、もう、ひどい言いようです。
マイナスまで落ち込んだモチベーションを、ゼロに戻して、プラスまで引き上げるのに、2学期いっぱいかかりました。
今になってようやく
「英語の勉強の仕方がわかってきた。」
「おもしろくなってきた。」と
言ってくれるようになりました。
それなら、いっそのこと、小学校で英語を学習しないでほしい、というのが本音です。
小学校の先生方も、自分の仕事が好きで、自分の仕事に誇りを持ってやってくださっていると思うのです。
中学校の先生方は、どうしても、「こうなったのは、小学校のせいだ」と言いがちだけれど、小学校の先生方も、がんばってくれているんだ、と最近は思うようにしています。
何が悪いのか。
「教えられる先生がいない教科を、その環境が整わない中で、教えようとしている制度」
だと思うのです。
英語教育も、プログラミングも、総合的な学習も、ICTも、キャリア教育も
小学校でしっかり教えられるようなレベルと自信のある先生方が、
どれくらいいるのでしょうか?
いくら全部の教科を担任が教えていますと言っても、何でもかんでもできるわけじゃない。
全教科を一人で教えるなんてことは、私にはできませんでした。
それだけでもすごいことなのに、さらにできないものが追加されるなんて、ありえないことです。
でも、
「できなかったら、外注すればいい」→外部からの講師が授業する
→学校、学級の実情がわからない→ 授業が成り立たない
その結果が、英語嫌いの新入生なのです。
小学校高学年は、とても難しい年代です。学習の習得意欲は、教える人との信頼関係に比例しているとさえ思うことが多くあります。
だから、外から来た人がぽっと行って、授業が成り立つわけではありません。
どれだけ担任が事前準備をして、外部からの講師を招いているのか、現状を知らない人が多すぎます。
私のところでも、技術家庭科の先生が、何校も掛け持ちして勤務していますが、ものすごく大変だ、と言っています。
それぞれの学校の雰囲気も違う、生徒も違う、理解度もバラバラ、その中で、評価までしなければいけない。
こんな苦行のような勤務を、英語だけではなく、保健体育や理科、社会など色々な教科でさせようとしているのは、本当にありえないことだと思います。
もし、自分が小学校の英語専科になったとしたら、こういうことになるのだな、と自分の中で危険を察知したのかもしれません。
小学校では、評価のノウハウは全く蓄積されていません。
とてもじゃないが、兼業でできるもんではありません。
そんなの、丸投げされても困るって。
世の中の大きいニュースに比べると、このトピックは、本当に小さなことかもしれません。
でも、もっと、いろいろな立場の方々に考えてほしい。
「増やしてきたものを、減らす」
本当に大事なことだけを、小学校で教えて欲しいのです。
小学校の先生方だって、苦しいはず。
みんな、子どもに教えることが好きだから、がんばろうとしていても、
できないことは、苦しいし、楽しくない。
でも、真面目な人が多いから、がんばってしまうんです。
本当に必要なことだけ、しっかり教えられたらどんなにいいだろうかと悩んでいる先生方はたくさんいます。
今まで小学校で教えてきた教科があれば、十分です。
その基礎ができていれば、中学校からでも間に合います。
目新しいことは、いらんのです。
あれもこれも、現場に投げ込みすぎたことを省みて、
教育の現場で働く人が、それぞれの良さを活かして、人間らしく
仕事できるように
改善していくこと。
それが上に立つ人たちの仕事です。
どうか、現場にいる私達の声を聞いてください。
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