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オーケストラ ジュニアとの出会い〜練習場所。


オーケストラに楽器は20種類以上。
プロもアマチュアも、メンバーが集まる練習は
指揮者から細かい表現指導がある合奏のため。

ところが私が見学した楽団はそうじゃない
なぜならそこは、楽器無し、譜面読めない、
でもオーケストラに入りたい、という者を
テストなしで受け入れる
小学生から高校生のオーケストラだったから

これが私のオーケストラ愛の始まりです。
17年前の話。詳しくは過去記事に記載。

この世に、あらゆる楽器が同時に
下手くそな音を出しまくっていい場所が
どれだけあるでしょうか。・・・無いです!

この状況を抱えたジュニアオーケストラは、
私立幼稚園の園長の理解を得て、
夜間に園舎を借りて練習していました。

教室を楽器ごとに振り分けるのですが、
防音設備なし。方々でいろんな音がする。

子ども同様大人も拒まずで初見学の許可を得た
私は、驚きと大丈夫か?という疑問
が。

一番人数が多いバイオリンは、
初心者と、ある程度弾ける者に分かれ、
女性トレーナーが1人ずつ担当。

初心者は小3生から中1生で6人。
楽器の持ち方、指使いを、簡単な譜面を前に
指導を受けていました。

小4くらいの男子2人が並んで一緒に練習。
先生が他を教える間、A君は自主練している。
すると横からB君がちょっかい出してくる

A君がやめろと言い、弓をキコキコやる。
B君は懲りずにちょっかい。
しまいに双方軽く叩きあいになる。

その頃、先生が戻ってきて、またやってる!と
2人とも叱られ、先生の前で練習再開。
ケンカモードが足に残って、
BがAを蹴っ飛ばす、Aも蹴っ飛ばす。
ついに先生にコラ!と

バイオリンを置かされ3人で何やら話し。

女子や中1生は慣れたもので淡々と練習。

チェロ、コントラバスには
バイオリン男子みたいな子はいない。
高校生が部活や授業で遅刻し、
後からぽちぽつ加わった。

フルート、トランペットなど吹奏楽器は
肺活量が整う小学5か6年以上で入団
とか。

管楽器はパートにより、先生とマンツーマン
それはいいなあと思うけど、
でも、やはりいろんな楽器の音がする。
音を耳で覚える練習環境としてはどうなのか。

私が教室を移動していると、廊下に幼稚園で飼っているうさぎのゲージがあり、
さっきのB君がうさぎにエサをあげている。 

まあ!と思って見ていると、先生がやってきて
B君の側にしゃがみこみ、
一緒にうさぎに声をかけ、
そして彼を連れて練習に戻りました。

終了時間が来ると、
最上級生が団員を集め、帰りの会です。

団員リーダーから反省や注意事項の発表、
次にトレーナー先生、運営側、
そして団長から練習の感想、今度の目標確認。
最後に団員は姿勢を正してトレーナー、運営、それぞれに向かって

「ありがとうございました」の挨拶で終了。

初見学の感想は、楽器の音を直に聴いた楽しさや嬉しさがありました。

一方、練習内容がいいのか悪いのか、
音楽素人の私にわかるはずがありません。
ただ環境が整っていないことと
先生と子どもに温かい繋がりは感じました。

子どもにとって楽器を演奏することが、
楽しいかどうかも私にはわかりません。

遅刻して来た高校生たちは、
10分も練習していない子もいました。
でも休まない
んだ、と。

私は団長と運営の方に見学のお礼をしました。
帰る時、団長が、

驚かれたでしょう。僕はこの子たちがいるから
楽しくてしょうがない。
よければ演奏会にお越しください
、と。
私は曖昧に笑って、その日は帰りました。

数日後、演奏会本番を聴きに行きました。
あの練習環境、あのレベルで弾けるのか。

ジュニアですから、おそらく観客も、
上手な演奏を聞こうとは思っていないでしょう。

私は練習を見たせいか、
あの子たちがどこにいるのだろうと、
見た顔を探していました。
初めて見る高校生団員も大勢いました。

壇上で本番を迎えている学生たちを見ると、
私服で練習をしていた子供らしさとは違う、
凛々しさや純粋さを感じました


あのA君、B君が並んでいる!
またケンカしないか、ドキドキでした。

そして演奏会が始まりました。
初心者も参加できるような曲、それから、
初心だけの曲、管楽器だけ、弦楽器だけ、
色々と趣向をコラして構成された演奏会は、

私の想像を越えたものでした。
それは技術の話ではありません

練習であんなに子供っぽかった皆が、 

本番になった時に、
指揮者に向き合う姿勢、瞳の方向、顔の表情、
そこに自分のエネルギーを一生懸命集中して
注いでいる
のがわかるのです。

指揮者が自分のパートに合図を送ると、
そこに全てをかけて演奏している。

客席も変な音が出ると、微笑んでいたり
一緒にリズムを取っていたり。

小さな子供が手拍子をしていたり。
曲が終わるたびに会場ごと、

なんとも言えないピュアな空気が
ザァーっと波のように会場に行き渡る


A君、B君もちゃんと指揮者と演奏している。

この子たちを惹きつける何かがここにある

70代の元音楽教師が私財を投じた場所。
小学生から高3までずっと一緒に活動する

休憩時間に他の楽器を触ってみたり
年の違う兄貴や妹たちと話しをし、
一緒に演奏会を目指す

ここで仲間をいじめる子はいない。
同じ楽器は上級生が年下の面倒を見る。
様子がおかしければ上級生は先生に相談する

こんな活動をする小さな私設団体があるとは。

三度のご飯より音楽と映画好きな私には、
新鮮な感動でした。
(今は練習会場が整いました)

では私がジュニオケに関わり始めて知った、
ベネズエラのシモンボリバルオーケストラをご紹介します。
ストリートチルドレンの増加を憂だ人物が、
国を動かし、国費で若者を救う為に作った
オーケストラ
です。
人のエネルギーが活きるのがわかります。
曲は前回のオケnoteでご紹介した
『ウエストサイドストーリー』の曲

ベネズエラもスペイン系が多い国。
前回の『ウエストサイドストーリー』と『楽器と演奏者』に関する記事もどうぞ。

今回もお読み頂き、ありがとうございました!


いただいた、あなたのお気持ちは、さらなる活動へのエネルギーとして大切に活かしていくことをお約束いたします。もしもオススメいただけたら幸いです。