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観てきた!「鏑木清方 幻の《築地明石町》特別公開」at 東京国立近代美術館

11月のうちにぜひ行きたいと思っていたこの企画展。
なんとありがたいことに、今年4月にスタートした”お出かけ好きなアートファンのための美術館情報サイト『OBIKAKE(おびかけ)』”さまのチケットプレゼントに当選!しまして、招待券で行ってまいりましたー!!!
OBIKAKEさま、ありがとうございました♪

会場:東京国立近代美術館/MOMAT(東京メトロ・竹橋駅)  会期: 2019年11月1日(金)~12月15日(日)


(1)観に行こうと思ったきっかけ

開催の第一報を知ったのは・・・新聞だったでしょうか。
鏑木作品は以前、トーハクで大きな作品を偶然観かけたことがあり、その透明感というか、描かれていた女性の美しさに、思わず見とれてしまったことがありました。今回は近代美術館が収蔵する作品をまとめて鑑賞できるとのことで、ぜひ行きたい!と楽しみにしていた企画展です。


(2)どんな展覧会?

鏑木清方(かぶらき きよかた)さんは、本当につい最近、1970年代までご存命だった、日本画の巨匠です。美しい女性の絵・美人画で著名な上村松園さんと並んで絶賛された作家であり、文筆家でもありました。東京・神田のお生まれ。晩年は鎌倉市雪ノ下にお住まいで、現在そこには鎌倉市鏑木清方記念美術館が建っています。

今回の展示では、メインビジュアルにもなっている『築地明石町』が目玉。40年以上も行方不明になっていた名作だそうです。この作品と『新富町』『浜町河岸』が美人画三部作と呼ばれていて、並んで展示されています。その他、大正から昭和のはじめ頃、だいたい30~50代の頃に手掛けた作品が並んでいます。全部で25点ほど、じっくり観ても30分程度あれば十分楽しめるでしょうか。会場内は撮影NGです。

(3)naomin_0506的 見どころはここ!

目の前にした『築地明石町』、黒の羽織とちらりと見える着物とのコントラストもあってか、とても美しかったです。でももっと私が惹かれたのは、その右隣にあった『新富町』でした。
雨風の中を歩く芸者を描いていますが、小紋の羽織のちらっと見える裏地の赤とか、襦袢の柄とか、鼻緒の色とか、とても素敵だったんですよね・・・和装って美しいなぁとしみじみ。思わずポストカードを買って帰りました。その他、普通の人々の何気ない日常を描いた『明治風俗十二ヶ月』も素敵で、特に、台風の前の様子を描いた9月『二百十日』と、雪の夜を描いた12月『夜の雪』は美しかったです。

実はいずれの作品も、1923年に起きた関東大震災の後に描かれています。鏑木さんは45歳で被災。『築地明石町』は1927年、『新富町』は1930年の作品です。震災、そして復興で変わっていく東京の風景の中で、鏑木さんは、古き良き明治の暮らしが消えていくことを寂しく思い、人々の日常を描くようになったそうです。季節の移り変わりや日常の何気ない場面、人々の装いが細かく細かく描かれていますが、その筆に鏑木さんの想いもしっかり載っていたんだなぁと思いました。


挿絵画家としてスタートした鏑木さんですが、1914年、36歳で大迫力の屏風作品『墨田河舟遊』を描いています。こちら、今回の企画展に合わせて4階に展示されており、こちらもぜひハシゴしてご覧になってほしいのですが、もう細部の細部まで美しいんです。屋形船に乗った美しい女性たち着物の柄、すだれ越しに描かれた女性の表情、繊細な髪の毛の書き込み、風を受ける船頭さんの羽織、少し離れたところにぼんやり見える他の船まで・・・眺めているとすっかり引き込まれて、まるでこの船の隣の船に乗り合わせたかのようでした。
この細かすぎる表現が、見れば見るほど引き込まれてしまう鏑木作品の魅力だと私は思います。


(4)グッズは?

企画展限定、というわけではないようですが、ポストカードや関連書籍がミュージアムショップで販売されています。会場内でサンプルを手にとることができました。

書籍で個人的におすすめなのが、最近、小学館から出た『鏑木清方原寸美術館 100% KIYOKATA!』

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作品解説と見どころを原寸サイズで掲載しているこのシリーズ、すでに北斎と若冲を持っていますが、こちらも購入しました!細かすぎる鏑木作品をしっかり楽しめる一冊だと思います。

また、会場内で配布されていた出品リストが素敵でした。なかなか珍しいA3タテ二つ折り(広げると新聞15段と同じくらい)の大きめサイズ。表は1907年の銀座辺りから築地・佃あたりまでの地図が、中面には展示された全作品の写真と文章や解説がまとめられていました。図録代わりだと思われ、折ってしまうのはもったいないですが、とても分かりやすかったです。


(5)まとめ

会場内は、先週21日(木)から皇居で大嘗宮の一般公開が始まったこともあってか、雨&寒い平日午後でもそこそこの賑わいでした。明後日30日(土)からは紅葉の季節恒例・乾通りの一般開放があったり、テレビ東京『新・美の巨人たち』でも取り上げられますので、もう少し混雑するかもしれません。

が、ぜひぜひ、実物をご覧ください。

しかも!会場では嬉しい3年後の告知も!!!これは待ち遠しいです。


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