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"土に還る"ってサステナブル?

最近、アパレルでちょくちょく目にする"土に還る"をうたう衣服。最初は「へー、土に還るなんてサステナブルなんだなー」と流されるままに思ってた。でもよくよく考えてみる。「なんで土に還る必要があるの?それって本当にサステナブルなの?」

ってことで自分の腹落ちのために調べることにした。

衣服を土に還すにはバクテリア・菌類・その他の生物に分解される必要があるから、生地は天然素材のものが多い。竹とか和紙繊維、コットンとか。分解されるスピードは物によって異なるけど、約3ヶ月とか4ヶ月かかるものがあるらしい。

「え、3〜4ヶ月もその辺にあったらただのゴミなんじゃ。都会だったら埋められるような庭持ち住宅なんて少ないよね。」心の中のダークな部分がそうつっこむ。

「いや、きっとここまでサステナブルなことを考えているんだから何か仕掛けがあるはずだ!」ブライトな部分が元気付ける。

もしかしたら廃棄するフェーズに何かアプローチしているんじゃないか。そう思って調べてみた。国内で出される衣服のゴミの量は年間100万トンだとか色々な課題が出てくる。そこに処理方法は焼却・埋め立てと書いてあった。

「なるほど。処理方法には、焼却と埋め立てがあるんだ!埋め立てされるなら土に還る服は意味があるのかもしれない。」

てことで、一般廃棄物処理施設の資料も読んでみた。でも、期待とは異なった。なんと、廃棄されるものは一旦ほぼ焼却されて、灰になってから埋められる。ゴミかさのこと考えると、灰にしたほうがそりゃいいか。臭いだって出るだろうし。

となると"土に還る"ってどこでどんなメリットがあるんだろう。ふりだしに戻る。自然に優しいものを作っても、燃えて灰になってしまうなら、土に戻す場所を提供する必要があるんじゃなかろうか。

そんなこと思ってたら、ありました。そこまでしてるところ。

<シンクス.アース(Syncs.Earth)>

"土に還る"Tシャツの制作から回収までする循環型ブランド。定額でTシャツをレンタルできて、一定期間着用したら好きな時に返却し、新しいものと交換が可能。着古して不要になった服は回収して契約農家に送り耕作地の土壌改良に役立てるみたい。サービスは始まったばっかりだけど、軌道に乗れば、契約農家の野菜を使ったレストランの食事券の提供なども考えているとのこと。

すごい。ここまで一貫して携わっていると作る意味が伝わってくる。こういう取り組みを知ることで"土に還る"はサステナブルな取り組みなんだと認知できた。でも、回収まで実施していない企業の意味はまだわからないまま。

ある記事では、「サステナビリティを多面的な視点で考えると判断は難しい。環境のためにと考えても、別の方向から見れば資源を無駄にしている矛盾が常にあります。」と言っている方がいた。"土に還る"もまだ進化している最中なのかな。



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