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意識は刷り込みを超える

日本、世界状況の変動が激しい近年、自分は誰か、なぜ生まれてきたのか、自分と社会、世界はどう関わっているのかなどと、思いを巡らせる日々が続きます。自由や可能性が限られていると感じるのは、私だけではないでしょう。では、なぜ限られていると感じるのか?どうやらそれは、「意識」と関係があるようです。

私達一人一人の意識は、私達が見ている現実を作り上げています。意識のあり方には、生まれた時から私達の脳に刷り込まれてきた様々な考えや感じ方、規制や限界が大きな影響を与えます。私は、「自分の考えだと思っているのは、実は自分の考えではない」と気づいて以来、どこまでも刷り込まれている自分、刷り込みの枠の外に出たと思っても、やはりその中にいて、さらなる刷り込みの渦に吸い込まれてしまう奇怪な多重構造に、ずっと矛盾を感じていました。私達の一人一人が作り上げている現実に、幅も多様性もないのです。自由がないのです。どんなに頑張って現実を見据えようとしても、刷り込みの中での現実を見てしまう。オプションが限られ、新しい発想を浮かべるのが、とてつもなく難しい。何故このような限られた意識の中で生きているのか?

「Matrix Revealed」 を書いたジョン・ラポポートというアメリカ人のジャーナリストは、「マトリックスは暴露される:オカルトシステムの背後にあるトリック」の中で、意識は新しい現実を創造する。と言っています。彼によると、意識とはダイナミックなもので、既に存在しているものに行き着こうとして、鍵穴を探している鍵ではないといいます。意識とは、既に存在しているものを入れておく入れ物ではなく、常に新しい現実を創造し続けるもの。しかし、意識がその力を発揮するには、私達が気づかなければいけないことがあります。

人間は既に存在しているものに多大なる価値を置き、それを手に入れたがりますが、このメンタリティで生きている限りはマインドは、コントロールされ続けるということです。意識が新しい現実を創造し続けるなら、その現実は今どこにも存在していないものです。意識は、どこにもない考え方、生き方、行動の仕方を創造するものだとジョンは言います。もし私達が、社会の仕組みや人間関係、日常で経験することの全てを、もう既に完成されてしまったものと捉えずに、単にプロセスの途中であると気づけば、完全に今までとは違った意識が生まれます。どうしようもないと思っていたことが、それが織り成されている過程を認識することによって、他のオプションを見出すことができるようになります。 その変化に基づき、今まで自分を被害者としていた意識は、生きて前に進むためのインスピレーションに変わり得るのです。  

プロダクト(完成したもの)をプロセス(過程、途上)と見る全ては必然、全ては一つであることを認識する、表面化にあるものを感知するといった能力を身につけていけば、今までとは違う現実が見えてくるのではないでしょうか。


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