見出し画像

心理的安全性への過信と勘違いと失敗

今までの自分に捉われるな。変わるってのは自分を壊すことからしか始まらない。過去なんてどーでもいい。俺が見たいのはお前の今だ!

ブルーロック 潔世一

世一くんかっこいいですね。スポーツ漫画でもブルーロックは特に「才能」や「自己認識」ついて考えさせられる参考書だと思っています。圧倒的な個性の塊が集まったチームの中で「個を殺さずチームに活かす」ことを実践し、強みに向き合い、覚醒していく姿が見ていて楽しいです。

それでは今回は心理的安全性について。
人数は30名を超えたころだったと思います。本屋の立ち読みで電撃が走りました。これだ!まさにスタッフが増えてきて組織力を高めていかないといけないと思っていた矢先、自分が求めていたものがそこにはありました。「個性を輝かせ、チームで学び成長する」現代のチームビルディングあらゆる組織・コミュニティで実践できる「心理的安全性のつくりかた」。

他にもいくつか「心理的安全性」の本を読み、こんないいことがあるのか。Google様も言っておられるし、生産性もあがるし、みんな辞めないし、なんだかいいことしか書かれてないし(過信)、これならみんなすぐ良さを理解してくれて実践してくれる!(勘違い)、すぐやろう!と思い立って、さっそく資料を作り始めた。その時の資料がこれ。


意気揚々とパワポ作成していました。これだ、これならいけると(笑)そして、まあ予想通り...大失敗(泣)心理的安全性は全く高まらず、現状維持...いやむしろ関係性悪くなった人もいました。スタッフからは

・なにをいきなり言い出したかと思ったら…。
・流行りの本に影響されすぎ。
・これできる現場は限られている。
・そんな時間はない。
・必要性は分かるが何から手をつけていいのかわからない。

スタッフからの不安、不満の嵐。。

半壊滅的な状況の中、どうすればいいのかを必死に考えた結果を記事にしたいと思います。組織について、部下育成について少しでも改善する糸口になれば幸いです。

読んでほしい人

・組織の生産性が上がらないと悩んでいる人
・心理的安全性を導入しようとしている人
・心理的安全性を説明したが関係性が良くならない人

結論

当然の結果ですが「心理的安全性を説明し、みんなが理屈を理解することだけでは継続的に組織は良くならならない」です。理屈だけだと単発で終わります。それ以前で意識しないといけないことがありました。そもそもみんなが理解することさえも難しいですし、一朝一夕にはいきません。と言いますか、言葉として理解しているしメリットも分かる。でも進まない、変わらない、高まらない。そのうち忘れる。そういった場合は部署のトップがボトルネックになっていると思います。以前の記事の後半にも書きましたが

それらを改善するには、トップ、上司から変わる。これに尽きます。そしてまずなにから手をつけるべきなのかを把握しておくことが必要かなと思っています。

心理的安全性の一番のメリット

私自身が感じる一番のメリットは「仕事のやりやすさ」、これに尽きます。もう少し細かく言うと、情報のエラーが少ない、無駄なやり取りが少ない、健全な話し合いができのびのび仕事しているといった印象です。私は心理的安全性が高いチームとそうでないチームの両方とも同時に見ていた時に思いましたが、天と地ほど違いました(笑)。心理的安全性が高いとなによりみんな楽しそうです。ちなみに心理的安全性の定義としては

組織の中で自分の考えや気持ちを誰に対してでも安心して発言できる状態

心理的安全性の定義

のことを指します。
変化が激しく将来の予測が困難な時代。何が正解か不正解かわからない。そして上司からすると1番の問題は「部門内に起きている問題がわからない」ことだと思います。

問題がわかれば答えは半分分かったと同じだ

アインシュタイン

あのアインシュタインでさえそうおっしゃっています。であるならば問題をいち早く把握することの重要性が増していきます。そしてそれを支えるのがこの「心理的安全性」です。問題は多発するがトップにそれが伝わっていない。伝わったとしてもそれが事実なのか個人的な感想なのかわからない。そうなると現場のリーダーは何を解決したらいいかがわからず、良くないリーダーは自分の仕事を優先したり、小さなことが気になって指摘してみたり、思いつきで仕事をし始めます(→お恥ずかしいですが私です)。そんな状況で当然質のいい情報なんて上がってこない。本来であれば、というか心理的安全性が高ければ「質いい情報=進行形で起こっている改善すべき情報」が上がってきやすくなる。その情報が集まることで問題が発見しやすくなり、改善のために動き出すことができる。そして組織が心理的安全性が高い場合は、みんなでアイデアを出し解決に向かうことが出来るうえに、それぞれが問題解決に参加したという証拠にもなり、やらされ感ではなく自ら動くきっかけにもなる。そして結束力も高まりさらにいい組織になる。そんな好循環が生まれていました。

最初にやることは何か

最初にやることは私のように「心理学安全性とはこれですよ!」とか「こんなにいいことありますよ!」とか「みんなでやりましょう!!」とかスタッフにドヤ顔で説明することではありません。最初にすべきは直属の部下との関係性の質が悪い(心理的安全性が高くない)状態であれば、上司が真っ先に意識する部分は2つ。

①変えられないものを受け入れられるか
②「自己認識」をしようとしているか


いわゆるマインドセットの部分。心理的安全性を高める前に必ずすべきだと思う2つのことです。私自身の経験として、上司であればこれは必須だと思います。なぜか。上司がフラットな状態で部下のことを見れない時や、意見を聞けない状況になっている時では「部下が組織の中で自分の考えや気持ちを誰に対してでも安心して発言できる状態」になんてなれるはずないからです。360度評価のようなものはなくても部下はこちら一挙手一投足をみています。信頼がおける人物なのか、話をしっかり聞いてくれるか、部下を守ってくれるのか、一緒にいると成長できそうか、安心するか、頼れる人物か…上司の普段の何気ない行動こそ心理的安全性のベースになっていると思います。いくらかっこいい言葉を並べても、優しくても、一番遅くまで残業して仕事してますアピールしても、たくさんお菓子を配っても、「あたまが固く、自分の考えに固執し、他人からのフィードバックを素直に受け止める」ことのほうがはるかに重要だ、と思うのです。

もう少し具体的に説明します。

①変えられないのを受け入れられる


ここの境界線が曖昧だとしんどくなります。私もそうでした。変えられないものと割り切ること、何でもかんでも自分でやれる!やってみないと分からない!という考えに陥るとやることばかり増えていき、そのうち余裕がなくなり、結果的に部下へ冷たい態度をとってしまっては元も子もありません。割り切っているから冷たく感じる、ドライだ、と言われるかもしれませんが自分の気持ちは自分が1番わかります。そのため何かに執着しすぎて身動きが取りにくくなるより、柔軟に受け入れる体制をとっておく。これはこういうものなんだ、と事実と感情は分けて考え、変わらないことは変わらないと受け入れる。ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)やマインドフルネスの考え方に近いかもしれません。他人と過去の出来事は変わらないというのが決まり文句ですが、他人の全員が変わらないと考えるのは少し寂しい。これで、私は「他人(部下)を変えてやる!なんておこがましい。そんなことを考えるよりも自分の考え方や受け取り方を変えたほうが手っ取り早いな」という結論で落ち着き、無理しないことにしました。自分が変わっていくと周りの見え方も変わってきます。そして変わっていくこちらをみて相手も少しずつですが変わる。つまり変わらないのは変えられないと受け入れ、早く次のアクション(過去と他人と割り切って変えられるもの、自分の考え方や受け取り方から変えること)に繋げられることを優先したほうがいいと思います。

②自己認識しようとしている


自己認識についてですが、自分の状態に気づいているか、つまり「自分のことを客観的に理解できているか」ということになります。これができない人は自分の都合がいいことしか見ないし、他人の言うことを聞かないといった傾向があるように感じます(実体験)。そう思いながら読んだこの本にいい表現がありました。

自己認識は自分についての自分の見解と他人の見解が複雑に混ざり合ったもの。内的自己認識(自分からの視点)か外的自己認識(他人からの視点)かどちからしかない時はパズルのピースが欠けているのに等しい。

insightから引用

つまり自分だけの視点で「自己認識している」「自分のことは自分が一番わかっている」となってしまっているようだと、自己認識できていないということに等しいということになります。そうしないために定期的に他人の意見を素直に聞きいれる準備と、柔軟な思考が必要だと思います。
ちなみに他人の意見をなかなか取り入れられない人、柔軟に対応できない人こそ自己認識が必要だと思いますが、そういった人は「自分は自己認識できている、自己認識は必要ない!」という状態なってしまっているそうです。「自己認識のジレンマ」というそうですがとても納得しました。

まとめ

今回も長くなってしまいましたが参考になれば幸いです。
私自身の経験をもとにしていますが、心理的安全性が高まらない場合は部署のトップが真っ先に変わらないといけない。
特に
①変えられないものを受け入れられるか
②「自己認識」をしようとしているか
この2つを意識してほしいと思います。

先ほど紹介したinsightの中でも有名なフォードの元CEOのアラン・ムラーリーの言葉が紹介されています。

チームがどこまで遠くに進めるのかは間違いなくリーダーの自己認識のレベルにかかっている。

フォード元CEO アラン・ムラーリー

変わらないものを受け入れて、変わるものを変えていく。そして自分自身を客観的に見つめて、他人の意見を聞きながら、自己認識を進めていく。そうすることでやっと心理的安全性の土台、人間関係・関係の質の部分がつくられるのではないかなと思います。

正直めちゃくちゃ難しいです…私もまだまだですがこれらを意識することで少しずつ職場の雰囲気が変わっていきましたので、一緒に頑張りましょう!

Twitterやってます。良ければフォローお願いします♪


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?