医師起業日記_vol.6_「できるかどうか」が人生をつまらなくする
「自分でもできるか」を考えるとツむ
「起業はさすがに自分じゃ無理だから、ベンチャーの手伝いとかしてみたいんです」
無料相談でのこんなシーンがあった。人生・キャリアに悩んでいる若年医師のAさんから、ポロッとこんな言葉がこぼれた。
まだまだ伸びしろしかない彼だが、どことなく曇った表情だ。本心で言っているというより、どこかに諦めを含んでいる。"本心に見せかけている"という印象だ。
「そうですか。本当はどうしたいですか?」
当然ながら、本心で言っているわけではないことに気づいた自分は、そう問いかけた。
「うーん。」
なかなか本音が出てこない様子だ。それでも彼の中にある本音が少しずつ出てき始めた。
「できないと思うんですけど、◯◯(医師向けアプリを手掛ける急成長中の某スタートアップ)みたいなベンチャーを創りたいとは思ってるんです。」
少し表情が明るくなる。
実はこういった場面は、無料相談を受けていれば、2-3回に1回は遭遇する。かくいう自分も、かつてはまさにこんな感じだった。
「なんかよくわからないけど、すごいね笑」
「起業するって言ってるやつに限って、しないじゃん笑」
「現実的にはキャリア積んでからじゃないと、社会的信用がないよ」
本心の目標を口に出せば、必ずそう否定してくる人がいる。もしくは、いると思い込んでいる。
忙しい社会人生活で考える余裕がない上、そんな否定まで浴びてしまったら、本音なんて出てこなくなる。
ただでさえ、日本の学校教育は下方修正の毛色が濃い。進路相談をすれば「模試の判定的には〜」と、「どうしたいか」ではなく「受かるか」を軸に話が進む。
今回はこのような「できるかどうか」を軸に人生・キャリアを考えることは妥当なのかどうかについて話したい。
「できるかどうか」は全くもって意味がない
「夢は大きく!」
「諦めなければ何だってできる!」
「諦めなければ失敗はない!」
こんな絵空事を並べるつもりは全くない。
綺麗事抜きにしても「できるかどうか」は論理的に意味がないのだ。
意味がないと言える理由は、下記である。
どんな高い目標であれ、最初は"よくわからないけどできる気がする"と動くことで初めて達成されるもの。
そしてこの"よくわからないけどできる気がする"と思える範囲が広ければ広いほど、その先に実現できる理想も大きくなる。
「現在できるかどうか」から考え始めた目標は、もはや目標ではない。しかし、
「そう言われても、"よくわからないけどできる気がする"なんて堂々と信じられないから困ってるんだ!」
そんな声もあるだろう。実は、ここが最も重要なポイントなのである。
独りで自信しようとしてはいけない
どんなに自信家でも、現時点で達成できる方法もよくわからない目標に対して「自分ならできる!」と信じ切るのは難しいもの。
この「自分ならできる!」という自信を『エフィカシー』と呼ぶ。エフィカシーを独りで高く維持するのは本当に難しいことなのだ。
逆に「独りでできる」「俺はエフィカシーが高い」と思い込んでいる人がよく陥るパターンもあるので、注意が必要だ。
行動力に自信がある人でも、エフィカシーが下がり始めると、行動が「筋トレ」「読書」「やりたいのかよくわからん副業にトライ」みたいな現状維持パターンにハマる。
こうなってしまうと、自己満足ばかりを追いかける生活になり、根本的には何も変わらない。エフィカシーというのは、本当にその人の達成レベルを左右してしまうのだ。
"よくわからないけどできる気がする"を維持するには
ここまでの話を振り返った上、改めて結論を。
「"本当はこうなりたい"という目標を達成するためには何が必要なのか」
この問いに対する答えは
「"よくわからないけどできる気がする"を維持できる環境をつくる」
「その環境で"本当に必要な行動"をとり続ける」
この2つだ。少なくとも、独りでやるのはマジで難しい。
かくいう自分も、現在の状況まで到達できたのは、いつでも自分より自分を信じてくれていたコーチのおかげだ。
「なおきくんなら絶対できますよ」
まじで信じている顔で毎度そう言われれば、自然と「んーじゃあできる気がする」と動ける。ノウハウ提供者より、こう信じてくれている人がいることが本当に大きい。
あなたよりあなたを信じてくれる存在を持てば、自然と理想が現実になり続けるもの。そんな存在を探してみるのがおすすめだ。
よければ参考にしてください!
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