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一歩も外へでない休日

 夜勤の疲れは齢を重ねるごとに身体に蓄積されやすくなり、休日の今日はずっと家でゴロゴロしていた。ようやくの晴れ日、ここぞとばかりにシーツ類を洗濯した後、今度読書会で紹介する本を読み終えた。

 読書会は最近の私のルーティンのひとつで、もっぱらオンラインで参加している。もともと本やテレビが好きで、できれば職場でも話したいのだけど、なかなか読書好きの人はいない。人の噂を熱く話す人が多いのは、女性がメインの職場からだろうか。人の噂などは面白くもないし、巻き込まれるのはまっぴらごめんだ。それよりは、知らない方たちと一期一会の会話を楽しむほうが好きなので、いくつかの読書会に参加しているのだ。

 今度の読書会のテーマは児童文学。色々考えた末、上橋菜穂子さんの「闇の守り人」を紹介することにした。守り人シリーズは何冊もあるのだけど、この「闇の守り人」は子どもよりも大人に人気がある重厚な話である。

 主人公はバルサという女用心棒。国を揺るがす陰謀に巻き込まれたバルサの父カルナは、親友のジグロに娘を連れて逃げるように頼んだ。
 その陰謀とは、カンバル国のログサムが、兄ナグル王を亡き者にして王位を手にしようと目論み、王の主治医カルナに毒殺を命じたこと。カルナは、断っても陰謀がうまくいっても家族もろとも亡き者にされると悟り、娘バルサが井戸に落ちて死んだと偽わり無事に逃がした後、王に少しづつ毒をもる。ナグル王は亡くなり、その後カルナは斬殺される。
 ジグロは天才的な短槍使い。その腕で幼いバルサを守り、逃亡生活をよぎなくされる。ジグロは王の証である八つの金の輪を奪って逃げたと濡れ衣を着せられており、二人を殺せと命じられた追手は、かつてのジグロの友たちであった。
 それから二十五年後、病死したジグロの汚名を晴らそうと故郷のカンバル国に訪れたバルサは、想像を絶する試練に立ち向かうこととなる。

 大人の愛情の中に流れる、ひとすくいの闇の苦さ。人が生きていくうえで感じる、目を背けたくなる事実が胸をえぐる。その闇を光に変えるラストの余韻に浸りながら本を閉じた。

 
 
 今夜は大好きなダイアンの番組「水バラ ダイアンの奇跡の安い店沿線グルメ対決旅 GWオススメ!川越〜秩父!」を見ながら一日を締めくろう。
 さあ、明日も楽しき一日を過ごしましょう。

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