<<創作大賞 恋愛小説部門>>連載小説「憂鬱」- 20 美里とユリアのデートはリンカーンセンター
美里は日々のビジネスの忙しさに追われながらも、どこか心の奥にぽっかりと穴が開いたような感覚を抱えていたためバレエをユリアに習い始めたことで満ち足りた気分がもどってきた。
家で教えてもらうよりも、もっと広いスペースのあるユリアが教えているというダンススタジオへレッスンに通うことにした。初めはぎこちなかった美里も、ユリアの丁寧な指導のおかげで少しずつ上達していった。
ユリアのスタジオは、ニューヨークの忙しい街並みから少し離れた静かな場所にあった。高い天井と大きな窓から差し込む