おじいちゃんの話

子供のころ、おじいちゃんと住んでいた。
父が亡くなり、もともと叔父家族が住んでいた母の実家に出戻り、おじいちゃん、おばあちゃんと一緒に住むようになった。
おじいちゃんは威厳があった。
少しこわかった。
自転車に乗って畑に行ったり、ゲートボールをしたりしていた。
晩酌にはワインと日本酒?お湯?
今考えたら何を混ぜていたのか忘れたが、何かを混ぜておじいちゃんに渡すのが私の仕事だった。
中学校の頃、おじいちゃんは入院した。
おばあちゃんが「おじいちゃんはいつ死んでもおかしくない」といって泣いていた。
わたしは時々自転車で病院に行った。
行くたびに500円くれた。
それが申し訳ない感じがして、母に話したら「おじいちゃんがあげたいんやからいいねんで」と言っていた。
ある日病院に行くと、おじいちゃんが急に「NAOKO、転校するか?」と言った。私は意味が分からなかった。「〇〇中学校とか」
「なんで?私転校せーへんで」と言った。
そのころ私は学校でいじめられていた。
そのことで学校から家に連絡があった。
おばあちゃんが先生から話を聞いたようだった。
おじいちゃんはしばらくして亡くなった。
私はおじいちゃんが亡くなってからだいぶ経って、あれは私のことを心配してくれてたんだと気づいた。
ありがとうはいえなかったけど、その時気づいていたら、たぶん私は崩れていたかもしれない。
その時のことを思い出すと、いつも涙が出てくる。
おじいちゃん、わたしのこと、ちゃんとみててくれてありがとうね。

余談だが、母は私がいじめられていたことを、最近まで知らなかった。
たまたま昔の話をしていて、そのことを知ってびっくりしていた。
親戚のおばちゃんも知っていたのに。
ていうか、おばあちゃん、なんでなん?(・_・;)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?