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医師起業日記_vol.8_ロジカルシンキングに価値なし

論理の限界

「論理思考のスピードをあげて、最強のビジネスマンになりたい」

そう思って思考法の本を読み漁り、かなり意識していた自分。あまり頭の回転が早い方ではないものの、それなりに綺麗に構造を考えるのはスキになった。

ところがどっこい。

事業に関して、論理思考を磨いて何かがよくなった感覚はなく。それどころかむしろ、論理で導き出したアクションって、停滞に繋がっている感じがする。

「どういうことだ…」

創業1ヶ月目からそんな壁を感じた。医師としては論理思考がちょっとでもうまくなると、仕事の正確性があがってきて、成長が実感できた記憶がある。

そんな時、ある経営者向けコーチングの本を読んで、その停滞の理由をハッキリと理解した。衝撃。当然のことのようにも思えるが、自分からすればまさにパラダイムシフトだった。

今回は、そんな「論理思考が成長にあまり価値発揮をしない理由」を記載していく。


1. 論理はその人のレベルでしか展開できない

例えば、論理思考の得意なAさんが「Xを伸ばしてコンテンツビジネスをやろうとしている場合」を例にとって考えてみる。

①「ターゲットから論理的に逆算すると、◯◯というキーワードを冒頭につけた投稿をすれば、イイネされやすくフォローしてもらうことにも繋がるはずだ」と考えて、◯◯が冒頭につくポストをし続ける。

②「アカウント名は、一文目を見たターゲットが「この人は◎◎をしている人だ」と一目でわかるものがいいだろう」と考えて、『タロウ | ◎◎』というアカウント名にする。

こんな風に論理的に考えれば、別にアカウント設計はできてしまう。論理が合っていればプロに頼る理由もないだろうとAさんは確信する。

しかし、この論理で運用してみた結果、AさんのX運用は運用成績はあまりよくなかった。なんで論理的に正しいはずの戦略がうまくいかないのだろうか。

それは、その論理の"前提"がズレているからだ。論理構造は正しくても、前提条件が間違っていると、その論理は意味をなさない。

①ターゲットから論理的に逆算すると、◯◯というキーワードを冒頭につけた投稿をすれば、イイネされやすくフォローしてもらうことにも繋がる。

そもそもターゲットは本当にXをよく見ているのか?

②アカウント名は、一文目を見たターゲットが「この人は〜をしている人だ」と一目でわかるものがいいだろう。

そもそもターゲットは◎◎というワードに関心があるのか?

思考力のあるX素人がどれだけ鋭い戦略を作っても、プロには及ばない理由はここにある。前提条件は、論理で導けない。盲点だから、論理に入ってこない。

このように、現在の自分が思いつく論理をどれだけ尖らせても、それは"自分の視点"でしかない。

自分の論理で到達できる最高到達地点が現在なのだから、さらに上にいくには、自分では考えの及ばない論理に基づいて行動する必要がある。


2. 論理は直感を越えられない

論理思考というのは原則的には「過去〜現在に至るまでの蓄積を元にした思考」である。

「目標からの逆算は論理だけど、未来ベースでしょ」

そう思いがちだが、その逆算自体が過去〜現在で生まれた脳内モデルで行われている。結局「過去〜現在こうだったから」という前提を抜けられない。

これは現代のように予測不能な革新が続く時代にはとことん向いていない。古代から言い伝えられる原理原則は有用だが、半年前のSNS運用テクニックはもう役に立たない。

役立つのはむしろ、ゴールを鮮明に描けている人に、意図せぬタイミングで舞い降りる"直感"だ。ゴールなしの"直感"は単なる気のせいだが。


3. 成功者の論理は後付け

成功者は「こういう風に考えてこのように行動した結果成功した」という自伝を出版しているものだが、その論理を本当に当初から持てていたのかというと疑問のはずだ。

むしろ"直感的にこうした方がいいのでは"の連続の先に現在の成功があり、よくよく考えればこういう論理で動いていたからうまくいったのでは、という後付けのニュアンスも感じる。

皆さんも、仕事のみならず、人生が跳ねる時というのは往々にして、論理をこねくり回した時ではなく、直感で動いた時ではなかっただろうか。


論理よりも直感を大事にするというのは、理系出身の自分からすればなかなか受け入れ難かった記憶があるが、今こうしてふと考えると、論理の価値は薄い。

論理などのハードより、直感・感性・人間力のようなソフトな部分が大事になってくる世の中だ。今後も、変にこねくり回さず直感的に考えていきたいと改めて感じた。


よければ参考にしてください!


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