プロアスリートのブランディング
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プロアスリートのブランディング

松岡 直紀

プロアスリートとブランドの関係

今回は私自身携わることの多くなったスポーツマーケティング、スポーツブランディングからテーマを出してきて書いていきたいと思います。先般 # みんなのブランディング で「ブランドにとってのプロ選手とユーチューバー」(https://note.com/naoki_matsuoka/n/nb6efa801afb1)というテーマで記事を上げたところ、大きな反響があったので、さらに掘り下げて、アスリートのブランディングというテーマに絞っていきたいと思います。
アスリートと聞くと何を思い浮かべるでしょうか?野球選手でしょうか?サッカー選手でしょうか?人それぞれ思いえがく競技は異なると思いますが、それではその用具はメーカーから提供されるのが当然だと思いますか?という質問にするとどうでしょうか?

プロならば当たり前
プロによっても異なる

という二つの答えが返ってきそうです。そもそも、この違いはどこから発生するのでしょうか?ブランド側としてもこの違いは結構曖昧であることが多いので、はっきりとしたことは言えませんが、それは費用対効果を考えて選手が選ばれている、というのが現実的なところです。ブランドにとってみれば、用具を専属で使ってもらうことで、色んなプロモーションに使えるし、その選手を通じて多くの方に使われることが見込めることが大前提です。アスリートからみると、競技に必要不可欠な用具を提供してもらうことは安定してパフォーマンスを出すためのベースだし、それらを無償で提供してもらっている代わりにプロモーションの協力をしていくことは契約上もおそらく義務として明記されていることでしょう。

変わりつつある関係

しかし、いろいろな価値観が存在し、それらを尊重していく環境が当たり前となった今、上記のようなプロアスリートとブランドの関係は変わりつつあります。いわゆる「スポーツマーケティング」の王道である有名選手に使ってもらって販売促進をする、という定石は効果が薄れていっています。その理由として、いくつか考えられると思いますが、プロダクトそのもののパフォーマンスの差があまりなくなった、とか、大資本のブランドが有名選手をおさえてしまうといったこともあるでしょうし、プロダクトそのものよりもブランドの世界観が優先されるようになったといったことが挙げられると思います。消費者は賢く情報を集め、有名選手が使う=良いもの、というかちはんだんをしているのではなく、品質はある程度担保されていることを前提に、その選手が使っていることを別の視点で見ていることが多くなっています。大きなブランドであればビッグマネーで契約したんだな、という純粋なパフォーマンス以外の部分を消費者は見透かしています。消費者が見ているのは、上記の例の最後に上げた、ブランドの世界観と選手の価値観とが共鳴してある種の文脈を生み出し、そのストーリーに共感している、といったことが挙げられると思います。

それでもプロアスリートは重要

上記の通り、プロアスリートとブランドの関係は既に変わりつつあります。私はそれでもプロアスリートはブランドにとって重要だと考えています。理由としては、その競技のトップパフォーマーだからこそできることがあるからです。プロダクトを使って、契約にあるプロモーションの協力をするだけではなく、

ブランドの世界観を自分の価値観と共に語ること
プロダクトをどのようなプレーヤーにおすすめしたいか

などトップパフォーマーでしか発信できないことがあるはずです。また、

競技そのものを通じて社会に提供したいことを発信していくこと

も求められています。
また、ブランド側とプロアスリートの関係も提供する側と提供される側という関係から、より相互にお互いのブランドを高めていける関係に変化していく必要があります。それぞれの持つ世界観を共鳴されるようなコンテンツを作っていくことが今後のブランドとプロアスリートのブランディングとなっていきます。

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松岡 直紀
主にスポーツ領域でブランディング・マーケティングのサポート事業を展開するallcompass 代表。P&Gをはじめ、ブリヂストン、ポルシェ、スペシャライズドなどでマーケティング・ブランディングに従事。多くのスポーツマーケティング/ブランディングの業務に多く携わっています。