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連載小説「憂鬱」-10 キスしているところを撮影されてしまった?

ユリアと玲実はたまにバレエの後、近くの公園で過ごすようになった。星をみつめながら、二人は将来の夢を語り合った。

「将来はどんな風になりたい?」ユリアが優しく尋ねると、玲実は考え深い表情で答えた。

「私は、将来は人々を笑顔をもって助けてあげられる仕事がしたいな。たとえばナースになれたらいいなって思ってる。子供の頃から、誰かを助けることが好きだったし、どんな状況でも笑顔を忘れないって自信があるんだよね。」

ユリアは玲実の言葉に感心しながら、自分の夢を語り始めた。

「私はニューヨークでバレエのスクールへ通って、後々は舞台に立つことを夢見てるんだ。バレエは私の人生そのもので、舞台で踊ることが私の全てだから。」

玲実はバレエをそれほどまで突き詰めるつもりはなかったので、ユリアの夢を応援する方向で話をさらにじっくりと聞いてあげるのだった。彼女たちは互いの夢に対する情熱を分かち合いながら、星空の下で幸せな時間を過ごした。

しかし、そんなある日、ユリアはキスを迫ってしまった。

「玲実ちゃん、実はね……」ユリアが言葉に詰まりながらも、玲実の目を見つめていた。

一瞬、たじろぎながらも玲実はユリアを受け入れてキスをした。その一瞬の間、彼女たちの心は一体化し、永遠の愛を誓ったかのように感じられた。

そこを通りすがりの、沙知絵のいじめメンバーの一人、則人が見ていた。たまたまバイトを終えた彼は、公園の街灯に照らされた二人の女子高生のうち一人に見覚えがあると思い立ち止まった。

目を凝らして見てみると、二人は語り合っているようだったが、次第にユリアがもう一人の女の子に顔を近づけていった。そして唇をうばったのだった。

その光景を目撃し、思わず二人の姿を携帯で撮影してしまった。薄暗かったが、それでも拡大すると、ユリアだとわかる画像だった。

翌日、その情報はすぐに沙知絵の耳にも届いた。彼女は悪意を込めた笑みを浮かべ、レズと知ったことを仲間たちにバラし、そこからますますレズをからめたいじめがエスカレートしていくのだった。


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