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#97 「片付ける」で、心がアラワれる。

心というものは、物理的に現れます。

いや、正確には、仕草や行動に表れます。


具体的な例を挙げると、部屋の状態がそうです。

心が荒れていると、机やテーブルの上には散らかってしまいます。シンクには、片付けるのが億劫になって食べたまま放置された食器が積まれています。床には脱ぎっぱなしの靴下が落ちています。

そして、そんな状況であっても「自分は心が荒れているな」なんて気がつきません。
僕自身がそうですが、気がついたときに「なんでこんなに部屋が汚いんだ?」なんて疑問を浮かべるほどに。


僕はいま、ミニマリストです。
1日の終わりには必ず、机の上を整えてから就寝をします。
そうすることで、翌朝、スッキリとした状態で朝活に励むことができるから。

そんな僕ですが、昔は母からこんな言葉を言われ続けました。

「なんであんたの机、そんなに汚いの!? 早く片づけて」

僕自身は片付けているはずでした。
確かに教科書やノートは机の上に積まれているし、開きっぱなしのノートには消しかすや折れたシャー芯が散乱していました。

今の僕が見ると、「なんだその状況!? ありえない!」なんて考えてしまうのですが、実際そんな状態でも、昔の僕自身は「片付けているつもり」だったのです。

教科書やノートは積み上がってはいるけれど、どこに何があるのかを把握できればそれで問題ないと思っていたので。


でも、そんな僕にも転機が訪れます。

それは、友人の部屋に泊まりに行った時のこと。

あまりの汚さに絶句しました。
部屋の上にはモノが散乱し、足の踏み場もなく、シンクにはいつから洗っていないのかわからないカビの生えた食器がありました。一応、掃除機はあるけれど、まだ購入されたばかりで箱に入ったまま、定位置すら決まっていない。

その友人が何事もなく暮らしている状況を目の当たりにして「心が荒んでいるとこんな状態になっても気にならないんだな」と心底感じました。

友人はそのつい数ヶ月前に、長年連れ添ったパートナーと破局し、心機一転し職場も新たに変えたけれど、その職場でも何かとうまくいかず、心が荒れてしまっていました。

そんな友人の姿を目の当たりにし、僕は「片付けることは心をすっきりと整えることなのかもしれない」と思うようになりました。


それからは、あの時の母の言葉を頻繁に思い出すようになりました。

部屋、机の上は脳の中を大きく反映します。

考え事をしすぎて脳内がゴチャゴチャしていると、「片付ける」という行動をしなくなります。そして、机の上が荒れます。


昔の僕は、家庭内のイザコザや無理やり寄せられる期待、何事も上位でなければならないという変なプライドなど、いろんなコトが脳内を占拠し、「片付ける」なんて発想はひとつもありませんでした。

でも、友人の姿、そして、ミニマリズムに出会って「片づける」を知り、片づけることで逆に心が洗われて、整うことを知りました。

だから、最近は心の機微に敏感になったように思います。
何かむしゃくしゃするなと感じたら、空間にあるモノを捨てたり、普段掃除してないところを掃除してみたりして、空間をリセットする。

そうすることで、心もまたリセットされ、整います。


もし、これを読んでいる方で、何かにイラついていたり、悲しんでいたり、不安に感じていたりしている人は、ぜひ1度、部屋の一部を片付けてみてください。

すると、空間がすっきりして、心が少し明るくなるはずです。

「片付ける」で、心がアラワれる。

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