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バレエ『眠れる森の美女』いろいろ

今年は日本で偶然にも(COVID19による延期もあるので)『眠れる森の美女』が二つのバレエ団によって初演されます。

ヨーロッパでは1921年にバレエ・リュスによって初演されたのが初めて。それまではロシアだけで上演されていたバレエでした。

ロシア革命を逃れてニコライ・セルゲイエフが舞踊譜をロシアから持ち出したことで実現した公演でした。

そのプログラムの全頁講座を9月に予定していたのにもう11月!準備万端でと思ううちにすっかり秋になり驚いています。
年内には必ずと思っています。公式プログラムと当日プログラム、そして公演のためにデザインされたレオン・バクストによる衣裳の画集から『眠れる森の美女』に迫るこれまでとちょっと違う講座になる予定です!


「当日プログラム」もこんなに豪華!

そんな『眠れる森の美女』
先日、現在も公演中のK Balletによる新しいバージョンを見てきました。
図らずしも天覧バレエとなりましたが、元々バレエはそうした人達が育み育ててきたものだということももう少し知られてもいいのにと思ったり…だからえらいとかスゴイ、ではなくて「採算」という点とは別の存在であるということ、沢山の王侯貴族が滅んでもバレエは滅びなかった事などももっともっと伝えていきたいなと思いました。 
と・・話がそれましたが。

色々な意見もあるようですが、今回の『眠れる森の美女』再演を重ねていく姿を私は見たいと思いました。
色々な工夫があり、何よりオーロラ姫、デジレ王子のキャラクターがはっきりとしてダンサーとしても演じがいのある役、作品になったと実感しました。
『眠れる森の美女』ととても深い縁のある英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパルを務めた熊川哲也芸術監督ならではの作品と言えるのではないでしょうか。

色々な意味で価値観、日本の観客へのアジャスト、芸術的な表現、歴史を鑑み上書きしてきた方ならではのバージョンだと思います。
衣裳の美しさも特筆すべきだと思いました。
特にキラキラしたものが好きというわけではない私でも「ときめく」ようなオーロラの衣裳はパールやラインストーンがふんだんに用いられているけれどファンシーではなく、美しくエレガントでした。
これから見られる方は是非オペラグラスでそんなところも見て楽しまれるといいかも。

また個人的には無料で配られたマイムの一覧にとても好感を持ちました。
写真を撮って分かりやすく作られていて、こうしてバレエの知識を普及していくのは地味な事かもしれませんがとても大切な事、配役表に場面の名前があるのも親切だと思います。

バレエのチケットの金額も上がり、プログラムまでは…という観客も多くなっている現状の中で観客に知ってもらうための努力は大切だと思います。

この公演が終わると同じ会場で東京バレエ団による新しいバージョンが上演されます。どんな作品になっているのでしょうか。


ありがとうございます。 欲しかった本やプログラムを購入し、Ballet Collectionの充実に励みたいと思います!