「言葉」を贈る ということ。
こんにちは、ナカちゃんです。
卒業式、合格発表を終えて、ちょっと一息、ほっとしています。
今年の卒業生は、本当に波瀾万丈な1年間でした。
私自身も、子ども達からも、たくさんのことを教わった1年でした。
自分自身の仕事においても、一区切りとなるような、そんな気持ちにさせてくれた38人の生徒達。
卒業式を前に、ぼんやりと思っていたことがありました。
「自分の仕事人生の中でも、この子たちのために、やったことのないことをやってみよう。」
思いついたのが、最後の通信簿にある「所見」と呼ばれる文章を、
ひとりひとり違った名言や格言を入れて書く。ということでした。
文章の一部ですが、こんな感じ。
「一生懸命な人は際立つ」料理研究家の小林カツ代さんの言葉です。毎日、最善を尽くすことの大切さを身をもって教えてくれました。
「己の正しきに従う時、下を向いて行う者にどれほどのことができる?顔を上げ、前を向き、手を伸ばせ。」Reゼロの言葉です。自分の考えを信じて、顔を上げて、前に進みましょう。
司書の資格を取得して、本の専門職としてアウトプットをしてきましたが、2年間「本を読もうぜ!」と彼らに呼びかけてきた集大成としてやってみようと思ったのです。
彼らが普段読んでいる本や、好きなもの、好きな人を考え、そして、ひとりひとりに「何を伝えたいか」を考えることは、大変でしたが、非常に楽しい作業でした。
いろいろな本をひっくり返し、インターネットで検索もし、自分の書き留めたノートも総ざらいし、38名分の「贈る言葉」を書き上げました。
アニメ、漫画の名言、名台詞ももちろん入っています。リゼロ、エヴァ、ドラえもん、宇宙兄弟、、、、、。名優、科学者、スポーツ選手、哲学者、果てはゆるキャラのくまモンまで。
苦労して書いた「所見」を見てくれた時の、彼らの表情は、忘れることができません。パッと、嬉しそうな、はにかんだような笑顔は、多分一生忘れないと思います。
思い入れのある生徒に、手紙を書く という先生方も多いのだろうなとは思いますが、私は38人それぞれに「手紙」を書きたかったのです。
その思いを、「名言」で伝える、彼らに「贈る言葉」で伝えるチャレンジは、自分にとってもエポックメイキングな出来事でした。
でも、きっと、最初で最後になるだろうな。
もう、「書こう」という気持ちにならないだろうな。
こんなにいろいろなことがあった学年は無かったですし、それだけ思い入れのある子ども達でした。
彼らを送り出した後、私の教員人生の中で、一つの時代が終わったな、という寂しいような、何とも言えない気持ちになりました。
「英語教員」としての自分、「これまでの自分」から卒業し、「これから10年後の自分」のために、できることを今から始めよう。
新たに教員免許の勉強を始めること、臨床心理士の勉強を始めること、どれも、彼らに出会わなかったら、始められなかった。
彼らと過ごした時間、彼らの言葉が、私の人生を変えてくれたのです。
彼らに贈った言葉が、これからの人生で、「座右の銘は何ですか?」と聞かれたときに、思い出してもらえるような、辛いときにふと思い出してもらえるような言葉になってくれたら、本当に幸せです。
「あのとき、あの人に 言われた言葉に救われました。」
私も、何度も、本やマンガ、アニメの言葉に救われてきました。
だから、恩返しがしたいのです。
「誰かの言葉が、その人の人生を支える。」
彼らの人生が、豊かな言葉に彩られた人生になることを
3月の真っ白な雪景色を見ながら 祈るのです。
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