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ブランドアンバサダーになるということ

企業から見てアスリートの価値は?

今般、自身の発言によって炎上して、所属先やスポンサー企業から契約を解除されたeスポーツアスリートの案件をみて、以前にも書いた記事の焼き直しをお送りしたいと思います。アスリートの発信力を頼り、スポンサーをするという1つビジネスがあります。あのアスリートの露出価値が高ければ高いほどスポンサー料が高くなる、というたぐいのものです。
私は兼ねてからブランドの観点でこの露出価値の高いアスリートの方々とはあまり仕事をしてきたことはありません。逆に、今はあまり有名ではないけれど、将来に向かって挑戦しているアスリートやマイナースポーツだけれどその普及に身を削っているアスリートの方々を応援するという立場出仕事をしてきたことが多いのです。結果的にめちゃくちゃビッグになったアスリートももちろんいますが、それはブランドの観点で考えると私にとってはあまり重要視をしていません。
一般的にいうと多分逆だと思います。知名度の高い選手とスポンサー契約を結び、さらなるブランドの知名度を上げる、ということを主な目的としてビジネスが行われていると思います。

アスリートが本来すべきこと

私がブランドを構築する上で一番大切にしていることは、アスリートの競技を通じた何かしらの表現と、ブランド側のストーリーが合致していることです。逆に言うと、ロゴを出してほしいとか、露出度が高いところに掲示して欲しいというものではありません。

アスリートはそれぞれの競技を通じてパフォーマンスを発揮することが第一義ですが、その解釈はブランド側でいくつものオプションがあります。

アスリートにとって勝たなければ意味がない、というのはある意味本当ですが、それだけではない、ということは確実に言えます。ブランドは競技に挑む姿勢を通じてブランドのストーリーを語りたいからです。勝てばいいんでしょう、というアスリートとは、残念ながらご一緒しないのもそういった理由からです。

ましてや、スポンサーのブランドを毀損するような言動は言語道断という他にはなく、契約解除は当然の流れだと考えています。ブランド側から見ればアスリートにはそれほど緊張感を持って頂きたいものです。

企業側も新たなステージへ

勝てばいい、注目を浴びればいい、という考え方の裏には、企業側、ブランド側もそのような姿勢で求めているからに他なりません。ブランドとして大切なことは知られることではなくて、そのブランドストーリーに共感をしてもらうことです。スポーツを通じたブランディングを考えている担当者は、代理店任せにするのではなく、自分のブランドのストーリーをアスリートを通じてどのように発信したいかを真剣に考えるようしなければならない時代が来ていると思います。


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